Pirelli製のF1タイヤ
© Pirelli
F1

F1:タイヤを学ぼう!

現在F1で使用されているタイヤは7種類。それぞれどんな特性があるのだろうか? タイヤを極めてF1を更に楽しもう!
Written by Tom Bellingham
読み終わるまで:4分公開日:
近年、特に2011年にPirelliがF1における単独タイヤサプライヤーとなって以来、各グランプリのレース・ウィークエンドでタイヤにまつわる話題は尽きることはない。それは、Pirelliが各レースにおいて複数のコンパウンド(※)を投入していることが主な理由だ。
:コンパウンドとはゴムの成分配合のことを指す。天然ゴムにポリマーやカーボンブラックなど各種薬品を混ぜる配合の割合を変えることによってタイヤの性能は大きく変わる。
昨シーズンまではレースごとに2種類のドライコンディション用コンパウンドが用意されていたが、2016シーズンの改定レギュレーションではPirelliが各レースに合わせて提案する3種類のコンパウンドの中から任意に選べるようになっており、タイヤ戦略における自由度が高まっている。
2016シーズン用としてPirelliが用意しているコンパウンドの内訳は、ドライコンディション用5種類に、ウェット/ダンプ・コンディション用のインターミディエイトとフルウェットを加えた計7種類となっている。これらのタイヤは実際にどのような性能の違いがあるのだろうか? 下の説明を読んでF1を更に楽しんでもらいたい。
注意:各コンパウンド名に続く括弧内のカラーは、タイヤのサイドウォールに実際に使用されるPirelliロゴのカラーを指している(写真上参照)。
ウルトラソフト(パープル):最も柔らかいコンパウンド。スーパーソフトよりも温まる(ウォームアップ)までの時間が短く、ピーク・パフォーマンスも非常に高いが、その反面、耐久性が低い設計になっている。
スーパーソフト(レッド):非常に急速なウォームアップ性能を持つため、予選でのタイムアタックの際に重宝される。しかし、当然ながらデグラデーション(性能低下)の落ち込みも激しいという特徴を持っている。
ソフト (イエロー):これも耐久性よりもスピードを重視した設計のコンパウンドだが、フルタンク状態となるレーススタート時やレース終盤時の短いスティントなどでも高い競争力を発揮する。
ミディアム(ホワイト):理論上、グリップと耐久性のバランスが最も優れているコンパウンドで、様々な状況に対応できる。特に高速/高温/高負荷のサーキットではその真価が発揮される場合が多い。
ハード(オレンジ):最も硬いコンパウンドで、耐久性も非常に高い。高速コーナーやハイグリップ路面を持つ高負荷のサーキットに向けて設計されている。特に気温の高いコンディションに強い。
インターミディエイト(グリーン):乾きかけた、もしくは濡れはじめのダンプ路面で最も高い対応力を見せる。フルスピード時の排水能力は毎秒約25リットルとなっている。
フルウェット(ブルー):フルウェット・タイヤは毎秒65リットルの排水能力(フルスピード時)を持ち、雨が強いコンディションでは最も効率的なソリューションを提供する。
各ドライバーは決勝レース中で少なくとも2種類のタイヤ・コンパウンドを使用・消化することが義務づけられており(ただし雨天時にレースディレクターからウェットコンディション宣言が出された際は、インターミディエイトもしくはフルウェットの使用義務が発生する)、かつて見られたようなタイヤ交換なしでレースを走りきるようなノンストップ戦略は事実上不可能となっている。
Pirelliは、決勝レース中において各チームの戦略が最低でも2ストップ/もしくは3ストップとなるのが望ましいと考えている。毎年のように改定を続けるタイヤ・レギュレーションは、今シーズンにおいてウルトラソフト(最も柔らかい。サイドウォールのロゴはパープル)の登場をもたらした。
依然として各チームの戦略は非常に似通ったピットストップ・ウィンドウに固執しているが、この新たなレギュレーションはタイヤ選択においてより幅広い選択肢をもたらしており、すべてのドライバーが同じコンパウンドを使用しているシーンはあまり見られなくなった。

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