『宇宙最大の地底最大の作戦』−−1980年の傑作アクションゲームが甦る!

懐かしのゲームが豪華スタッフの手によってリメイク! 古き良き名作に今こそ触れよう!
By Munetatsu Matsui

地底最大の作戦』というPCゲームをご存じだろうか。Windows 95パソコンが発売される1995年よりさらに15年前(!)、1980年に発表されたゲームである。シャープのMZ-80というパソコンで動作したものがオリジナルで、以降NECのPC-8001や富士通のFM-7などさまざまなパソコン(当時はまだ"マイコン"と呼ばれていた)へ移植された人気タイトルだ。サイドビューで穴掘りゲームといえば、1982年にリリースされたナムコ(当時)の『ディグダグ』が有名だが、その2年前にはすでに『地底最大の作戦』が発表されていた、というから驚きである。

そんな名作ゲームが、マインドウェアによって21世紀の現代に甦った。『宇宙最大の地底最大の作戦』(英語名『Cosmic Cavern 3671』)と題し、SteamやPLAYISMなどで配信準備中だ。

※2016年7月1日現在、Steam Greenlightにて投票受付中。

ゲームルールはいたって簡単。画面上部でウロウロしているヘビが地底にある基地に侵入してこようとするので、プレイヤーはそのヘビを捕獲することで得点が入る。ヘビを1段以上落下させるかエサを食べさせるかのいずれかで、ヘビは丸まって一定時間動かなくなる。そこにプレイヤーが重なれば捕獲したことになって得点ゲット。動いているヘビに触れたり、最下部の基地にヘビが侵入するとゲームーバーとなる。ステージクリア制でもなければ残機制でもなく、ただひらすらヘビを捕獲してスコアを稼いでいくストイックなゲームだ。

『宇宙最大の地底最大の作戦』 © Takaya Arita (C) MINDWARE

今回のリメイク版では3つのゲームモードがある。オリジナルのMZ-80モードはゲームルールも画面も当時のまま、アレンジのMZ-700モードは少しカラー化されてアイテムの追加&2人同時プレイ可、そしてスペシャルバージョンは'80年代アーケードゲームテイストのグラフィックとサウンドが搭載されて大幅に進化ものとなっている。

なかでもスペシャルバージョンは本リメイク版の売りのひとつで、グラフィックに小野浩氏(ナムコ在籍時に『ディグダグ』や『マッピー』のグラフィックを手がけたデザイナー)、サウンドに古代祐三氏(『イース』、『ソーサリアン』、『世界樹の迷宮』などのサウンドクリエイター)を迎えた超ゼイタクな仕上がりになっているのだ。

ゲーム内容はなかなかにストイックだが、ヘビをいかに効率よく動かなくさせて捕獲していくか、独自の穴掘りパターンを作っていくことができればもう病みつき。36年経過した21世紀においても、当時遊んだ人ならリリース当時の興奮が鮮明に甦ってくるし、初めて遊ぶ人はその独特なゲームデザインにシビれるはずだ。

『宇宙最大の地底最大の作戦』 © Takaya Arita (C) MINDWARE

以下に、オリジナル開発者とリメイク版スタッフに敢行したメールインタビューを掲載する。本作をより深く遊ぶためにも、ぜひとも一読してほしい。

 

リメイク版開発マインドウァア代表 『宇宙最大の地底最大の作戦』ゲームデザイン、プログラマー 市川幹人氏

移植・リメイクするキッカケは、もともとは自分自身がPC上で満足行く形の『地底最大の作戦』を遊ぶためでした。当時から名前は知っていたものの遊ぶ機会がなく、2年ほど前に初めてプレイすることができたのですが……これが大変面白かったのです。遊んでいるうちに不満点やさらに面白くするアイディアが浮かび、自分で遊ぶためにプログラムをして、どんどん改良を重ねていきました。MZ-700アレンジはこのとき作ったものが原型です。

このバージョンを遊び込んでいるうちにさらなる発展のアイディアが出てしまい、何としてでもリリースしたい気持ちが強くなり、原作者を探してコンタクトをとって発売の許諾をいただきました。

