Red Bull Gaming U

トッププロ格ゲーマー8名が教える夢のような夏合宿が終了!

【9月10日更新:ダイジェスト映像アップ】Red Bull Gaming U 2016完全レポート
Red Bull Gaming U © Yusuke Kashiwazaki
By AKB

今年で3回目に突入した「Red Bull Gaming U」。様々なゲームのトッププレイヤー達が講師となり、大学生や専門学校生を対象に1泊2日のゲーミング合宿を行うという主旨のイベントだが、今年選ばれたタイトルは格闘ゲームの金字塔「ストリートファイター」シリーズの最新作、「ストリートファイターV」である。世界でも最も盛り上がりを見せるシーンのひとつであり、かつ日本人が数多くトッププレイヤーとして世界で活躍するこのゲームタイトルとあって、講師陣にはレッドブルアスリートの「ボンちゃん」をはじめ、「ウメハラ」、「マゴ」、「ときど」、「ハイタニ」、「ふ~ど」、「板橋ザンギエフ」、「sako」といった錚々たるプロゲーマーが顔を揃えた。

Red Bull Gaming U 2016 © Yusuke Kashiwazaki

対してその教え子となる生徒たちは、同じ学校に通う3人1組での参加がレギュレーション。定員を大幅に超える応募の中から選考されたのは、最高学府「東京大学」を筆頭に、「慶應義塾大学」、「駒澤大学」といった関東の大学はもちろん、関西より「同志社大学」と「神戸電子専門学校」、東北から「秋田大学」、北信越から「新潟大学」、中部から「常葉大学」と全国津々浦々、様々な学生が「Red Bull Gaming U」の門を叩いた。

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初日となった8月30日(火)、会場となったレッドブル・ジャパン本社ビルには、トッププロゲーマーを前に緊張した面持ちの学生が集合。「Red Bull 5G」のプロジェクトアドバイザーであり、本イベントの校長を務める松井悠氏による開校式で幕を開けた「Red Bull Gaming U」は、ゲームキャリアやそのレベルを問わないオープンキャンパス。

午前中は、まずはどの学生がどんな実力なのかを講師陣がチェックするフリープレイが行われた。勝ち残り方式のフリープレイで最大の連勝を記録したのは、「慶応義塾大学」のエース「ズミ」。1時間半の制限時間の中で15連勝を記録し講師陣にその存在をアピール。14連勝を記録した「常葉大学」の「エルシャール」、同じく14連勝「新潟大学」の「らちお」がこれに続き、8大学24名の生徒たちの個々の実力を把握した講師陣は、自分の担当する大学を決めるドラフト会議へと進んだ。

レクチャーを受ける個室が大学ごとに割り振られ、それぞれの部屋に待機する生徒たちのもとに、担当講師が入って来るというサプライズ演出で行われたチーム発表。“格ゲー界のカリスマ”「ウメハラ」が突然入室し目を丸くした「同志社大学」がリアクションではNo.1だったが、“東大卒プロゲーマー”「ときど」のフェイントからの「ハイタニ」に決まった「東京大学」や、参加者中唯一の“ザンギエフ使い”がいる「神戸電子専門学校」は「板橋ザンギエフ」が担当になるなど、講師陣の思惑と生徒たちのリアクションが入り混じったチーム発表は、このイベント最初のハイライト。優勝候補の呼び声高い「慶応義塾大学」には「ふ~ど」が、レッドブル・アスリートの「ボンちゃん」は「新潟大学」に、14連勝「エルシャール」擁する「常葉大学」には「sako」、「駒澤大学」が「ときど」、「秋田大学」が「マゴ」と、それぞれの担当講師が決定。午後からはいよいよチームごとのレクチャータイムがスタートした。

