今後期待の国内ガールズバンド5選

今年のバレンタインは、スウィートに過ごす? それともハードに過ごす? ジャンルの枠を超えた5組のガールズバンドに触れて、それぞれのバレンタインデーを過ごしてみよう!
By 西廣智一

2000年代後半から、ここ日本ではガールズバンド人口が急増している印象がある。これには2つの大きな要因があると考えられ、ひとつはSCANDALやSILENT SILENといったバンドのデビューおよびブレイクが与えた影響、そしてもうひとつは2009年からアニメ第1期がスタートした『けいおん!』の大ヒット。事実、この頃から街中でギターケースを背負った女子高生を目にする機会が増えており、こういったトピックがのちに“ギタ女(ギター女子)”なるムーブメントにもつながっていくのだからとても興味深い。

今回のコラムでは昨今数多く存在するガールズバンドの中から、個人的にお気に入りの5組を紹介する。この5組は結成時期も世代もジャンルもバラバラだが、男性バンドに負けない個性や技術を持ち合わせたバンドばかり。
もしガールズバンドに対して多少なりとも偏見を持っている人がいたら、悪いことは言わない。ぜひこの機会に下記の5組をチェックして、その“ホンモノぶり”に触れてみてほしい。

 

①BAND-MAID

メイドファッションに身を包み、ファンのことを「ご主人様・お嬢様」、ライブのことを「お給仕」と徹底した世界観で活動を展開する5人組ガールズロックバンド。ビジュアルのイメージからキュートな印象を受けるかもしれないが、そのサウンドはゴリゴリのハードロックで、音源もお給仕も非常にアグレッシヴ。

近作ではメンバー作詞作曲によるオリジナルナンバーも急増しているほか、演奏力にもかなりなものがあり、その世界観をさらに濃厚なものへと推し進めている。また彩姫(Vo)&小鳩ミク(G, Vo)と声質が異なる2人のボーカリストを擁することで、硬派な楽曲に彩りを加えることにも成功している。

彼女たちは海外での人気も高く、「Thrill(スリル)」はYouTubeを通じて海外から高い評価を獲得。昨年はワールドツアーも実現したばかりだ。1月にリリースされた初のフルアルバム『Just Bring It』も好セールスを記録。同作を携えた国内および海外ツアーが大々的に展開されることでその魅力アップにさらに拍車がかかり、よりタフでセクシーに成長することだろう。

 

②Mary's Blood

SHOW-YAという大先輩がいるものの、最近のメジャーフィールドでは珍しい女性メンバーオンリーのヘヴィメタルバンドがMary's Bloodだ。
DragonForceやマーティ・フリードマンのオープニングアクトを務めた実績を持ちつつ、『NAONのYAON』にも出演してさまざまなジャンルのアーティストと共演できるのも彼女たちの持ち味ではないだろうか。


とはいえ、そのサウンドは正統派でゴリゴリのヘヴィメタル。ここまでストレートなメタルナンバーを、日本のメジャーレーベルが取り扱っている事実にも驚かされるが、楽曲を聴いたときに性別を超えた強烈なパワーと説得力がまっすぐ伝わってくることにも驚かされるはずだ。昨年秋にリリースされた最新アルバム『FATE』では王道メタルチューンのみならず、J-POPフィールドでも戦えるキャッチーな楽曲も含まれており、その音楽性が幅を持ち始めている。

同作を聴けば、かつてSHOW-YAがお茶の間を賑わせたように、彼女たちにもそのチャンスが大いにあるのではと期待したくなることだろう。

 

③SHISHAMO

おそらく現在もっとも大ブレイクに近いポジションにいるガールズバンドが、彼女たちではないだろうか。
高校3年のときに『TEENS ROCK IN HITACHINAKA 2012』に応募したのをきっかけに、地道に知名度を高めていった彼女たちは2015年に日比谷野外大音楽堂&大阪城野外音楽堂でワンマンライブが実現。2016年1月には日本武道館でのワンマンライブも成功させている。

2017年に入るとダウンタウン松本人志や乃木坂46齋藤飛鳥らが出演する「タウンワーク」のCMソングに新曲「魔法のように」が採用され、さらにNTTドコモのCM 「ドコモの学割『ししゃも?』篇」には新曲「明日も」が使用されているほか、SHISHAMOの3人もライブシーンで出演している。

2月22日には、これらの楽曲を含むニューアルバム『SHISHAMO 4』のリリースも控えている。等身大の歌詞とポップで親しみやすいメロディ、しっかり練り込まれたアレンジと、一切隙がない鉄壁な楽曲群を前にしたら、間違いなく誰もが夢中になるはずだ。

 

④Drop's

北海道札幌出身の女性ブルースロックバンド。高校在学中に軽音部で出会った5人で結成され、年齢からは想像できない、泥臭さを伴うブルース色濃厚なロックンロールを奏でる。
2011年、高校3年生のときに1stミニアルバム『Drop's』を発表。翌2012年夏には、地元北海度の野外フェス『JOIN ALIVE 2012』への出演も果たしている。そして2013年には1stフルアルバム『DAWN SIGNALS』でメジャーデビュー。2016年には初のライブアルバム『IN LIVE SOMEWHERE』もリリースしている。

Superflyの登場以降、ブルースやソウルをルーツに持つ女性アーティスト、女性バンドは少しずつだが増えており、Drop'sも間違いなくそのうちの1組だ。結成当時は年齢を感じさせないほどに枯れたサウンドでファンを驚かせたが、現在は年齢を重ねるとともに歌詞やメロディに深みが増しつつある。残念ながら今年1月のライブをもってドラマーが脱退。しかし、同時に活動拠点を札幌から東京へと移したばかりで、これを機にさらなる飛躍が期待される。

 

⑤がんばれ!Victory

SHISHAMOやDrop's同様、彼女たちも学生時代の同級生で結成された5人組ガールズロックバンド。しかしこのバンドが先の2組と大きく異なるのは、その結成時期が小学6年生の頃だということ。
地元佐賀を活動拠点に経験を重ねつつ、『TEENS ROCK IN HITACHINAKA 2011』で優勝し、2011年8月に『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2011』へ初出場を果たした。2014年春、高校卒業と同時に活動拠点を東京に移すと、年間100本ものライブを展開。2015年5月にシングル『全力!スタート / 夢のつづき』で念願のメジャーデビューを果たした。

彼女たちの活動テーマは「絶対生音主義」「平成オールドロック」。コアなロックファンが聴くと思わずニヤッとしてしまうような先達たちからの影響が、楽曲のいたるところから感じ取ることができる。
特に80年代に青春時代を過ごしたオヤジロッカーたちがグッとくるアレンジ多数で、シーケンスを一切使用しない荒々しいバンドアンサンブルも注目に値するもの。
アイドル的なルックスに引くことなく、まずはライブで彼女たちのサウンドに触れてみることをオススメする。

read more about
Next Story