リメイク版はグラフィックや音楽を大きく進化させましたが、MZ-700のアレンジバージョンと'80年代アーケードテイストのスペシャルバージョンはゲームシステムにもたくさん手を加えました。2プレイヤーゲームを加えたこと、地面のどこかに埋まっていて発見すると可視化されるフィーチャーを2つ加えたこと、エサを10個まで持てるようになったこと、スペシャルバージョンでは土で薄い壁を作れるようになったこと、そしてペットの登場です。

いわゆる「にぎやかし」ではなく、ゲームのルール構造に大きな影響を与えるものばかりです。自分でゲームの続きを見るためにさまざまなアイディアを試したので非常に中毒性の高いゲームになりました。

高得点を出すコツはいろいろありますが、まずは自キャラがヘビにやられないためにも、左右のバランスを考えて地形を構成することが重要です。スペシャルバージョンは地上に近い場所で敵を倒すほど高得点で、かつ時間を置かずに次々と敵を倒すと2倍、3倍……と得点倍率が上昇するため、これを意識してできるようになれば高得点が狙えるでしょう。


●リメイク版開発:スペシャルバージョン グラフィック 小野"Mr.Dotman"浩氏

本作のことは当時は知らなくて、今回初めて知りました。リメイク版のグラフィックを作るにあたって、あまりリアルにしたり細かい表現にすると逆にゲームのイメージから離れてしまうと思ったので、シンプルに可愛く作りました。動きについても絵の枚数を少なくして、昔のゲームっぽくしました。プレイして、何となく懐かしさを感じてもらえればいいですね。


●リメイク版開発:サウンド 古代祐三氏

マインドウェア市川さんからの要望が「少ないチャンネル数」、「キャッチーな曲」、「メロディー中心でドラムパートの類のない曲」、「ずっと聞いてて飽きない曲」というめちゃくちゃな要望でまずはこれに応えることを考えつつ、ナムコの数々の名作のグラフィックを描かれた小野さんのグラフィックにマッチすることに注力しました。

非常に久しぶりにPC-8801で作曲したので、近年制作した楽曲とはまったく異なるテイストを楽しんでいただければと思います。


●オリジナル版開発:有田隆也氏

MZ-80Kというシャープ製のパソコンを秋葉原で何とか少し値切って17万円で入手し、夢中になって毎日遊んでいました。でも何というか……本当に自分のやりたいゲームはこれではないと思うようになりました。自分がやりたいのは、様々な戦略を試行錯誤的に考えていけるような奥深さがあること。同時にアクションゲームのような盛り上がりとともにあっさり終わること、そういうゲームです。

当時、『平安京エイリアン』という迷路を動き回って敵を捕獲するゲームがあって、流行ってました。これは上から見ているゲームだが、真横から見たらどうだろう?と思いつき、地中を掘り進んで地下の回廊のようなものを作って、蛇を巧妙に捕獲してハイスコアを競うゲームとなりました。「アイディア命」のゲームですので、作り始めたら長くかからずに完成したと思います。

最近でもこのゲームを個人で移植していただいたとか、レトロPCのイベントですごく人気があったなどの連絡をたまにいただくことがあり、ときどき懐かしく思い出していました。今回のリメイクのお話は、豪華なメンバーによる広い展開を見据えたリメイクであり、とても嬉しく思います。とくにいちばん嬉しいことは、市川さんに文字どおり徹夜になって遊んでいただくほどこのゲームの真髄を理解していただき、さらにご自身の豊富な経験に基づいて素晴らしい拡張をしていただいたことです。

本作を遊ぶプレイヤーの方にメッセージを送るなら……そうですね、まずは頭の中を真っ白にして、オリジナルバージョンのゲームでいろいろな戦法、たとえば「アリ地獄戦法」、「地表戦法」、「持久戦法」、「空中戦法」(36年前に掲載されたパソコン雑誌に掲載した戦法名です)などを使って、地中を自由に掘って掘って楽しんでほしいと思います。(なぜか)俳句で表現するなら、「掘りまくれ 地底の闇に 築く夢」です。

『宇宙最大の地底最大の作戦』 © Takaya Arita (C) MINDWARE
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