© Yusuke Kashiwazaki

今回のイベント全体の流れを説明すると、初日の午後はひたすらチームごとのレクチャータイム。教え方に制限はなく、各講師がそれぞれの考えやそれぞれのやり方のもと担当大学を鍛錬するというモノ。翌日の午後にはチーム戦のトーナメントによる大会が控えており、初日の夜、2日目の午前中を含めた正味10時間足らずという制限時間の中で、色々な意味でチームを仕上げていかなければならない。

Red Bull Gaming U 2016 © Yusuke Kashiwazaki
Red Bull Gaming U 2016 © Yusuke Kashiwazaki

この日が初対面の上に、生徒のゲームレベルも極端にそれぞれで、例えば「慶応義塾大学」のエース「ズミ」のように大学対抗戦で広く知られるような猛者もいれば、これまでゲーム歴がゼロながら友人の出場願望を叶えるためにエントリーした「秋田大学」の「ryo」や「常葉大学」の「さのっぴ」といった初心者まで玉石混交。わずかな時間で何ができるのか?というのが講師陣に与えられた課題であったが、そのやり方には講師陣それぞれの哲学や考えが見て取れるようで興味深かった。今までは画面の中でしか見たコトがないプロゲーマーたちを前に硬さが見られた生徒たちも、初日のレクチャーを受けながら徐々に懐柔。

この日のためにシェフを呼んで一堂に振る舞われた絢爛なディナータイムは、生徒間交流など合宿感を高め、夜は23時までと深い時間までレクチャールームを開放。宿泊するホテルに戻った後もただただ「ストV」のコトだけを考えながら、初日の全工程が終了した。

夜が明けて迎えた2日目、8月31日(水)。ホテルで朝食を済ませた講師陣、生徒たちは早速レクチャールームへと籠り、12時から始まる大会に向け最終調整に入る。その大会のレギュレーションはと言うと、まずは生徒同士3on3による星取戦を行い、ここで3連勝したチームはその時点で勝利が確定するというモノ。但し、2勝1敗または1勝2敗の構図になった際には、4戦目に講師同士の対戦を行い、通算3勝目を挙げたチームは勝利。講師戦で2勝2敗のイーブンに戻した場合は、最後の5戦目に生徒の代表者による決定戦を行い、そこで勝敗が決まる。

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つまり、生徒たちはもちろん3連勝を目指して戦うワケだが、2勝またはせめて1勝を挙げられればチームのバトンを講師につなげるコトができ、受け取った講師が勝敗に大きく関与する。極めて変則的なレギュレーションとは言え、生徒たちだけではなく講師も含めた文字通りの「チーム戦」である。教え子と生徒、いよいよ師弟感やチーム感が出てきた8チームは、昼食として用意された「イマカツ」を流し込み、いざ決戦の舞台へと駒をすすめた。

【トーナメント1回戦GAME1】
●同志社大学 1 vs 3 駒澤大学○

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「ウメハラ」率いる「同志社大学」と、「ときど」率いる「駒澤大学」の対決となったオープニングゲーム。戦前のインタビューでは「ひいき目なしに実力があるメンバー」と評価した「ウメハラ」の教育指針は、長い目で見た“ロハス教育”。この大会における勝敗に拘った具体的な技術の話ではなく、生徒が家に帰ったときに「ストV」をやりたいと思えるような内容にしたいという先を見据えたものであった。
対する「ときど」は、徹底して長所を伸ばすという前向きな教育指針。「全員が同じくらいの実力でそれぞれの役割がある。チーム力で勝ちたい。」と分析した「ときど」は、それぞれが操るキャラの強みをとことん教え込みチームを成長させた。

