ゲーム史に残る最低のボスとは

老いぼれ兵士から邪悪な金魚まで、ゲーム史上最も馬鹿げたボスたちを紹介しよう
The lamest final bosses in gaming history
The lamest final bosses in gaming history © Konami
By Stuart Houghton

一つのゲームをクリアするには、熱意や技術、試行錯誤、そして忍耐力が必要だ。しかしそれ以前に、プレイヤーはボスに勝たなければならない。良いボスとは何だろう? それは次のステップを踏み出したいプレイヤーの前に立ちはだかる門番であり、苦労して獲得したスキルを試す最後の機会であったりもする。旅の終わりに辿りつく、最終ステージかもしれない。

しかし一方でダメなボスとは… そんなゲームをプレイしてしまったことさえ後悔させるような存在のことだ。ここでは中ボスであれラスボスであれ、ゲーム史に残る最低のボスたちを紹介していこう。ガッカリ感、ふざけた発想、馬鹿の一つ覚えなど、彼らの悪名をなさしめたものを見て欲しい。彼ら以上にクライマックスを台無しにした存在が、他にいるだろうか?

Nihilanth - Half-Life

ニヒランスを目にしたのなら、そのプレイヤーはもう『ハーフライフ』の(当時としては)リアルな世界に慣れ、さまざまな武器の使い分けができるようになっているということだ。ところが「ゼン」という妙にゲーム臭いステージに入ると、ゲームは途端につまらなくなってしまう。しかもその終盤では宙に浮いた巨大な胎児が現れ、その頭部の中にあるエネルギーの塊を破壊するまで付きまとわれるのである。『ハーフライフ』で唯一のつまらないステージに登場する、同作で最もつまらないボスだった。

John Romero's head - Doom II

『Doom II』には、巧妙にデザインされたステージや凶悪な敵が多数登場する。最終ステージ「Icon Of Sin」に辿りつくこと自体が偉業なのだが、その報酬として、ゲーム中の全ての敵が登場するという伝説的な戦闘が待ち構えているのだ。プレイヤーは戦いながら、盛んに火球を飛ばしてくる巨大な顔をロケット弾の連射で倒さなければならない。

いや、それ自体は悪いボスではないのだが… 壁を抜けられるようになる「NoClip」というチートで「Icon Of Sin」を通り抜けると、巨大な悪魔の顔に見えていたものは単なるマスクに過ぎないことが分かってしまう。そしてその顔を通り抜けると… なぜか棒の上に開発者の顔が乗っており、ショットガンで何発か撃つと倒せてしまうのである。これは控えめに言ってもガッカリな結末だった。

Liquid Ocelot - Metal Gear Solid 4

Metal Gear Solid』シリーズはボスが派手なことで有名だが、巨大な潜水艦の上で展開される最終決戦は、小島秀夫氏のブッとんだ基準から言ってもやりすぎだった。まず敵の黒幕であるリキッド・オセロットが治癒効果のある注射で主人公を回復させ、その後しばらく二人でスパーリングを行い(それもひどく長いカットシーンで)、さらには膝立ちで抱き合ったまま互いの首に注射を打ち合ったあげく、ようやくコントローラを使った格闘戦が始まる。戦いは果てしなく続き、オセロットは幾度となく「スネーーーク!」と叫び、主人公は「リキッドォォ!」と返し… とにかく「リキッド・オセロット」という名前の恥ずかしさを、プレイヤーの心にいやというほど刻み付けてくれるのだ。

まあとにかく、スムーズなジャズが流れるなかで、筋肉ムキムキの老人 2 人がクスリをキメながら 20 分に渡ってひたすら殴り合うという情景を楽しめる方には… たぶん、素晴らしいゲームだと思う。

The Joker - Batman: Arkham Asylum

バットマンを操作し、DCコミック屈指のスーパーヴィランたちが待ち受けるステージを切り抜けてきたプレイヤーは、この戦闘で首をかしげるかもしれない。永遠の宿敵との対決を描くにあたって、開発陣はいったい何をしたかったのだろうと。そもそもこの「犯罪界の道化王子」は、バットマンこと「ケープを纏った十字軍騎士」に対して、力技ではなく巧みな罠や心理攻撃をもって戦うことで知られている。開発陣は、最終決戦をどう演出するつもりだったのだろう?

