プロゲーマー、「ふ~ど」に聞く ゲームとの向き合い方、そして勝利への哲学とは

ふ~ど: 1985年生まれ、千葉県出身
By Red Bull Japan

(Interview by 松井悠)

バーチャファイター、ストリートファイターⅣ、ガンスリンガーストラトス。上を目指す者であれば名を知らない者は居ないとまで言わしめるプロゲーマーのふ~ど氏。ゲームプレイにおける超反応と圧倒的センスで他のプレーヤーを日々魅了し続けている。しかし、今ではプロゲーマーは徐々に数が増し、格闘ゲーム業界のレベルも日に日に進化を続けている。なぜこの環境の中で彼は、常にトップクラスのプレーヤーとして、トップクラスのプロゲーマーとして魅了し続ける者でいられるのか。それを直接、今も前線で戦う本人に聞いてみた。

今の現時点で、ただでさえ大量のゲームを抱え着実に全てのゲームで成績を残していますよね。それはとても困難な事だと思うのですが、実現出来ているのはほかのプレーヤーと何か違うのでしょうか?

ふ~ど: うーん、たぶん「適当」だと思うんですよね。適当っていうのはどのゲームもちゃんとやるけど、大会とかでどんな状況になったとしてもうまくごまかすというか……変えられる適応能力みたいなのが結構あって。一つのゲームを本当に詰めて挑むと相手が予想外の行動したときに、とっちらかるので。

実力が付いてくるとキャラ対策などが必要になってくる。しかしそれは、相手の動きをある程度検討付けてしまい、過信してしまう。

ふ~ど: そう。「自分のやり方はあっている、この戦略でいい」と思い込んでいって実はダメだと、なかなかそこで戦略を変えられないと思うんですけど、自分は割りと広く適当にやっているんで。

ゲームに限ったことではなく、今までの経験というものは意外と違う場面で役に立つことがあると思うが。ふ~ど氏は他のゲームで手に入れた経験値を全て、流用して柔軟な対応をすることに見事成功していた。ただ、だとしてもそれを大会の場面で発揮するのは簡単なことでは無い、その勝利に繋がる精神論は、他の人から聞くことはできない特殊な考え方であった。

ふ~ど:これは一般論ですが、勝利に対して貪欲な人ってめちゃくちゃ多いんですよね、ゲームって。でも、僕は勝利よりは上手くなる方を重要視しているっていうか……勝ちたいだけだったら弱い人と対戦すればいいし、それこそ複数のゲームを同時にやる必要がないんですよね。

勝てるタイトルずっとやっていれば勝てるので。僕はいろんなゲームをやるモチベーションとして上手くなることを重視しているんです。勝ちを欲しすぎて戦略とか新しいことをやりたがらないっていうことは避けたい。新しいことをやると最初は負けるんですよ。けど結果的に強くなるのが上だったら僕はやったほうがいいと思うんですよ。

確かにゲームというのは基本的に「勝ち」か「負け」しかない。プロゲーマーである以上、勝利にひたすらな固執をしている。と思いきや、それは違い、ふ~ど氏は自分の技術を磨くことに対し、常に気持ちを向け、その向上した技術を、本番でぶつける。

しかし注目されひとつひとつの結果がネットにも書かれていく今日である。大会では緊張などはしないのか?

ふ~ど: バーチャファイターを始めて半年で初めて格闘新世紀(セガの公式大会)に出たんですよ。全国大会の予選とは知らなくて町の大会だと思って出たら通過して全国大会で。

僕は、緊張って相手もするのでプラスマイナスゼロだと思っているんですよね。面接とかだったら面接している側は緊張しないかもしれないじゃないですか、対等じゃないんで。でも、大会っていうのはお互い対等なんでこっちが緊張して下手になったとしても相手も緊張して下手になっているとしたら五分なんで、別にそんなマイナスはないなと思って大会に臨んでいるんですよね。

 

確かに勝っても負けても、という状況は相手も全く同じである。そう考えればそこまで深く考える必要は無い。いつも通り出し切るだけだ。そして何よりも格闘ゲームや他のゲームは勝つ為にプレイする人が多いと思われるがふ~ど氏は「勝ちたいだけだったら自分より弱い人と対戦すれば良い」と言うとても印象に残る言葉をインタビューで残してくれた。

全日本サッカーのような、相手が強い、勝てないかもしれない。その中で最大のポテンシャルを発揮し続けていくことで大衆に感動を与えてきたものとどこか同じ共通点があるようにも感じる。向上心もだが、インタビューの中で最後にふ~ど氏が語ってくれた言葉が印象的だ。

たぶん俺プロとか関係なくゲームって一生やっていると思うんですよね。プロゲーマーになりたくてプロになったわけじゃなくて、ゲームがすごく好きで、その結果なったものなので。もし、プロじゃなくなったとしても、プレーヤーとしてゲームをやっていきたいなと思っていますね。


ふ~ど
-経歴・プロフィール-

2003年「バーチャファイター4エボリューションセガ・オフィシャル全国大会格闘新世紀Ⅱ」の本戦に出場以来、2009年までバーチャファイターの大会に毎年出場、2005年、闘劇05 バーチャファイター4 ファイナルチューンドにて、VFエリートというチームで他の名プレーヤーと共に初優勝を飾り、バーチャファイターユーザーの中でも若手エースとして有名となる。

翌年の2006年にはSEGA公式全国大会バーチャファイター5 お手並み拝見5にて個人戦にて初優勝。そして、2009年にアメリカで開催されたWorld Cyber Games 2009 バーチャファイター5LAでも日本人として頂点に立ち、2010年にはWorld Game Cup 2010(フランス)にてストリートファイターⅣ個人戦で優勝を飾る。

プロゲーマーの中でも数少ない「2D、3Dの頂点を見た男」であり、他のゲーマーからも反応速度が世界一の男と、他プロゲーマーからも認められる圧倒的センスと、実力の持ち主。2012年4月にアメリカのゲーミングデバイスメーカー「RAZER」とスポンサー契約を結びプロゲーマーとなる。国内外問わずとした大会で国内プロゲーマーの中でも極めて優秀な成績を誇るトッププロゲーマーである。

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