迎えた1回戦では、その教え通り、先鋒の「ぼくふぃ」がアレックス、次鋒の「ふみや」がバイソンと、それぞれのキャラの強みを前面に押し出した「駒澤大学」が先勝。逆に、次鋒として登場したチームのエース「しろり」が局面でのミスにより惜敗、あとがなくなった「同志社大学」は、「くに」が一矢を報いて何とか講師戦へとバトンをつなぐも、リュウ対決となったハイレベル過ぎる講師戦で「ウメハラ」が「ときど」に敗れ、一回戦敗退が決まった。「(オーダーを事前に提出する組み合わせのアヤで)懸念していたキャラ相性が悪い対戦になってしまって予定が狂った。生徒たちが難しいキャラを使っているぶん、緊張で100%の実力を出せなかったのは残念。」とは「ウメハラ」の弁だが、それでも「今回の経験を経て目標を立ててそれを達成するというシンプルな考えができるようになった(つく氏)」「個人的にはウメハラ先生の教えを守れて楽しかった(くに)」「教えてもらったコトをミスった時にヒヨってしまった。技術だけではなくメンタルも鍛えたい(しろり)」と、三者三様に前向きなコメントが聞けたのも事実。ここがゴールではなく、ここがスタートとなる「ウメハラ」の教えは、生徒たちにきっと届いたハズである。


【トーナメント一回戦 GAME2】
●常葉大学 2 vs 3 新潟大学○

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一回戦のベストバウトとなったのがこのカードである。初日のフリープレイでそれぞれ14連勝を記録した「常葉大学」の「エルシャール」と、「新潟大学」の「らちお」という絶対的なエースを抱える両チームの激突となったが、チームとして差があるとすればその総合力。「イベントに参加した時に場違いだと思って最初は本当に帰りたいと思った(さのっぴ)」「試合前は膝が震えてしまってレクチャーのメモを何度読み返しても止まらなかった(さわかん)」と「常葉大学」のメンバーが語ったように、ふたりは「ストV」歴がゼロ。どうしても「Red Bull Gaming U」に参加したかった「エルシャール」の願いを叶えるために、初日に初めて「ストV」に触ったという“友情枠”である。

そんなふたりの想いを意気に感じる「エルシャール」は、最低でも自分は必勝で講師「sako」へとバトンをつなぎ、何とか代表決定戦まで持ち込みたいというのがゲームプラン。「初めて格ゲーに触れたのに、自分の教えることを、熱心にメモを取ってくれたのがうれしかった」と語る「sako」は、「みんな努力しているから彼らのキモチに応えられるように俺も頑張りたい」と静かな闘志を燃やしていた。そうして迎えたGAME2、「新潟大学」は先鋒「ノキ」、次鋒「ベガ」が「常葉大学」の初心者ふたりを撃破、エース「らちお」へとつなぎ3連勝も視野に入れる。しかしここから踏ん張ったのが「エルシャール」、そして講師の「sako」である。必勝を掲げながらよりによって実力が拮抗する「らちお」と当たってしまった「エルシャール」だったが、3セットともに3ラウンドまでもつれ込む接戦をフルセットの末制し咆哮。

そのバトンを受け取った「sako」も、「ボンちゃん」相手に最初のセットを0-2で奪われながらもしぶとく対抗、2-1、2-1と巻き返し、受け取ったバトンを再び「エルシャール」へとつなぐコトに成功した。迎えた代表決定戦では、結論から言うと「らちお」が「エルシャール」にリベンジ。「常葉大学」は敢えなく一回戦で敗退となるワケだが、敗戦後「格ゲーは経験が何より大事なので今日の経験を彼らが家に持って帰ってくれたらうれしい。初心者というコトはまだまだやれるコトが山のようにあるし、それが格ゲーの楽しさでもある。」と「sako」が語ったように、「さのっぴ」「さわかん」という新しい格ゲーマーが誕生したのもこの日のトピックである。「エルシャール」に導かれながら彼らが成長するコトに期待したい。

【トーナメント一回戦 GAME3】
●神戸電子専門学校 2 vs 3 慶應義塾大学○

初日のフリープレイで最多となる15連勝を記録した「ズミ」率いる「慶応義塾大学」がここで登場。昨年の「TOPANGA大学対抗戦」でも活躍、大学格ゲー界に一躍その名を轟かせた「ズミ」は、その存在感だけで「慶応義塾大学」を優勝候補と言わしめたほどである。しかし、この一戦に関して言えば、話題の中心は「板橋ザンギエフ」が講師を務めた「神戸電子専門学校」の方。「ズミ」→「フード」→「ズミ」で3勝を挙げた「慶応義塾大学」が準決勝に駒を進めたというのが勝敗における結論ではあるが、「神戸電子専門学校」のふたりのザンギエフ使いが会場の空気をロックしたコトは確かだろう。

