MTB:より強く・より速くなるためのヒント

Red Bull専属のハイパフォーマンス・マネージャーが、MTBライダーが総合的なパフォーマンスを高めるためのヒントを教えてくれた。
By Darren Roberts

 筋力トレーニング

ライディングのパフォーマンスを高めるためには、まず筋力を強化することが大前提となる。強い筋肉はバイクにおけるあらゆる動作における基盤になる。

筋力トレーニングの目的は、負荷に対して筋肉を適応させることにある。このトレーニングをこなせば、ライディング時の負荷に対する許容度を高めることができる。筋力トレーニングとは、筋肉のみを強化するものではない。トレーニングを通して、結合組織や骨密度も強化できる。

筋力を強化すれば、ハードにバイクをプッシュできるようになり、衝撃に対する許容度も得られる。また不測のクラッシュ時のダメージも最小化できる。筋力トレーニングは必ず取り組むべきものだ。

A photo of Gee Atherton weight training in the gym.
ウェイトを使ったトレーニングに励むジー・アサートン © Laurence Crossman-Emms

身体を正しく動かす

どのタイプの筋力トレーニングでも、身体がどう動いているかに気を配りたい。まずは自分の身体が正しく動いているかを確認する必要があるので、専門家のアドバイスを仰いで、正しい姿勢を学んでおこう。誰もが「自分はスクワットができる」と思い込んでいるが、スクワットでの身体の動かし方が身についている人をじっくり観察してみると、実は自分が間違った形でスクワットに取り組んでいたことに気づくだろう。

重いウェイトをリフトすることは危険ではないが、間違った身体の動かし方は危険を招くことがある。したがって、荷重がかかっている際の自分の身体の動きが正しいかどうかを確認しておくべきだ。正しい動きを身につけたら、最初の一定期間は軽いウェイトのリフトから始め、それから徐々にウェイトを増していくと良い。筋肉は靭帯や腱よりも早く適応する場合もあるため、この方法によって関節の結合組織を効果的に強化することができる。

Marcelo Gutierrez does some pre-seson preparation at the Red Bull DTC
DTCでトレーニングに取り組むマルセロ・グティエレス © Mats Grimsæth/Red Bull Content Pool

 スクワット&デッドリフト

ライディングのための筋力トレーニングとして最も基礎的かつ効果的なエクササイズはスクワットだが、刺激を持続して得られる他のトレーニングも存在する。たとえば、フロントスクワットは通常のスクワットとは違う方向から筋肉に働きかけることが可能で、重いウェイトと共に行うオーバーヘッドスクワットは身体全体に負荷をかけてくれる。また、デッドリフトは時に忘れられがちなエクササイズだが、これも全身に負荷をかけるので、私も積極的にメニューに取り入れている。

スクワットを否定する気はないが、個人的には全身に負荷がかかるデッドリフトが好みだ。比較的初心者でもデッドリフトはごく短い時間で習得できる。ただし、下半身の強化だけに集中することは禁物だ。バイクの上で自由自在に身体を動かすためには、強い上半身も必要不可欠だ。

Sarka Pancochova doing squats on an exercise ball
軽い負荷から始めよう © Lukas Wagneter / Red Bull Content Pool

 ダウンヒルライダーの上半身にかかるインパクトを考えてみよう。ハンドルバーに顔が直撃するのを防いでいるのは、下半身と上半身の強度のバランスだ。ダウンヒルにおける上半身の強度の重要性についてまだ認識できていない人は、ジー・アサートンのレースや、彼が2010年のRed Bull Rampageで披露したステップダウン~ウォールライドの動きを確認すると良いだろう。体幹トレーニングにテーマを絞った以前の記事でも触れた通り、体全体、または自重を使ったトレーニングなどを通じて、体の隅々まで鍛えておくことが重要だ。

Gee Atherton taking on the challenge of Red Bull Rampage 2010
Red Bull Rampage 2010のジー・アサートン © Ian Hylands/Red Bull Content Pool

 パワートレーニング

強い筋力という基礎が出来上がれば、次に考えるのはパワートレーニングだ。パワートレーニングはまず何よりも強い筋力を身につけていることが大前提だ。しかし、パワートレーニングはこれまでの筋力トレーニングやスクワットとはまた別の領域なので、効果的にトレーニングを行うためには専門家の知識と正しいツールが必要になる。パワートレーニングの効果を最大限に引き出せるだけの時間とリソース、スキルを持ち合わせているならば、私はこのトレーニングを強く勧める。

(編注:パワートレーニングはサイクルスポーツのプロフェッショナル分野で近年多く用いられるトレーニング方法で、パワーメーターと呼ばれる計測機械を組み込んだマシンを使った効果的なパワーアップを目的とする)

それらを持ち合わせていない場合は、筋力トレーニングを継続しよう。重い負荷で長距離をできるだけ速く走りトレーニングを繰り返せば、強固な基盤を得られるだろう。登坂やバームの出口でパワフルなトラクションをかけられるようになるはずだ。

 

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