ゲーミング
ビデオゲームソフトを取り扱っている店に行けば、数多くのレーシングゲームを目にすることだろう。レーシングゲームは人気があり、100万本を売り上げる時もある。このようなリアルさを誇るレーシングゲームに興味を持たない方が無理のある話だ。
しかし、ジェットスキーゲームはどうなってしまったのだろうと不思議に思う時がある。何故なら時としてジェットスキーは車よりも楽しいからだ。それはわざわざ説明しなくても分かるだろう。Wii U版『ウェーブレースU』こそまだ発売されていないが、今回はアスファルトの代わりに予想不可能な波の上でレースする楽しさを教えてくれた過去のジェットスキーゲームの中からベスト9をピックアップした。
Championship Jet Ski Simulator(1989年)
Commodore 64/Amstrad CPC
懐かしいゲームの登場だ。これは海面に映り込む空を飛ぶカモメのレンダリングに何時間も費やす代わりに、ジェットスキーの後方にピクセルを広がるだけで海を表現していた時代のゲームだ。この『Championship Jet Ski Simulator』は世界初となるメジャーなジェットスキーゲームのひとつで、1989年にCommodore 64及びAmstrad CPC対応タイトルとして発売された。
このゲームは見下ろし型のレーシングゲームであり、コース及びジェットスキーがすべて1画面に収まっている様子は非常に原始的だ。言ってしまえば使用メディアもカセットテープだった。しかし、驚くことにこのゲームは今でも楽しめる。とはいえ、このCodemastersが生み出したマイナーなクラシックにはやや問題が残った。というのも、Codemastersは後にこれにそっくりのバイクレースを発売したのだ。ジェットスキーが楽しめるのにわざわざバイクに乗る人などいないだろう。
ウェーブレース64(1996年)
ニンテンドー64
世間から最も愛されたジェットスキーゲームといえば、ニンテンドー64の『ウェーブレース64』だろう。ちなみに、懐かしすぎて目から汗がという人がいるとしても、今回選んだ私たちもそうなったので、別に気にする必要はない。
『ウェーブレース64』は「ジェットスキー」というニッチなジャンルの魅力を的確に捉えた最初のゲームのひとつであり、その魅力を伝えるに十分なパワーを備えたゲーム機で初めて発売されたタイトルでもあった。自分の操作するジェットスキーに逆らうような波の動き、そしてその動きにタイミングを合わせるジャンプ、そして水しぶきを上げるコーナリングの気持ちよさ。そこにはまさにドリフトのような快感が備わっていた。
今見直すと、ビジュアルは驚くほどチープだが、ゲームプレイの楽しさは色あせていない。『ウェーブレース64』は、後続のすべてのジェットスキーゲームに大きな影響を与えたゲームと言えるだろう。
ディディーコングレーシング(1997年)
ニンテンドー64
「これはジェットスキーのゲームじゃないぞ!」と思う人もいるだろう。レアが開発した『マリオカート』のドンキーコング版とも言えるこの作品は、ジェットスキーに特化している訳ではないが、水上レースが楽しめるホバークラフトが用意されているため、ジェットスキーに近い楽しさがある。
この『マリオカート』に似た親しみやすいレースゲームのより大きな特徴は、複数の種類の乗り物で同時に対戦できるという点だ。ホバークラフトと飛行機の対戦はフェアには聞こえないかも知れない。確かにその通りなのだが、ゲームプレイは非常に面白い。
レアは乗り物を動物に置き換えた続編の開発を中止してしまったが、任天堂が『ディーディーコングレーシング2』の開発を考えている噂は何回か報じられており、昨年もそのニュースが伝えられた。実現を願いたい。
JetMoto(1996年)
PS1
多くの人たちにとって、家庭用ゲーム機のジェットスキーゲームと言えば『ウェーブレース』シリーズだろう。しかし、ジェットスキーゲームは他にも存在していた。PlayStation用タイトルとして発売された『JetMoto』は『ウェーブレース64』がヨーロッパで発売される2ヶ月前(1997年)に発売された。
水上だけに飽き足らなかったのか、このゲームでは未来的なジェットスキーが登場し、どのような地形でも走らせる(ホバリング)ことが可能だ。当然水上も用意されているが、この設定によって開発側は『ウェーブレース64』のような美しい水の表現に苦労する必要がなくなったが、ポジティブな視点で捉えれば、非常にユニークなコースデザインが可能になった。『JetMoto』シリーズは3作に発売されたが、『JetMoto 3』が失敗に終わり、シーンから姿を消してしまった。
