神々しいアクションスポーツフォト

Olympus Pro Photo Showdownでダブル受賞を果たした神の領域のアクションスポーツフォトをフォトグラファーのインタビューと共に紹介。
リップを攻めるミケル・バン © Jussi Grznar
By Travis Persaud

 フォトグラファーとして活躍するジュシー・グルズナー(Jussi Grznar)は慌ただしい時間の静かな一瞬を捉えるマスターであり、雪山であろうと、水上であろうと、コンクリートであろうと、彼のアクションスポーツフォトの被写体は、作品の中心ではなく、大きな絵画の一筆になる。

グルズナーはカナダ・ウィスラーのバックカントリーのスノーボードフォトでキャリアを築いてきたフォトグラファーだが、最近はベースジャンプやビッグウェーブサーフィンのような他のアクションスポーツでも活躍するようになってきている。

その彼の最新の受賞となったのが、ウィスラーで開催されたWorld Ski and Snowboard Festivalの期間中に行われたOlympus Pro Photo ShowdownでのPeople’s Choice賞とJudges’ Pick賞のダブル受賞だった。そして先日、その高い人気から、グルズナーはコンテストで公開されたスライドショーをオンラインで公開した。まずは以下の映像でその神の領域の美しさを堪能して欲しい。

© Jussi Grznar

 グルズナーはPro Photo Showdownのためにこれまでとは違うアプローチで挑んだ。コンテストにふさわしい最高の作品を手に入れるべく、彼は雪とライダーを追いかけ回す生活を送る代わりに、ひと冬を使ってこれまでの自分の作品群には欠けていた作品を追い求め続けたのだ。

今回は写真と共にグルズナーへのインタビューも楽しんでもらいたい。

コンテストを前にこれまでの自分の作品には何が足りないと感じていたのでしょう?
僕はスノーボードの撮影が得意だったし、更にはサーフトリップにも何回か同行したし、ベースジャンプも2回参加した経験もあったから、そういう他のスポーツに雪を絡めた作品を用意したかったんだけど、数が足りなかった。だから、冬を感じさせるようなポートレイト、風景写真、サーフフォトを足そうと思ったんだ。あとはビッグウェーブサーフィンとベースジャンプの写真も足そうとしたね。

 ひと冬を撮影に費やしてダブル受賞を果たしたのですから、努力の甲斐があったと感じたのではないでしょうか?
クレイジーな写真を撮るためにコマーシャル系の撮影や仕事をキャンセルしてスケジュールを空けるのはかなりのリスクだったよ。しかも、小型飛行機やジェットスキーを撮影のために借りなければならなかったし、友人やガールフレンドにも5ヶ月間会わなかった。そういう意味ではチャレンジングだったけど、中途半端なことをして後悔したくなかったんだ。Olympus Pro Photo Showdownは1回しか参加できない規定だからね。

作品を8分間のスライドショーにまとめるのは大変でしたか?
沢山の作品が手元にあったけど、ベストの作品だけを選んでいった。他の写真との組み合わせや順番、音楽とのコンビネーション、そしてスライドショーとしての動きやムードを考えて作り込んでいった。スマートフォンとiPadにフォルダを沢山作成して、音楽のプレイリストを用意して、その音楽と一緒に何回も写真を確認していったんだ。他と入れ替えたり、順番を変えたりしてね。それをひたすら繰り返していくうちに完成した。

ポートレイト © v

 自分で一番気に入っている作品はありますか?
編集中にそういう判断をしなければならなかった。自分が時間と労力をどれだけかけたか分かっているし、撮影時にクレイジーな出来事やストーリーがあったことも知っているから、特定の写真には思い入れがある。でも、実際にそれが良い写真かどうかは別の話なんだ。自分としては努力したから絶対に入れたいって思うんだけど、同時に良い作品と言えるかどうかは分からない。

僕が気に入っている写真は何枚かあるよ。ブルガリアで撮影した写真さ。地元のバンクーバーからモントリオールへ飛んで、モントリオールからパリへ飛んで、パリからミュンヘン、そしてミュンヘンからソフィアへ飛んだ。そのあとで48時間だけソフィアに滞在して、両日撮影をして、同じルートで帰ったんだ。

その価値はありましたか?
価値は十分にあったよ。最高の1枚になったからね。UFOのような、クレイジーな宇宙船の中にいるようなイメージなんだ。ブルガリアの旅は、道路が雪で埋まっていたから、他のルートを探さなければならなかったし、撮影に使おうと思っていた建物は2週間前に政府が封鎖してしまって、しかも、誰かが小さな窓を破って盗みに入っていた。更には、スケートボードを持ち込んで撮影に挑めば、3フィートの雪が降った。本当に色々なことがあったから、マジかよって思ったね。

ウィスラーに移住する前からフォトグラファーとしての活動をしていたのでしょうか?
ウィスラーに住む前はニューヨークに住んでいたんだけど、その頃に友人のオートフォーカスの小型カメラを借りて写真を撮り始めたのがきっかけさ。写真は凄く楽しかったんだけど、初めてサーフトリップに出るまでは職業にするなんてまったく考えていなかった。初めての冬をウィスラーで過ごしたあと、オーストラリアの仲間たちがサーフトリップに誘ってくれたんだ。それでカメラ1個とレンズ1本だけを持って、メキシコのサーフトリップに同行したんだ。

ヨーロッパに『Board Life』っていう僕の好きな雑誌があるんだけど、そのサーフトリップのあとに、自分が撮影した写真をその編集部に送ってみたんだよ。すると、12ページの特集を組んでくれたんだ。彼らからはRAWファイルを送ってくれって言われたんだけど、僕はズブの初心者だったからすべてをJPEGで撮影していたってのは笑える話さ(笑)。そのギャラでサーフトリップの旅費をカバーできた。

グルズナーの努力の結晶 © Jussi Grznar

 次に撮影したいロケーションはどこですか?
もう一度戻りたいって思う場所は沢山あるんだよね。ウィスラーのバックカントリーは僕にとってスペシャルなロケーションだ。タヒチとアラスカもそうだし、他にも沢山あるね。あとは、ポートレイトの撮影でネパールに行った帰りの飛行機からヒマラヤ山脈が見えたんだけど、その瞬間に胸が締め付けられて、「絶対に戻ってこよう」って思った。あとは中国に行ったときにチベットまで行けなかったから、今度はチベットに行ってみたい。残りの人生の大半を旅に費やしたいね。

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