The worst FIFA games of all time
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ゲーム

『FIFA』シリーズ ワースト7

毎年発売される『FIFA』シリーズだが、すべてが素晴らしい訳ではない。
Written by Curtis Moldrich
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最も人気のあるスポーツゲームのひとつで、20年以上の歴史を誇るEAの『FIFA』シリーズは、ほぼ毎年新作がリリースされていることで知られている。
FIFAでは2-0でリードしているオンライン対戦で相手に逃げられるのと同じ確率で、新作発表がほぼ毎年行われている。しかし、最高のスポーツゲームのひとつとして高い評価を得ている作品が多い中、頼りないFWのような作品も存在する。今回は以下に『FIFA』シリーズの駄作を紹介する。
『FIFA 14』(ニンテンドーWii)
家族で楽しめるニンテンドーWiiは様々な世代が遊べる家庭用ゲーム機として受け容れられてきた。『Wiiであそぶ マリオテニスGC』や『Wii Sports』などに対応しているWiiリモコンはサッカー向きではないが、EAは任天堂側が諦めていたにも関わらず、果敢にも『FIFA 14』のWii版を発売した。一番の問題は『FIFA 13』と選手名以外は殆ど何も改良されていなかった点で、『FIFA 13』のコピーとも言える内容だった。ただし、『FIFA 13』は決して酷いゲームではなかったので、それなりに楽しめたが、Xbox One版やPS4版の素晴らしい内容に比べるとかなり見劣りしている感は否めない。
『FIFA ストリート2』(ニンテンドーDS)
『FIFAストリート』シリーズの1作目は、サッカーの舞台を巨額の工費で建てられたスタジアムからストリートに持ち出した。不安定なスタートだったが、この2作目はほとんどのバージョンがヒットになった。PS2やXbox、ゲームキューブなどの家庭用ゲーム機ではゲームプレイが改良され、様々な新機能が導入されたが、DS版はそうではなかった。家庭用ゲーム機で実現していた改良点が反映されず、ゴールを決めるためのトリックはDSの反応性の悪いタッチスクリーンを使用しなければならない操作性の悪さもあり、『FIFAストリート2』のDS版はFIFA史上に残る駄作のひとつとなった。
『FIFA 14』(PS3)
「壊れていない物は修理するな」と言うが、 『FIFA』シリーズは毎年発売されるため、選手名の他の部分もアップデートする必要があるのだろう。しかし、残念ながらPS3版の『FIFA 14』はそれが裏目に出てしまった。中には『FIFA 13』よりも良いゲームだという評価もあったが、前作よりも後退してしまったという意見の方が多かった。より現実的な動きを実現を目指して改良されたはずのシステムが原因となり、登場するスター選手のほとんどは軽快な動きを見せるのではなく、しっかりと食事を取ったあとのような鈍重な動きを見せていた。尚、ボールの動きやスタジアムの表現は前作のスタイルが踏襲された。
『FIFA 96』(セガ・ゲームギア)
世界を席巻していたゲームボーイに対抗すべく1991年(日本は1990年)に発売されたゲームギアは運に恵まれず1997年にサポート終了となったが、生産中止直前に『FIFA』シリーズ最高傑作のひとつの移植版が発売された。試合自体はゲームボーイとの決定的な差だったフルカラーディスプレイのおかげで美しく映えたものの、このバージョンにはいくつかの問題が存在した。その中でも目立ったのが、対戦相手のバランスが悪く強すぎたため、相手のペナルティエリア内にボールを運ぶのが不可能に近かったという点だった。そしてその解決策となったのがこれもバランスが悪い強烈なシュート力で、ハーフウェイライン近くからシュートを放つ方がゴールの可能性が高く、ベッカムのスーパーゴールが簡単に生み出せたため、例えばQPR(クィーンズパーク・レンジャーズ)のような下位チームがイタリア代表と対戦しても2-0で勝利できた。
『FIFA UEFA EURO 2012 DLC』(PC)
PC用のダウンロードコンテンツ(DLC)としてリリースされた『UEFA Euro 2012』は「ユニフォームや選手、ライセンスがアップデートされ、Euro 2012が自宅のソファで再現できる」という触れ込みだったが、実際はそうではなかった。このDLCは一部で実在選手名が使われていない。これは『FIFA』シリーズとしては珍しい、むしろ『ウイニングイレブン』シリーズで馴染みのある問題だ。結局中途半端なライセンス許諾となったこのDLCでは53チーム中、実在するクラブと選手名が使用できたのは29チームだけに留まり、他は適当な仮名が使用されていた。このDLCハ前作とゲームプレイ自体は同じであり、ただほんのすこし表面にペンキを塗っただけに過ぎない出来だった。
『2010 FIFA ワールドカップ 南アフリカ大会』(Xbox 360)
実際のワールドカップ開幕直前に発売された『2010 FIFA ワールドカップ 南アフリカ大会』は『FIFA 10』と同じシーズン内に発売されたため、EAがいかに上手く立ち回ったが理解できるだろう。基本的には『FIFA 10』の表面を変えただけと言えるこのワールドカップ版は、選手のビジュアルとステータスが更新されただけで、ゲームプレイやモードはそのまま流用されている。ただし、ワールドカップの雰囲気は見事に捉えており、マスコットや様々なサポーターや監督の他、詳細な解説も盛り込まれている。そして幸運なことに、あの大会で一番強く記憶に残ったブブゼラが登場しない。
『FIFA 15』(PC)
『FIFA』シリーズ最新作となる『FIFA 15』は過去の作品に負けず劣らず大量のバグが発見されている。発売直後、プレイヤーたちは選手の動作がかなりおかしいことを発見した。選手たちが学生のようにピッチの中央へわらわらと集まると、すぐに試合は『Jumpers for Goalposts』のようなふざけた内容に変わり、大抵の試合が小学生の試合のような様相を呈することになった。戦術は存在せず、バルセロナのメッシを擁するようなドリームチームも数学が2時間続いた後のお昼休みに友人とボールを蹴り合っている時に近いおろそかなプレーになってしまう。お粗末な選手と難しいシュート、そして雑な照明効果の『FIFA 15』PC版はEAのクオリティとは言えない出来だった。しかし、EAはすぐにすべての問題を修正したパッチをリリースしている。