2017年、本格シーズン到来

元ライダーの雑誌編集長が綴る SNOWBOARDING IS MY LIFE. Vol.104
 
Pat Moore © Tim Zimmerman/Red Bull Content Pool
By DAISUKE NOGAMI

 

新年おめでとうございます。

本年も当コラム「SNOWBOARDING IS MY LIFE」をご愛読のほど、

よろしくお願いいたします。

 

年末年始は雪山を訪れたという読者が多いと思うが、北海道を除いた大半のエリアで滑ったスノーボーダーの脳裏には、昨シーズンの悪夢が頭をよぎったのではないだろうか。“あれ、ラニーニャだから大雪とか騒いでたけど、雪少なくね?”と。それは僕自身も例外ではなく、年末は仕事に追われていたため年始に群馬エリアへ1泊で足を運んだのだが、そこにはアイスバーンやブッシュが出ているポイントもちらほら。履き替えたばかりのスタッドレスタイヤの効力を試せないほど雪が降っていない状況に、少しやきもきしていた。

とは言え、シーズン初頭の足慣らしと割り切っていたため、降雪状況よりも積雪状況を気にしていたわけだが、それでもアイスバーンや凹凸の激しいバーンは厳しい。なぜなら、約5年前に負傷した左膝が完治しておらず、膝にかかる負担が大きいから。スピードを出しすぎないように抑えながら、丁寧にターンすることを心掛けていた。

多忙を極めた年末は、仕事の合間を縫って数回、自宅から1時間ほどの距離に位置する人工ゲレンデでリフレッシュしていたのだが、訪れていた夕方の時間帯は湿雪だったためエッジングが難しい状況。デスクワークから解放される短い時間を楽しみながらも、ターンを思い出すことを目的としていた。

群馬滞在の最終日。少しずつではあったものの、板に乗る感覚やエッジワークが研ぎ澄まされていくのを感じることができた。やはり、あらゆる状況下で滑り込むことが効果的ということなのか。すると、昼過ぎくらいから大粒の雪が舞い落ちてきた。翌日から仕事はじめという人も多かったことから、神様のいたずらとでも言おうか。実際に、1月5日は多くのエリアでパウダースノーを堪能できたというスノーボーダーたちをSNS上で見かけた。ちょうど、二十四節気の小寒にあたる日で“寒の入り”だったことから、どうやら暦通りになったということだ。

さらに、同日5日に気象庁が発表した1ヶ月予報によると、北海道から九州にかけては、平均気温が平年並みか低く、厳しい寒さの日が続くとのこと。特に1月10日頃からの1週間は、東北の日本海側と岐阜県の山間部、長野県北部、群馬県北部では、降雪量が平年よりかなり多くなる恐れがあるとして、大雪に関する異常天候早期警戒情報が出された。地元の人々にとっては除雪中の事故など注意が必要だが、スノーボーダーには本格シーズンの到来と言い換えることができる。

足慣らしの段階からシビアなコンディションで滑ることを余儀なくされたスノーボーダーも多いことだろう。その時点では面白みを感じられなかったかもしれないが、その状況で滑り込んだことによって、これから始まる本格シーズンにいい影響をもたらしてくれるに違いない。

今シーズンも、よいスノーボードライフを。


野上大介(Daisuke Nogami)

スノーボード・ジャーナリスト。1974年生まれ。千葉県松戸市出身。スノーボード歴24年。専修大学卒業後、全日本スノーボード選手権大会ハーフパイプ種目に2度出場するなど、複数ブランドとの契約ライダーとして活動していたが、ケガを契機に引退。その後、アウトドア関連の老舗出版社でスノーボード・エディターとしての道を歩み出し、2004年から世界最大手スノーボード専門誌の日本版「TRANSWORLD SNOWboarding JAPAN」に従事。編集長として10年3ヶ月に渡り職務を遂行し、2016年3月に退社。2013年に開催された、アクション&アドベンチャースポーツのインターナショナル・フォト・コンペティション「Red Bull Illume Image Quest 2013」の日本代表審査員を務める。また、X GAMESのほか各種スノーボード競技において、テレビでの解説やコメンテーターとして活動するなど、その幅を広げている。2016年8月18日、スノーボードメディア「BACKSIDE」をローンチ。フリースタイルスノーボーディングを再構築することで、シーンのさらなる活性化を目指す。

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