Red Bull 5G 2016

Red Bull 5G の開催5年目を迎え、プロジェクトアドバイザー松井 悠氏と語る

日本のゲーミングシーンに翼をさずける、をコンセプトに2012年から開催してきたゲーム大会Red Bull 5Gの5年間とは。
By Red Bull Japan

 

2012年は、初めてづくしだった

© Red Bull Content pool

 

ーまずは18日のFINALS本当にお疲れ様でした。15時開演から21時近くの終演までと長丁場でしたが、5年前から振り返ってみてもかなりの時間を費やした第1シーズンでした。 

ー松井 2012年の1年目で一番印象的なのは、FINALSのリハーサルができなかったこと。ノーリハで事故すれすれのところをプレイヤーの素晴らしい試合内容に助けられて成功に終われました。開場時間も1時間押しで、どう考えても最悪なイベントの烙印を押されてもおかしくなかったところ、全試合が大盛り上がりとなり、「神イベント」と嬉しいお言葉をいただくことができました。

 

ー冒頭からいきなりきましたね(笑)。レッドブル・ジャパンとしても初めてとなるゲームイベント開催で初めてづくしの年でした。知名度がないので、規模の大小にかかわらずゲームのイベントに足を運び、チラシ配りなどをしながらイベントの告知をしたのも懐かしいです。

ー松井 プレイヤーがとても盛り上がり、会場を巻き込んだ一体感がRed Bull 5Gの特徴にもなりました。よく、選手たちのチーム感や、あの表情をどう作っているのか? 特殊なやり方があるのか?という質問をいただくのですが 「特別なことは何もしていません」としか答えようがないんですよね。

 

Red Bull 5Gの 演出を決める 大事な要素

© Suguru Saito

 

ー昨年までのRed Bull 5GのFINALS観覧は有料であるということ、加えて、DJが登場して当日試合中にも音楽をかける演出も、ゲーム大会として2012年段階ではあまり例がなかった。レッドブルでは、イベントにはほぼ DJブースがあるほど定着していますし、音楽はイベントの大事な要素と捉えています。

ー松井 まず、観覧を有料にしたのはゲーマーたちがお金を払ってもイベントを見に行くという文化を根付かせたかった。これにつきます。初年度は、早めのクリスマスプレゼントという企画をした実質無料イベントでしたが、今年のFINALSを除いて全部有料でした。

続いて、DJの演出。多分ほとんどの人が気づいていないことですが、Red Bull 5G FINALSは、ゲームの効果音だけ残してBGMをカットしています。その代わり、DJに1試合を1つのセットリストとして音の構築をお願いしています。

ゲームは、シーンごと(キャラクターセレクト、ロード画面、ゲーム画面、ゲーム終了画面)に曲のテンポが変わることが多く、場合によっては無音になるため、試合全体の大きな流れをひとつのセットとして構築したかったのです。

毎年、レッドブルさん、DJさんとFINALSで使用する全てのタイトルを確認しながら 「このゲームはこういうタイプの楽曲」という打ち合わせもしています。多分、これをやっているのは世界規模で考えてもRed Bull 5Gだけではないでしょうか。

 

プレイヤーのためだけではない映像とは 

© Red Bull Content pool

 

ー音が与える場作りへの影響は大きいです。同時に、Red Bull 5Gのステージ映像作りも、慎重に議論を重ねてきました。

ー松井 ゲーム内に表示される情報やユーザーインターフェースを理解できるのは、そのゲームをやっている人だけ。そのゲームを知らない人が何を知りたいのかを考え、ゲームの情報をいったん分解してから構築し直します。ゲームを知らない人が知りたいのは「今どっちが勝っているのか?」と「今何が起きているのか?」の2つ、と理解してその中で大事なことをスクリーンに表示することを徹底しています。ゲームによって、ぱっと見でわかるもの、やってみないとわかりにくいものもあるので、そこについては毎年チャレンジだと思っています。

 

ー2014年からは映像チームのKiGARUが作るドキュメンタリー映像のほか、一人ひとりの個性に合わせた二つ名をFINALIST達に付けることによってより彼らの人となりを事前に引き立たせ、ゲームやシーンを知らない人でも応援しやすい演出を目指しました。

