BURTON RAIL DAYSの楽しみ方

元ライダーの雑誌編集長が綴る SNOWBOARDING IS MY LIFE. Vol.54
BURTON RAIL DAYS 2014 © Dean Blotto Gray
By 野上大介

 

いよいよ今週末に迫った。全国のスノーボーダーたちが東京・六本木に集結し、世界トップクラスのジバーたちの滑りを目の当たりにすることで、六本木ヒルズアリーナが興奮のるつぼと化す。シーズン開幕の風物詩となった国際的なビッグイベント「BURTON RAIL DAYS」が、11月14日(土)に開幕するのだ。

今年で5回目を数える同イベントは、世界最大級のジブコンテストとして周知されているわけだが、いわゆるパークではなくストリートをコースに再現していることが特徴。山側から谷側へと、フォールラインに対してアイテムを正対させてレイアウトして行われるジブコンテストとは一線を画する。ストリートで格闘しているプロスノーボーダーたちに日の目を当てることが目的のひとつであり、大都会のど真ん中にアーバンライドの舞台を特設し、そのクリエイティブなコースでスタイル溢れる多彩なトリックで競い合うという、希少価値が高いコンテストと言えるだろう。

このようなコンテストだからこそライブで観るにこしたことはないのだが、都合がつけられないスノーボーダーたちはウェブキャストで視聴することができるので、ぜひ観戦してほしい。そこで、今大会の見どころを整理しながら、BURTON RAIL DAYSの楽しみ方をレクチャーしていきたい。

まずは、本イベントの主役であるライダーについて。前述したように、街中で人目をはばかるようにして写真や映像を残し続ける表現者たちが主役なのだが、2014年のソチ五輪からスロープスタイルが正式種目化したことも大きく影響しており、パークジブを得意とするライダーたちが急増、そして急成長を遂げている。彼ら、大観衆を前にしても物怖じすることのない競技者たちが、表現者たちに挑む格好だ。イーサン・デイスやザック・ヘイルら前者のライダーたちは、複雑に入り組んだ構造物であればあるほどクリエイティブ魂に火がつく。かたや、角野友基やセバスチャン・トータントら後者のライダーたちは、多くのオーディエンスをものともせずに難度の高いトリックを確実に決めてくる。クリエイティビティが勝るのか、はたまたテクニックが制するのか。これは見物だ。

次に、彼らが激突する舞台について触れておきたい。コース設計を担当したSNOW PARK TECHNOLOGIESのディレクターを務めるクリス・カスタネダ氏によると、過去に類を見ないほどユニークなレイアウトに仕上がったそうだ。その内容は、写真ではちょうど見切れてしまっているが、コース上部から見て正面にあるリダイレクトウォールの後にレールトリックが繰り出せるようにレイアウトされている。限られた六本木ヒルズアリーナのスペースではあるものの、ライダーが1本のランで最低3ヒットできるように考慮して設計。よって、あらゆるコンボトリックが可能になったわけだ。過去大会でも複合的なトリックに対するオーディエンスの熱狂ぶりが際立っていたので、これまで以上に盛り上がることは間違いない。

そして最後に、ジャッジのポイントを紹介しよう。世界トップクラスのパフォーマンスに一喜一憂するだけでも面白いかもしれないが、やはり結果を想像しながら観戦したほうが楽しいに決まっている。ここでは大きく4つに分けて説明したい。まず1つ目は、トリックの出来栄えとスタイル。完成度はもちろん、手の指先までを含めたカッコよさのことだ。2つ目は、ラインどりとアイテムの使い方。どのようなルーティンを組み、それぞれのアイテムで魅せることができるかがカギを握る。3つ目は、各トリックの難易度とバリエーション。時間制限内に何本でもトライできるジャムセッションで行われるため、同じトリックばかりを成功させても点数は伸びない。4つ目は、コンビネーションとリスク。“攻めた”ライダーが評価されるわけだ。これらの観点から総合的に評価するオーバーオールジャッジによって採点される。

簡単に言えば、もっともカッコいいスタイルを表現し、もっともアグレッシブに攻めたライダーが勝つということ。だから、この大会は面白いのだ。

最後になるが、僭越ながらウェブキャストで解説を務めさせていただくことになった。他国に比べるとスケートボードが文化として定着していない日本だけに、ストリート・スノーボーディングについて熟知しているスノーボーダーは少ないと言えるだろう。だからこそ、その魅力が少しでも伝わるよう、プロスノーボーダーたちの生き様が届けられるよう、懇切丁寧に職務をまっとうする覚悟だ。

ウェブキャスト
11月14日(土)17:35~19:35

 

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野上大介(Daisuke Nogami)

スノーボード専門誌「TRANSWORLD SNOWBOARDING+」編集長。1974年、千葉県生まれ。全日本スノーボード選手権大会ハーフパイプ種目に2度出場するなど、複数ブランドとの契約ライダーとして活動していたが、ケガを契機に引退。現在に至る。アクション&アドベンチャースポーツのインターナショナル・フォト・コンペティション「Red Bull Illume Image Quest 2013」の日本代表審査員。また、ソチ五輪スノーボード競技におけるテレビでの解説やコメンテーターとしても活動するなど、その幅を広げている。

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