アルペンスキーの王者が語るハーネンカムの難しさ

スキーワールドカップで有名なハーネンカムの難関コース “シュトライフ” についてアルペンスキーの王者が説明した。
キッツビュールでのアクセル・ルード・スヴィンダル © Samo Vidic/Red Bull Content Pool
By Riikka Rakic

世界最強のアルペンスキーヤーとして知られるアクセル・ルンド・スヴィンダルはハーネンカム(オーストリア・キッツビュール)の名コース “シュトライフ” に何度も挑んでいるベテランだ。1月末に76回目の開催を迎えたハーネンカム大会を記念して、そのシュトライフの難しさや恐怖、そして怪我の状態などについてスヴィンダルが説明した。

“シュトライフ” の難しさについて
「あそこはとりあえず “不可能” だね。勢いが売りの若手のプロスキーヤーでも、あのタフさはイメージできないと思う。ワールドカップのコースはどれも難しいけれど、シュトライフはその中でも一番だ。難しい上に、雪や光など様々な要素が複雑に絡み合ってくるあのコースは、イメージトレーニングができないんだ」

ハーネンカムに挑むスヴィンダル(2014年) © Samo Vidic/Red Bull Content Pool

キッツビュールに到着する前は怖かったよ。でも、とにかく体験する必要があった

 


20歳でのシュトライフ初挑戦について
「2003年1月、僕は大回転の選手だった。キッツビュールに向かってハーネンカムを滑るように伝えられた時は、早く体験したいと思った。キャリア最初期のダウンヒルレースのひとつだったけれど、ラッキーなことにチェーティル・アンドレ・オーモットとラッセ・チュースが事前に説明してくれたんだ。キッツビュールに到着する前は怖かったよ。でも、とにかく体験する必要があった」

恐怖心のコントロールについて
「シュトライフは非情なコースなんだ。あそこで勝利するためには様々な条件が揃わなければならない。好天、ノーミス、精神的余裕、そして強い意志が揃わないと勝てない。ある対象に対する恐怖心をリスペクトに変えるには時間がかかるけれど、僕たちは毎レースその切り替えを行っているんだ。トップレベルのダウンヒルレーサーはこの切り替えが上手い。キッツビュールでは特に上手くやる必要があるね」

不可能を可能にしなければならないというチャレンジが僕をやる気にさせているんだ!

 


サッカーで負傷したアキレス腱について
「怪我をして最悪なのは、楽しい部分をすべて逃してしまっていることだね。アスリートとしての活動は基本的には楽しいものだからさ。長い準備を終えたシーズン開幕直後は特にね。トレーニングではチェーティル・ヤンスルードと僕は共にスピードが出せていて調子が良かったから、スピード自慢のチームに参加できていればさぞかし楽しかっただろうね。僕が勝たなくても、誰かが勝てるチームは最高さ。だから、まだ参加できていないのはすごく悲しいよ」

インスブルックでの復帰とベイルでの世界選手権参戦について
「とにかくベイルには向かうつもりさ。キッツビュールから直接アスペンに向かって、ノルウェー代表に合流する予定なんだ。米国入りした方が楽なんだよね。レース可能かどうかを数日前に決定できるからさ。僕にとってはチャレンジなるね。不可能を可能にしなければならないからさ。でも、そのチャレンジが僕をやる気にさせているんだよ! まだ怪我は完治していないけれど、予定より早く回復している。10月の段階では僕が1月にスキーできるようになっているとは誰も想像しなかった。自分を確認するのが楽しいんだ。なにしろ毎日良くなっていくんだからさ」

シリコンバレーとダウンヒルレースには情熱が必要だ。そして、不確定要素とリスクを受け止めて進む必要がある

 


リハビリ中に訪れたシリコンバレーについて
「シリコンバレー訪問は素晴らしい経験だったね。オープンな気持ちで現地に向かったけれど、あのエリアの起業家精神には大いに刺激を受けたよ。ハードに努力して、リスクを背負って、大きな目標を成し遂げるというライフスタイルは、僕に新しい視点を与えてくれた。僕と似たような考え方をしている彼らとの時間はあっという間だったね。ダウンヒルレースとシリコンバレーには多くの共通点がある。どちらの世界でも情熱をしっかりと持っている必要があるし、自分を信じて、絶対に手に入れてやると思い込まなければならない。不確定要素やリスクを受け止めて進んでいかなければならないんだ」

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