Make & Play Yuki-Ita 【後編】: 自分でつくった板で滑る

2月、北海道で開催された『Red Bull Yuki-Ita』。その2日目。男たちは自身の手によってシェイプされた雪板を抱えて山頂へと向かった。
Red Bull Yuki-Ita © Jason Halayko
By 尾日向梨沙

 

新しい道具を初めて雪山で使うとき、自然と気持ちが高まる。
それが自分で作った板となれば、なおさらだ。

 

出来たての雪板を小脇に抱えた男たちは、
顔をほころばせて山頂へと向かう。
やってきたフィールドは、彼らを待ち構えていたように
最高のコンディションで迎え入れてくれた。
冷えた空気に青空、樹氷、日本海や遠くの山々を望むランドスケープ。
そしてノートラックのオープンバーン。

 

Red Bull Yuki-Ita © Jason Halayko

 

雪板は新雪でないと楽しむことができない。
また一度トラックの入った斜面はコントロールが難しい。
この日は、雪板で滑るのにこの上ない条件が揃っていた。
雪板に遊び慣れた人たちは、とてもビンディングレスとは思えない
ライディングで、大きなスプレーを上げてターンを描く。

 

 

雪板は、不安定なところにおもしろさがある。

 

いくらスノーボードが上手な人でも、雪板となると話は別。
なんてことのない斜面がものすごく急斜面に思えるし、
何度も転ぶ。雪板が吹っ飛んでいくこともあれば、折れてしまうこともある。
そんな不自由さをみんなで楽しむのだ。

うまく行けば大きな歓声が上がり、
失敗しても笑いが沸き起こる。
雪と戯れるとはまさにこういうことを言うのだろう。
何も競うことのない、子供も大人も一帯になって笑い合える純粋な遊び。
もう一本滑りたければ、斜面をハイクアップしなければならないが、
そんな時間も苦にならないほど夢中になってしまう。

 

Red Bull Yuki-Ita © Jason Halayko
Red Bull Yuki-Ita © Jason Halayko

 

北海道・新十津川で自給自足生活を送りながら
“農Border”という雪板を作っている佐藤港 は言う。

 

「北海道が好きで東京から移住してきたけれど、冬は雪が多くて暮らしも大変。正直、雪が嫌いでした。それが雪板を作るようになって、180度変わりました。自分で板切れ作って遊べるのが楽しくて、雪がすっかり好きになりました」

雪板は、ソリのような感覚で、ちょっとした斜面や丘で遊べる。
スキー場や山奥に出かけなくても、雪が降ればどこでも遊び場だ。

雪国の暮らしに寄り添う、古くて新しい道具は、
自然の中で遊ぶ素晴らしさを改めて気付かせてくれる。

 

Red Bull Yuki-Ita © Jason Halayko

 

 

当日のレポート前編はこちら>>
Make & Play Yuki-Ita【前編】: 遊び道具を自分で作るということ

ドキュメンタリームービーはこちら>>
Make & Play Yuki-Ita : 映像で観る雪板の“温度”

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