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その中心となったのは、参加した生徒24名の中で唯一のザンギエフ使いにして、「板橋ザンギエフ」が担当講師になったコトを誰よりも喜んだ「神戸電子専門学校」の「うりうり」である。この日「Twitch」で行われたLIVE配信において、「板橋ザンギエフさんから“受け継いだ”技を披露したい」という戦前のコメントから沸かせた弱冠18歳は、「ボルシチダイナマイト」や「シベリアンエクスプレス」といった大技を連発。立ち回りや細かな攻防、シビアな戦いもさることながら、これもまた「ストV」の魅力といってよい豪快な戦い方で観衆を魅了した。2勝1敗で迎えた講師戦で「ふ~ど」相手に惜敗、チームの勝利を逃した「板橋ザンギエフ」は、「自分が敗因。勝負所で甘くなってしまった。」と敗戦を悔いたが、「生徒はそれぞれ教えたコトをやってくれたし感動した。」と、講師として参加した2日間に満足がいった様子。代表決定戦で「ズミ」から1ラウンド奪った「うりうり」は、「格上の相手からラウンドも取れたし楽しかった。」と敗戦にも笑顔の弁。チームメイトの「まっこりん」「くろずうう」と共に18歳の3人で体験した東京でのデキゴトが、彼らのこれからのゲーム人生にプラスとなるコトを祈りたい。


【トーナメント一回戦 GAME4】
○東京大学 3 vs 1 秋田大学●

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エントリー時のチームのアピールポイントによれば、「あと1人がギリギリまで見つからず、今回はダメか・・と思っていたのですが、格ゲー初心者の友人が「おもしろそうじゃん!出たい!」と言ってくれたので応募することができました。(中略) 初心者ながら参加してくれる友人にも楽しんでもらい、長く格ゲーを続けてもらえる、そんなイベントになればいいなと思っています!」と、極めてピースフルな「秋田大学」が登場。 「みうりんぐ」「yuki」の経験者ふたりに、格ゲー未経験ながら“友情枠”での参加となった「ryo」を加えた「秋田大学」は、「今まで周りに格ゲー仲間がいなかったので、会場でたくさん交流を図って、同世代の格ゲー仲間を作りたい。」というコミュニティ重視のモチベーション。彼らが希望する講師が「マゴ」であったというのも、ただゲームのレベルアップを追い求めるだけではなく、ゲームを通じて人とつながるコトやコミュニティが生まれるコト、その関係性が長くつながって行くコトという、シーン全体の裾野の発展という側面を感じさせた。「自分が希望の先生だったというのがうれしかった。」と語った「マゴ」も、「大会に関して言えば正直優勝は厳しいかも知れない。」と認めつつ、秋田から東京へとわざわざ上京した彼らを全面的にバックアップ。

日本最高学府にして、プロゲーマー「ときど」を輩出するなど、学生ゲーム界でも存在感を放つ「東京大学」相手に、勝敗で言えば1勝3敗で敗退するワケだが、それでも「普通に当たってたら3連敗だった。キャラ相性を考えた変則シフトと、個別のキャラ対策が功を奏した。自分が勝って、先生として代表決定戦まではつなぎたかったのだけど・・。」と、熟考を重ねた結果。チームが敗退したあとも常に寄り添い、「秋田大学」の生徒たちに他の試合の解説をするなど、何かを持ち帰らせたいという「マゴ」が印象的だった。競技レベルを高めるというコトはもちろんだが、コミュニティを作るコトもかけがえない。見ているこちらがそんな教訓を得るチームだった。

