世界が認める日本の雪山を改めて知る

元ライダーの雑誌編集長が綴る SNOWBOARDING IS MY LIFE. Vol.53
Hokkaido backcountry © Adam Moran/Red Bull Content Pool
By 野上大介

“ジャパウ(JAPOW: JAPAN POWDERの略)”と称される日本のパウダーは世界的に有名だ。近年、多くの外国人が日本を訪れるわけだが、それは雪山も同じこと。たくさんの外国人スノーボーダーたちが日本のゲレンデやバックカントリーを楽しんでいる。しかし、人が増えればルールを無視する者が目立つようになり、サイドカントリーやバックカントリーに足を運んでは、たびたび問題を起こしていることも事実。しかし、それほどまでに日本の雪や地形が魅力的とも言い換えられるだろう。そこで、灯台もと暗しではないが改めて、我が国がいかにスノーボードに恵まれた環境であるかについて考えてみたい。

日本は国土面積の約70%が山岳地帯であり、南北に伸びた列島である。冬になるとシベリア高気圧からの冷たく乾いた北西季節風が強く吹き、日本海を流れる温暖な対馬海流によって湿った風に変わることで雪雲が発生し、それが山岳地帯とぶつかるために日本海側は降雪が多くなるのだ。簡単に説明すると、日本海には暖流が混じっているため海水が蒸発し、季節風がそれを日本大陸に運び、山にぶつかって雪を降らす、というわけ。同じく日本海に面しているのに韓国ではあまり雪が降らない、その説明にもなるだろう。

さらに、人間が住んでいる土地で考えると、日本は世界一の豪雪大国なのだ。北海道・札幌は豪雪地帯にも関わらず、およそ200万人が生活している。人類社会が始まって以来の“豪雪の大都会”だ。前述したように本州の日本海側はよく降るわけだが、そのエリアの冬型気候の特徴をなすものが日本海側気候である。これは実際の豪雪地帯とほぼ重なっており、それに属する地域を以下に紹介しよう。「青森県津軽・秋田県・山形県・福島県会津の全域」「岩手県内陸・宮城県西部・福島県中通り・群馬県北部の一部」「新潟県・富山県・石川県・長野県北信地方・岐阜県飛騨地方の大部分」「岐阜県美濃地方の一部」「滋賀県北部・兵庫県北部・鳥取県・山口県北部の全域」「岡山県北部・広島県北部の一部」がそれにあたる。国土の大半が山岳地帯で、かつ、都市部からアクセスしやすい場所に雪が多く降るため、日本全国にゲレンデが点在しているということだ。ここまで恵まれた環境は、北欧にも存在しない。

さらに、エリアによって雪質や積雪量、山の地形が異なるため、それぞれのエリアが独自のカルチャーを形成し、スノーボードの遊び方を育んでいる。だからこそ、自身のライディングスタイルを考慮したうえで、滑るエリアやゲレンデを見極めてほしい。そう、日本での遊び方は無限大なのだ。

 

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野上大介(Daisuke Nogami)

スノーボード専門誌「TRANSWORLD SNOWBOARDING+」編集長。1974年、千葉県生まれ。全日本スノーボード選手権大会ハーフパイプ種目に2度出場するなど、複数ブランドとの契約ライダーとして活動していたが、ケガを契機に引退。現在に至る。アクション&アドベンチャースポーツのインターナショナル・フォト・コンペティション「Red Bull Illume Image Quest 2013」の日本代表審査員。また、ソチ五輪スノーボード競技におけるテレビでの解説やコメンテーターとしても活動するなど、その幅を広げている。

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