A Day In The Life

Car Lifestyle Documentary / Snow Camp feat. Ferrari F40
By 中三川大地

 

これは巷で流行りのアクション動画ではない。
とある男が実際に送るカーライフの一部を記録した映像日記だ。

この男が事もなげに繰り返す突拍子もない行動は、彼にとっては食事をしたり息を吸うのと同じくらい、当たりまえのこと。特別な理由を探るなんて野暮だ。彼にとってはそれが日常なのだから。

休日の朝。平日は秒単位のスケジュールをこなし、トップアスリートよりもストイックなビジネスライフを送る彼が、いつもより少しだけ早起きをして目指したのは売上高ではなく雪山のてっぺんだった。

もう冬支度は済ませてある。ぬらりと赤色に染まるノーズには巨大な4連フォグランプ。生粋のレーシングカーだから、荷物はルーフキャリアにくくりつければいい。でも、お気に入りのカセットテープと、これがないと眠れない枕は忘れなかった。

なにしろフェラーリF40だ。かのF1ドライバー、ゲルハルト・ベルガーが「雨の日はガレージから出すな」と戒めたほど。そのパワーは破滅的で、アクセルを踏む量を1mm間違えればドライバーに即危険が迫る。また、現在の相場が1億円を越えるという価値を前に、アクセルを踏む右足の力を緩める人も多いと聞く。

でも、結局。どんな値札がつこうともクルマは走るための道具に過ぎない。だから、この男はいつもアクセル全開で駆け抜ける。

雪上でF40はまるで水を得た魚のようだった。林道の脇の樹々をかすめドリフトするF40。巻き上がるホワイトシャワー。ゲルハルト・ベルガーがこの光景を見たのなら、彼は一体どんな表情を浮かべるのだろう? 氷点下5℃の銀世界でF40がみせた仕草は、そうして僕らの脳裏へと刻み込まれた。

クルマは走るための道具に過ぎない。でも、それはときに人生をクールに彩り、ときに人生に思わぬ刺激を与えてくれる。
  

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