ロビー・ブリットンはウルトラマラソン英国代表メンバーで、Wings for Life World Runのアンバサダーも務めている。ウルトラマラソンについて知らない人のために教えておくと、ウルトラマラソンとはマラソン(42.195km)より長距離を走るマラソンを意味する。そして、ロビー・ブリットンはその中の24時間耐久レースを専門にしている。よって、ウルトラマラソンがいかにハードなスポーツなのかについて、彼が知らないことはないと言って良いだろう。そこで今回はブリットンを捕まえて、ウルトラマラソン初心者用のヒントを教えてもらうことにした。ダクトテープの使い方から、ジョン・ウェインのようなランニングを避ける方法まで、ブリットンが教えてくれた10のヒントを以下に紹介する。
Wings For Life World Runは5月7日に開催予定。
1:自分にもできると言い聞かせる
ウルトラマラソンにチャレンジしたいという気持ちがあるなら、とにかく参加してみよう。ウルトラマラソンは「超人にしかできない」など、ハードルが高いイメージがあるけれど、実際は違うんだ。誰でもこのスポーツを楽しめる。たとえ今日いきなり100マイル(160km)を走れと言われても、その気になればどんな形でもできるはずさ。もちろん、辛いとは思うけれど、決して不可能じゃないよね。
2:自分のペースを掴む
ウルトラマラソンはスピード勝負じゃない。効果的なランニングができるかどうかが大事なんだ。栄養や水分を補給しながらゆっくりと走ることが大事なのさ。だから、自分のペースを把握しよう。徒歩、ジョギング、ランニングと、誰にでも自分が快適に走れるペースがある。自分のペースに合うイベントに登録して、トレーニングを始めよう。
3:コミュニティに参加する
ウルトラマラソンのコミュニティのFacebookページには18,000人以上が参加しているんだ。質問を書き込めば、皮肉めいた返信がされる時もあるけれど、丁寧な返信をしてくれる人もいるから、求めている答えが必ず得られるはずさ。誰でも気楽に参加できるオープンなコミュニティだし、オススメのレースについても教えてくれるよ。きちんとオーガナイズされているわけではないけれど、協力的なんだ。
4:魅力的に思えるレースに参加する
DUV Ultra Statisticsというドイツのウェブサイトがあって、レース結果やレーススケジュールが確認できるようになっている。マウンテンレースを探している人なら、Run the Alpsというレースをはじめとする沢山のレーススケジュールが確認できるよ。あとはRun 247も素晴らしいレースだね。このサイトを上手く活用してみよう。
5:徐々にレベルアップする
ゆっくりとレベルアップすることが重要だ。フルマラソンを目指す人は、5km、10km、ハーフマラソンとレベルアップしていくけれど、ウルトラマラソンも同じなんだ。周囲の否定的な声に振り回されてはいけない。しっかりと準備して無理のないイベントに参加すれば、たとえスピードが出せなくても完走はできる。ウルトラマラソンの世界に不可能はないんだ。いきなりハードにトレーニングすれば、たとえこなせたとしても怪我をするリスクが高くなる。
6:経験を積む
ウルトラマラソンに初挑戦する際は、フィジカルを整えておくことも大事だけど、経験を積んでおくことも大事だ。水分補給するタイミングやペース配分、水ぶくれや擦り傷への対応、正しいギアの選び方などに関する知識を10kmマラソンやハーフマラソン、フルマラソンに参加して学んでおこう。
7:ミスを恐れない
僕もウルトラマラソンを始めた当初は数多くのミスをした。でも、同時にミスから学んだんだ。学習時間を短縮したい人は、積極的に人に話しかけて、アドバイスをもらおう。また、トレーニング中のミスからも学ぶようにしよう。回数をこなすだけで優秀なウルトラランナーになれるわけじゃない。ミスから学べるかどうかなんだ。大間違いをしても心配無用。それだけ学べることがあるってことなんだよ。
8:ギアをテストしておく
レース当日に新しいギアをおろすのはやめよう。間違いなく擦り傷に苦しむことになる。乳首が擦れて痛くなっても交換できないから、ギアはレース前に必ず試しておこう。乳首に関して言えば、僕はダクトテープを貼るようにしているんだ。はがす時は痛いけれど、レース中ずっと擦り傷に苦しむよりマシさ。とにかく、全てのギアをレース前に試しておこう。下半身用のギアは特にね。靴擦れを抱えながらのレースは最悪だ。傷をかばってジョン・ウェインのようにひょこひょこしたランニングになってしまえば、今度は足の筋肉を痛めてしまう。情けない姿でレースを終えることになるよ。
9:レースを細かく分ける
レース全体をセクションに分けて考えるようにしよう。まず、スタートから最初の1kmまでで自分の調子を見て、その先も1kmごとに区切って走るようにしよう。もちろん、チェックポイントごとに区切っても構わないし、自己ベストなどの記録を目安しても構わない。自己ベストを目標にすると更新後に目標がなくなってしまうけれど、走るだけ記録更新になることを意識してみよう。辛くなってきたら、街灯や木、前を走っているランナーなどを目指すようにする。目標を短くするんだ。僕が24時間レースに参加する時は、まず1時間走ることを意識している。疲れていても1時間なら絶対に走れる。1時間走ってそれがクリアできたら、また次の1時間を走るんだ。
10:燃料補給
24時間レースでは、1kmごとに栄養補給をするようにしている。自宅でフルーツを加えた水分たっぷりのライスケーキを用意してレースに持ち込んでいるんだ。山の中を走るトレイルレースの場合は、自分で食料や飲料を用意するしかない。僕もライスケーキの他に、スイーツやゼリーを用意しているよ。あと、ウルトラマラソンでは、後半に入るとドリンクで栄養補給をするランナーが増えてくる。固形物を飲み込むのが辛くなってくるからね。でも、炭水化物の補給を忘れないようにしたい。Wings for Life World Runで言うなら、レッドブル缶で補給するのが良いね。カフェインも入っているし、走り続けるための燃料としては効果的だよ。