The Beatles line up in their Sgt Pepper costumes
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ミュージック

バンドユニフォームの歴史

バンドユニフォームは1960年代前半の “スーツ&ブーツ” から大きく進化した。The BeatlesからBABYMETALまで、その歴史を簡単に振り返る。
Written by Sammy Lee
読み終わるまで:6分Published on
世の中の全てのバンドがTシャツ&ジーンズを着ているわけではない。
ミュージシャンがラフな存在になる前、1940年代から1960年代にかけてのミュージシャン、つまり、ジャズのビッグバンドから1960年代のブリティッシュビートバンドまでは、メンバー全員が揃いのシャープなオーダーメイドスーツと小綺麗なヘアスタイルを用意していた。
しかし、ロックンロールが生まれ、ティーンエイジャーのポップカルチャーが反逆とギャング的メンタリティを打ち出すようになると、1960年代中頃から後半にかけてのバンドがそれまでの “ユニフォーム” を換骨奪胎するようになった。

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ポップミュージックが奇妙な音楽になっていくに連れてバンドユニフォームも進化し、The Beatlesの『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』の衣装をきっかけに、コンセプチュアルで奇想天外なものへと急速に変わっていった。
今回はそのような中から我々のお気に入りをいくつか紹介しよう。

The Beatles

The Beatlesは10年の歴史の中で様々な変化を体験した。それはサウンドと音楽的実験だけに限った話ではない。
彼らは自分たちの全てをひとつにまとめるヴィジュアルイメージが必要なことを理解していた。彼らがそこに初めて着手したのはハンブルク時代で、最初はレザーなロックンロールスタイルを打ち出したが、のちにマネージャーのブライアン・エプスタインにアドバイスされてスリムスーツとモップヘア姿に変更した。
こうして “ファブ・フォー” が誕生し、多くの他のバンドが彼らの真似をするようになった。
しかし、1967年、彼らは『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』と共にそのイメージから脱却し、レトロな軍礼服をサイケデリックにアレンジしたユニフォームを用意した。軍服を明るくアレンジしたこのユニフォームは、当時のカウンターカルチャーの楽観主義を表現していた。
The Beatles wore their psychedelic retro military uniforms on the cover of Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band they arguably kicked-off the craze for band uniforms as we now know them.

サイケデリックと軍服のコンビネーション

© John Smisson

The Monks

The Beatlesが『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』のユニフォームを着る前、比較的無名なもうひとつの革新的なグループがドイツで独自のユニフォームを打ち出していた。
ドイツ・ゲルンハウゼンに駐留していた米軍人たちが1960年代前半に結成したガレージバンド、The Monksだ。
ヒプノティックなリズムにフィードバックを多用した耳障りなサウンドを組み合わせたこのガレージパンクバンドは、明るいサイケデリックロックとフォークポップが流行っていた当時の音楽シーンの中では異色の存在だったが、彼らのアルバム『Black Monk Time』はThe Velvet UndergroundやThe Fallなどの後発バンドに大きな影響を与えることになった。
また、彼らは挑発的なパンクロック的アプローチでカトリック修道士を真似たユニフォームも用意し、修道衣を着込んだばかりか、自分たちの完コピぶりをとことんアピールするために、頭頂部を剃った髪型まで用意した。彼らを上回るのは難しい。
US band The Monks formed on an army base in Germany in the '60s and decided the best way to accompany their ferocious garage-punk was to dress up as, yep, monks.

修道士ルック

© John Smisson

Devo

USニューウェーブバンドの中で最もヴィジュアル的要素が強いのがDEVOだ。
Mark Mothersbaughを中心にオハイオ州アクロンで結成されたこのバンドは、TheRolling Stonesの「(I Can’t Get Know) Satisfaction」の再構築バージョンとグローバルヒット「Whip It」が最も良く知られている。
David BowieとIggy PopはDEVOの無愛想なエクスペリメンタルアートポップの大ファンで、Brian Enoがデビューアルバム『頽廃的美学論 / Q: Are We Not Men? A: We Are Devo!』のプロデュースを担当した。
モダンなロックやポップを完全にひっくり返した彼らの “DE-EVOlution”(退化)アプローチは世界に大きな影響を与えた。
しかし、DEVOの音楽を知らない人も覚えているほど強いインパクトを持っていたのが、彼らのユニフォームだった。
彼らは揃いのジャンプスーツと “エナジー・ドーム” と呼ばれるカスタムメイドの赤いハットを常に身にまとっていた。
エナジー・ドームについて、バンドはメソポタミア文明のジッグラトからインスピレーションを得たものとしており、「ジッグラトはエナジーを集めて再生する場所だ。僕たちのエナジー・ドームも、人間の頭頂部から溢れるエナジーを集めて、延髄に戻し、メンタルエナジーを増加させるためのものなんだ」と説明している。
Ohio’s post-punk trailblazers Devo had several different get-ups but their most well-known is their combination of jumpsuits and upturned flower-pot hats.

DEVO

© John Smisson

Leningrad Cowboys

バンドユニフォームは徐々にコンセプチュアルなものになっていった。
Kraftwerkの赤黒のロボット的ユニフォームから、Dexys Midnight Runnersのジプシーと『怒りの葡萄』的衣装を組み合わせたユニフォームまで、バンドユニフォームは急速に奇妙なものへと変わっていった。
フィンランドのロックバンド、Leningrad Cowboysはその中で最も奇妙なユニフォームを打ち出していたバンドのひとつだ。
アキ・カウリスマキ監督がSakke JärvenpääやMato Valtonenを引き込んで生み出したこのバンドは、旧ソ連の衰退を表現するためのものだったが、1988年の映画『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』のカルトヒットによってバンドの活動が本格化した。
ジンギスカンやロシア民謡、宇宙旅行などをテーマにしたロックンロールポルカと呼べるサウンドにトゥーマッチなポンパドールと先の尖った奇妙なレザーシューズ、旧ソ連の軍服を模した衣装を組み合わせていた彼らは、年次総会で集まったロシア人闘牛士のようなイメージだった。
Finland’s comedy pop-rockers Leningrad Cowboys formed as a joke but their outfits are a staggering mix of OTT pompadour hairstyles, pointy wizard shoes and suits worn by Russian generals. Incredible.

Leningrad Cowboys

© John Smisson

BABYMETAL

The HivesやThe White Stripesなどがユニフォーム的ルックスを依然として打ち出しているものの、近年はユニフォームよりもコスチューム的なものが目立つようになっている。
その中で、ポップグループ伝統のユニフォームに近年爆発的な人気を獲得しているコスプレ的アプローチを取り入れてユニークなルックスを打ち出しているのが、日本の “Kawaii” メタルバンド、BABYMETALだ。
神バンドをバックバンドに従えているBABYMETALは、プロデューサー小林啓(KOBAMETAL)の天才的ヴィジョンと手腕によって生み出された、SU-METAL、YUIMETAL、MOAMETALのトリオ編成で、攻撃的なスラッシュメタルに、日本のアイドルグループが歌うようなポップなメロディを組み合わせたサウンドを展開している。メロイックサインの代わりにフォックスサインを用いているのも特徴だ。
非常に特徴的な彼女たちのユニフォームは、日本のホラー映画、漫画、アニメなどからインスピレーションを得た、赤と黒を基調にしたコスプレ的アプローチが採用されている。
This band uniform is what happens when Japanese Idol culture meets heavy metal, as worn by the brilliant Babymetal.

日本のアイドルカルチャーとヘヴィメタルの融合

© John Smisson