 

円形ステージが登場した理由は、相撲

© Suguru Saito

 

ー2012年は、Red Bull 5G構想時点からあった「東西対決」というテーマと、「日本」から相撲を連想し、円形のステージを採用しました。

ー松井 2013年以降もこの形式が続いたのは、当時のゲームイベントはひな壇ステージにスクリーンを背負って、プレイヤーが戦う劇場ステージ型のものが多かったのに対し、プレイヤーとの距離感が圧倒的に近いからです。

 

ー選手との距離感が近いから、彼らの表情、一挙手一投足が見られる。その結果、会場の盛り上がり、雰囲気作りに大きくつながる重要な要素になりました。

 

言葉と表現の細部にまでこだわる実況と解説

© Red Bull Content pool

 

ー各タイトルに実況担当が付き、メインMCが付くというスタイルも2012年から一貫して行ってきました。

ー松井 Red Bull 5Gでは会場にいる、試合中のゲームのことを知っている2割の人ではなく、そのゲームを知らない8割の人のために実況解説陣が存在している、と位置づけています。そのゲームを知っている人にとっては、ゲーム画面を見ているだけで理解できるものであっても、ゲームを知らない人は、何が起きているのかがわからなければ、そのゲームの魅力を理解できない。そのため、Red Bull 5Gの実況解説の最終的なゴールのひとつは「あのゲーム面白そうだったから今度やってみよう」と思ってもらうことなのです。

例えば、プレイヤーAの視点から「主導権を奪われた」、「ミスをした」、 などいわゆるネガティブな要素が多い言葉は避けてもらい、そういうシーンのときはプレイヤーBの視点からの発言として、「ナイスセーブ!」「これはいいカット!」 といったポジティブな言葉、視点に変えてほしいとリクエストしています。結果、ゲームのことを知らなくても、プレイヤーのことを知らなくても、会場にいるひとたちから「おお、なんだかこいつはすごいやつなんだな」という空気感が出てくる。

 

ー言葉・表現は大事ですね。言霊という言葉がある、つまり様々な影響を与えるものです。

ー松井 そうです。特に実況解説の声が聞こえるステージなので「失敗したあああああ!!!」なんてもし言われてしまったらプレイヤーはへこんでしまいますから(笑)。

メインMCの佐野さんの良いところは、 ゲームを知らない、ということを素直に他の実況担当へ聞けることです。知ったかぶりを絶対にせず、中途半端に自分の言葉を入れ込まない。毎年選出した全タイトルを触り、その時に自分でわからなかったことを実況中に聞いてくれます。つまり、観客の代弁者になってくれる。

 

ーゲーマーであっても、自分にとって興味がない、遊んだことがないタイトルは詳しいルールを知らないことが多い。もちろん、ゲームをやらない人はもっとわからない。Red Bull 5Gでは実況解説はもちろん、各ジャンルの試合前のルール解説動画や会場で配布するパンフレットも全て「8割の人のために」考え、作っています。

 

なぜ2016年なのか、その理由 

© Suguru Saito

 

ーこの5年間歩んできましたが、Red Bull 5Gの第1シーズン終了を今年2016年に設定した理由をまとめます。まず第一に昨年2015年までに東西地区代表の対決が東西共に2-2のドローだったこと。今年5年目の開催でどちらかが勝てば、それで一旦勝敗がつきます。

ー松井 そうですね。また、Red Bull 5Gは毎年12月にFINALSを開催し、翌年1月にはもうその年の企画を考え始めるという1年がかりのプロジェクトであることも挙げられます。

 

ー1年かけるからこそできることもあると同時に、前年のFINALSが終わってから新しいものを決めていくまでの時間が短い。そこで、一度お休みを取って、「ゲーミングシーンに翼をさずける」ということを改めて考えたい。ゲームを作る人、ゲームを売る人、ゲームをプレイする人、ゲームを見る人たちが一体となって作り上げていくイベントにしたい。そう考えています。

ー松井 これからもよろしくお願いします。

 

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