東京都心に舞い落ちた54年ぶりとなる初雪が示す意味

元ライダーの雑誌編集長が綴る SNOWBOARDING IS MY LIFE. Vol.102
※画像はイメージです
By DAISUKE NOGAMI

2016年11月24日、東京都心に11月としては54年ぶりとなる初雪が舞い落ちた。初雪とは、その冬に初めて降る雪のことを指し、雨に雪が混じったみぞれでも初雪と観測される。ただし、あられやひょうが降っても初雪とはならないそうだ。しかし、今回都心に降った雪はもちろん湿雪ではあったものの、積雪が見てとれるほどだった。

およそ半世紀ぶりのこの出来事が何を示しているのか、とても気になった。アラフォー世代の筆者は生まれていないため、調べてみることに。すると、ラニーニャ現象の発生により期待されていた今シーズンの降雪予想をさらに後押しする結果が浮かび上がってきた。

54年前の1962年11月下旬、北日本を中心に非常に強い寒気が南下し、北海道などで大雪となっている。12月上旬になると東日本や西日本を中心に寒気が南下してきて、翌年1月になると寒気の中心は西日本となり、記録的な大雪となったそうだ。1963年は昭和38年に当たるため、「三八豪雪」と命名されている。

さらに具体的に掘り下げていくと、「昭和38年1月豪雪」とも呼ばれるようで、この年の1~2月にかけて、新潟県から京都府北部の日本海側、岐阜県山間部を中心に記録的な豪雪に見舞われた。1962年のクリスマス付近を境に、まとまって降り出した雪は翌1963年に本格的な大雪と化し、さらにこの年は気温が平年より低かったことも重なり、さらには20日間の日照時間がわずか11.4時間しかなかったことも手伝って、降雪のほとんどが融けることなく残っていたようだ。

その原因はラニーニャ現象による影響が大きく、同年、ヨーロッパでは平年より10℃も気温が下がった地域もあり、北米でも7~8℃低下。日本では月平均2~3℃の低下にとどまったが、1月を中心に非常に強い西高東低型の気圧配置が続いたようだ。

今年、北海道・稚内では10月7日に観測史上2番目に早い初雪を観測すると、同月20日には札幌や旭川、釧路、網走、24日には室蘭と帯広、30日には函館でも初雪となった。10月中にこの8地点すべてで初雪を観測するのは、2000年以来16年ぶりとのこと。

記録的な大雪は時に災害をもたらす可能性もあるため、手放しに喜べる話ではない。しかし、スノーボーダーにとって待望のニュースであることは間違いないだろう。昨シーズンの鬱憤を晴らすべく、今シーズンは雪上で暴れてほしい。ただし、周囲に対する注意はもちろん、大雪で困っている人を見かけたときは助けてあげる心の余裕も忘れずに。

 

野上大介(Daisuke Nogami)
スノーボード・ジャーナリスト。1974年生まれ。千葉県松戸市出身。スノーボード歴24年。専修大学卒業後、全日本スノーボード選手権大会ハーフパイプ種目に2度出場するなど、複数ブランドとの契約ライダーとして活動していたが、ケガを契機に引退。その後、アウトドア関連の老舗出版社でスノーボード・エディターとしての道を歩み出し、2004年から世界最大手スノーボード専門誌の日本版「TRANSWORLD SNOWboarding JAPAN」に従事。編集長として10年3ヶ月に渡り職務を遂行し、2016年3月に退社。2013年に開催された、アクション&アドベンチャースポーツのインターナショナル・フォト・コンペティション「Red Bull Illume Image Quest 2013」の日本代表審査員を務める。また、X GAMESのほか各種スノーボード競技において、テレビでの解説やコメンテーターとして活動するなど、その幅を広げている。2016年8月18日、スノーボードメディア「BACKSIDE」をローンチ。フリースタイルスノーボーディングを再構築することで、シーンのさらなる活性化を目指す。

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