【トーナメント準決勝 GAME1】
●駒澤大学 0 vs 3 新潟大学○

今大会の変則的な4on4ルールにおいて、初めての3タテ、コンプリートを完成させたのがこの試合の「新潟大学」である。講師の「ボンちゃん」が出る幕もなく、あっという間の3連勝。1回戦は薄氷を踏む思いで「常葉大学」を下した“北信越の雄”は、絶対エース「らちお」を中心に、安定感のある「ベガ」、成長株「ノキ」と、チームバランスが良くなってきた印象。「ボンちゃん」の適切なアドバイスも効果的で「駒澤大学」を圧倒、決勝へと駒を進めた。対する「駒澤大学」は、名門格ゲーサークル「駒格」のメンバー「ぼくふぃ」「てんご」「ふみや」の3人で挑むもここで敗退。通常「駒澤大学」として大学対抗戦に出場するLP10,000越えのレギュラー3人に比べ、Bチームと言って良いメンバーで参加し、サークル全体の底上げを掲げた今回。相手の実力が上の中どう勝つか?というテーマの中、講師の「ときど」は「Vトリガー」を効果的に使った作戦を立てたが、その狙いを発揮できなかった。

敗戦後、「駒澤大学」のメンバーがそれぞれ口にしたのは「知識不足」と「経験不足」。知識が足らないからどうしていいかわからず、経験が足らないから不慣れな環境に緊張し、普段はできるようなコトがうまくできなかったと言う。しかし「知識不足」に気づき、「経験不足」を体験できたコトそのものが、今回の成果であるコトは疑いもない。この1泊2日で具体的に会得できるモノはそれほど多くないのかも知れないが、ここで得たヒントや気づきを今後に生かすコト。ここからの鍛錬によって、いつかの大学対抗戦で3人が活躍する日を期待したい。

【トーナメント準決勝 GAME2】
○慶應義塾大学3 vs 2 東京大学●

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スーパーエース「ズミ」を擁し、優勝候補筆頭と名高い「慶應義塾大学」であるが、ここへ来て気づくのはその層の薄さ。チームメンバーの「斬」や「きぬこ」本人も認めるように、「ズミ」頼みというのがこのチームの本質である。そして、今回の変則的なレギュレーションを当てはめると、「ズミ」は必ず勝つものの、残りのふたりが星を稼げないため、大体において1勝2敗の劣勢で講師戦を迎えるというのがチームのセオリー。そういう意味では講師「ふ~ど」にこそ最大の負荷がかかっていて、このチームが勝つには、「ズミ」→「フード」→「ズミ」という3勝を、ノーミスで挙げなければならないのである。“勝利の方程式”というにはあまりに一択な戦い方ではあるが、それでも勝ててしまうのが優勝候補たる所以でもあろう。次鋒で登場した一回戦とはオーダーを変更し、「ズミ」を先鋒に配置したこの準決勝、「ズミ」は「東京大学」の「ちょぐ」を相手に先勝するが、ここから「ドス」「ちゃつぼ」相手に連敗、やはり1勝2敗で講師戦を迎えるのである。しかし「東京大学」の講師「ハイタニ」を迎えた「ふ~ど」がここを突破さえすれば、劣勢は劇的に優勢へと変化。「ふ~ど」がつないだバトンを受けた「ズミ」は、代表決定戦で「東京大学」の「ちゃつぼ」を難なく下し決勝進出を決めた。おそるべきは大学生というカテゴリーにおける「ズミ」の強さである。代表決定戦で負けた「東京大学」の「ちゃつぼ」をして、「あんなに強い人がいるとは知らなかった。自分もそこそこやれる自信はあったので、戦っている間はこんなハズじゃないという思いだった。」と。残すはいよいよ決勝戦のみとなった。