ウェーブレース ブルーストーム(2001年)
ニンテンドーゲームキューブ
『ウェーブレース64』のもう少しグラフィックが良いバージョンはないものかと思っている人のためのゲームが、ゲームキューブ用タイトルとして発売された『ウェーブレース ブルーストーム』だ。実際レビューでは『ウェーブレース64』に似すぎていると批判されたほどだ。
その批判もごもっともで、いくつかのコースは気味が悪いほど似ているが、発売から10年以上が経った今考えると、そこまで悪いとも思えない。ゲームプレイは『ウェーブレース64』と変わらない。グラフィックも甥っ子や姪っ子の目に魅力的に映らない程度だ。任天堂がWii U版、または移植版を発売していないのは本当に残念だ。何故なら今でも楽しめるゲームだからだ。
SPLASHDOWN(2001年)
PS2/Xbox
PS2のジェットスキーゲームと言えば『SPLASHDOWN』だ。任天堂の独占タイトルだった『ウェーブレース』シリーズに対するPSからの回答とも言えるこのゲームを憶えている人の数は少ないかも知れないが、ゲームプレイは面白い。
1作目は非常にバランスが良く、超リアル路線ではないが、超非現実的でもないジェットスキーゲームだったが、2作目『SPLASHDOWN2: Rides Gone Wild』は一気にそこから路線を変え、現実路線から離れて大げさな内容となり、ジェットコースター的な要素が強くなった。両作品とも素晴らしいが、ジェットスキーゲームには2つの方向性があることを示すことになった。
Jet X2O(2002年)
PS2
この頃人気だったエクストリームスポーツ系ゲームの流れに乗って発売された『Jet X2O』は過激なコースが売りで、ホワイトウォーターのラフティングにエンジンを加えたような感覚を得ることができる。クオリティでは『SPLASHDOWN』には敵わないが、当時のPS2のグラフィック性能の限界を引き出した作品のひとつと言える。
『Jet X2O』には8種類のコースが用意されている。これは今の標準から考えれば少ないが、様々な風景と複数のルートが楽しめる。発売から10年以上が経過していることも踏まえると、そこまで深くのめり込むゲームではないかも知れないが、トリックとビジュアルに力を入れているこのゲームは今でも気楽に楽しめる。
Rat On A Jet Ski(2012年)
モバイル
スマートフォン用には大量のジェットスキーゲームアプリが用意されているが、その中でベストと言えるのが以下に挙げた2つのアプリだ。
しかし、スマートフォン用ゲームアプリの2位として紹介するこのゲームは独特だ。『Rat On A Jet Ski』はエンドレス系レースゲームだ。『Rat On』シリーズはAndroid用アプリで5作品が発表されているため、大量の広告表示を見るだけのゲームなのかも知れないと思う人もいるかも知れないが、実際は非常に面白い。
16ビット風のビジュアルは他のエンドレス系レースよりもクラシックな区ションゲームのような趣があるが、本格的なジェットスキーゲームをスマートフォンで楽しみたいという人には次のゲームをオススメする。
Riptide GP2(2013年)
モバイル/Xbox One
『ウェーブレース』のスピリットを引き継いだスマートフォン用ゲームアプリがVector Unitが開発した『Riptide GP』と『Riptide GP2』だ。ビジュアルもゲームプレイも素晴らしく、ジェットスキーの魅力が上手く詰め込まれている。
このゲームには『Rat On A Jet Ski』よりも充実したキャリアモードと、美しいビジュアル、豊富なトリックが用意されているため、プレイしたことがないという人は間違いなくナンバーワンチョイスになるだろう。この手のアプリは「家庭用ゲーム機に匹敵するクオリティ」という評価の獲得を目指しているが、驚くなかれ、このゲームはXbox One版も存在する。
Vector Unitがこの『Riptide』シリーズで成功を収めたのは当然だ。彼らはパワーボートゲームのクラシックゲーム『Hydro Thunder』をアップデートした『Hydro Thunder Hurricane』を2010年に発売した経歴を持っている。