悲しいことに、開発陣は『アーカム・アサイラム』の基本パターンを変えようとは考えなかったようだ。ジョーカーならではの狡猾さや罠を生かすのではなく、彼にベノムのスーパーステロイド剤を注射させたのである。プレイヤーは、筋骨隆々たるモンスターになったジョーカーと戦わなければならない。なんて安直なんだいバットマン!

Mara - Shin Megami Tensei II

正直に言って、なんでこんなものが社内審査を潜り抜けたのかはサッパリ分からない。戦車の上にいったいナニが乗っているのかは分からないが、色が普通じゃない(しかも持ち主から切り離されているような…)ので、泌尿器科に行ったほうがいいだろう。本来のマーラはスリランカ仏教の外典に登場する悪魔で、執拗にブッダの悟りを妨げようとする存在だ。本当にこんな姿をしていたら、我々でも思考が止まってしまうだろう。

Hive Mind - Dead Space

決して冗談で言っているのではない。『デッドスペース』は悪夢のようなゲームだ。たしかに展開を予測できるような部分もあるが、プレイヤーの緊張を高め、敵と遭遇するたびに心底恐怖させる技法を、EA は実によく知っている。

身震いするほど不気味なネクロモーフを相手に追いつ追われつの戦いを展開するのが本作の魅力であるだけに、最終決戦がタイミング方式のシューティングステージになってしまったのは残念だ。なにしろ「ハイブマインド」の攻撃パターンさえ覚えてしまえば、簡単に倒せてしまうのである。

The Slot Machine - Star Fox

「Out Of This Dimension」は、『スターフォックス』に存在する不可解で奇妙な隠しステージだ。とある小惑星(岩石)を破壊すると卵が現れ、その中から孵った鳥に向けて飛行すると問題のステージにワープする。ここでは何というか… すべてが変だ。このイカれたカーニバル風ステージのボスはスロットマシンで、倒すにはドラムが 777 に揃うまでレバーを撃ち続けなければならない。ドラムの動きは実際のスロットマシンと同様にランダムなので、クリアするには時間がかかるかもしれない。

Bob the Killer Goldfish - Earthworm Jim II

殺人金魚「ボブ」は、『Earthworm Jim』シリーズでも屈指の悪役だ。プレイヤーは実際にボブと戦うことになるまで、彼が強力な敵であり、いずれ(当時人気だった)『モータルコンバット』のごとき死闘が繰り広げられると信じ込んでしまう。だが実際に対面すると、ボブはただの金魚だった。プレイヤーがやることと言えば、歩み寄っていって金魚鉢からボブをつまみ上げ、飲み込んでしまうことだけだ。いくらなんでも弱すぎる。

Great Mighty Poo - Conker's Bad Fur Day

ひどい悪役はいろいろいるが、こいつほど最低で汚らわしい奴はいないだろう。NINTENDO64 時代に Rare が開発したゲームのボスだが、これには Microsoft の CEO こと Steve Ballmer 氏でさえ困惑したはずだ。不快極まりない汚物である「グレート・マイティ・プー」を倒すには、口の中にトイレットペーパーを投げ込んで弱らせてから、トイレのように流してしまえばいい。本作で笑い転げたのは、子供たちばかりではあるまい。

Navarro - Uncharted: Drake's Fortune

本作は記念すべき『アンチャーテッド』の一作目だ。ゲームも終盤にさしかかると、物陰から飛び出してヘッドショットを決めたり、絶妙な位置にグレネードを投げてはまた隠れたりといった調子で、次々に敵を倒せるようになる。高い壁をよじ登り、冷や汗一つかかずに狭い足場を渡ることも、パズルを解いて凶悪なトラップや不気味なゾンビ風の生物をかわすこともできるようになるのだ。

ところが最後の最後で、それまでのゲームは全部吹っ飛んでしまう。敵の黒幕であるナヴァロを、なんとQTE(ボタンアクション)で倒さなければならないのだ。あげく、主人公が古典的な手に引っかかっている間、プレイヤーはただポカンと画面を見つめていることしかできない。いったいどういうことなのかは、とにかく映像を見てほしい…

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