【決勝戦】
○新潟大学 3 vs 1慶應義塾大学●

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「ズミ」をどう止めるか?「慶應義塾大学」との決戦を前に、「新潟大学」の講師「ボンちゃん」は迷っていた。「ズミ」は強い。しかし「ボンちゃん」の見立てでは、「新潟大学」のエース「らちお」との実力差はそれほどなく、勝算は五分五分である。五分五分、つまり二回やったら一回勝てるかも知れない見込みがあるのであれば、最初の生徒対決の段階で「らちお」を「ズミ」に当て、ワンチャン勝てればラッキーだし、少なくとも代表決定戦を含む二度のチャンスを作りたい。そう考えた「ボンちゃん」は、これまでの「慶應義塾大学」のオーダーの流れや「ふ~ど」の性格を読み、おそらく先鋒か次鋒に「ズミ」を配置してくると予想。これで1/2の確率、やや深読みを加え「らちお」を次鋒に配置した。

しかし、開けてみたら「ズミ」は「先鋒」で登場。決勝戦が始まる前にはこんな心理戦があった。そうして始まった決勝戦、ここまで2勝を挙げ十分にチームに貢献してきた「新潟大学」の「ノキ」ではあるが、「ズミ」の前ではさすがに力及ばず、まずは「慶應義塾大学」が先勝する。しかし、層の厚さで勝る「新潟大学」は、次鋒の「らちお」、中堅の「ベガ」が、「慶應の「斬」、「きぬこ」に完勝。2勝1敗で講師戦へとバトンをつないだ。迎えた「ふ~ど」との講師戦、「Red Bull Gaming U」という学生を対象にしたイベントにおいて、自分が勝負を決めるコトに対して躊躇はなかったのか?という些か意地悪な質問を試合後の「ボンちゃん」にしてみたのだが、「自分もプレイヤーですから(笑)」とピシャリ。あまり対戦相性が良くないと思われた「ふ~ど」との一戦は、トッププロゲーマー同士のヒリついた死闘となったが、最後はクリティカルアーツの「ジャッジメント・セイバー」で決める役者っぷりを見せ、「ボンちゃん」が「新潟大学」に優勝をもたらした。「一回戦は自分が負けたのに決勝まで連れて来てくれた。そういう意味では大会を通じてチームでの勝利。」と語った「ボンちゃん」。「らちおとボンちゃんにつなげばという気持ちで戦った(ベガ)」「ボンちゃんに決めてもらいたいと思っていた(らちお)」と、チームの想いが結実した優勝だった。

【修了式】

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大会の余韻も冷めぬ中、はじまった修了式。生徒たちは各担当講師から修了証を手渡され、「Red Bull Gaming U 2016」は全てのカリキュラムを完了するコトとなった。キャリアやレベル不問、また講師陣が何をどう教えるかもフリースタイルだったこのイベントでは、生徒それぞれ得られたものや体験価値に差異はあるだろう。しかしどの講師陣も一様に語っていたのは、「この体験や教わったコトを家に持って帰ってさらに練習を重ねて欲しい」というコト。まったくの経験がなかった“友情枠”勢は「楽しかった。これからも練習をしたい。」と口々に語り、スーパーエースの陰に隠れている脇役勢は「エースの力になれるように、これからはさらに鍛錬したい。」と、そのスキルアップを誓った。そして、スーパーエースたちはトッププロゲーマーと触れた2日間を振り返り、「プロゲーマーは考え方の詰め方がスゴイ。自分もこういう風に考えてみようというヒントをもらった(ズミ)」、「格ゲーに対する姿勢や上達につながる方法を見つけられた。自分にもプロという道があるんじゃないか?と感じた(らちお)」と大いなる刺激を受けたようである。「ストリートファイターV」をゲームタイトルに、トッププロゲーマー8名を講師に迎えた“豪華すぎる夏合宿”「Red Bull Gaming U 2016」はこれにて終了。学生ゲーマーたちのさらなる飛躍に大いに期待したい。

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Red Bull 5G FIGHTINGジャンル 大会概要は近日公開予定

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