世界最高峰のビッグコンテスト「X GAMES 2017」をライブで観て

元ライダーの雑誌編集長が綴る SNOWBOARDING IS MY LIFE. Vol.106
By DAISUKE NOGAMI

1月26~29日にアメリカ・コロラド州アスペンで開催された世界最高峰のビッグコンテスト「X GAMES ASPEN 2017」。スノーボードに限らず、フリースタイルスキーやスノーモービルなども行われる、真冬のエクストリームスポーツの祭典である。

このX GAMESは、大会を主催するESPNから招待を受けた世界トップクラスの者だけが名を連ねることが許される。そのライダー選考も人気の秘密で、オリンピックとは一線を画し、競技性だけでなくエンターテインメント性を重視した選定。スノーボードを含めたアクションスポーツが有する“表現力”に重きが置かれているため、“魅せる”ことができる猛者たちが集結するのだ。

とは言え、アメリカのスポーツ専門チャンネルだけに、北米を中心とした選考になることは言うまでもないが、スノーボードに関して言えばそれでも選出の妥当性が保たれているため、世界中から支持されているということなのだろう。そのなかに、日本からはスーパーパイプに平野歩夢と平岡卓が、ビッグエア&スロープスタイルに角野友基が招待されているのだ。

平野は昨シーズンのオスロ大会スーパーパイプでX GAMES史上初となる日本人としての優勝を飾り、2013年の同大会スーパーパイプでは14歳でシルバーメダルに輝いた。これは当時の大会史上最年少メダリスト(その後、クロエ・キムが13歳で記録を塗り替える)だったため、世界中にその名を轟かせることに。平岡は2015年の同大会スーパーパイプで銀メダルを、2013年のティーニュ大会スーパーパイプで銅メダルを獲得。角野は2014年からビッグエア種目において4大会連続でメダルを獲得しており、昨シーズンのオスロ大会では平野に続いて優勝を果たした。そう、彼らはX GAMESという世界最高峰の舞台に欠かせない役者たちなのだ。

毎年この時期、前職では12年にも渡り雑誌編集の校了作業に追われていたため、初めて現地を訪れることができたのだが、衝撃を受けるほどのエンターテインメント性を誇り、それを求めて目を疑うほど多くのオーディエンスが会場に足を運んでいた。アスペンは例年よりも寒かったようで、夜に行われるスノーボードのスーパーパイプやビッグエアの開催時の気温は、なんとマイナス20℃超。取材のためペンを握る手は、手袋をしている状態でも痛いほどの冷たさで、ブーツを履いた足の指先も常にかじかんでいるほどだった。

そうした過酷な環境にも関わらず、ライダーたちの一挙手一投足を見守る熱狂的な大観衆を前にして、世界最高レベルのアクションが繰り出されるわけだ。生放送のテレビ番組であることから、CMの都合などによりライダーの出走が待たされるケースが多々あった。極寒のなか、凍りついた巨大アイテムと対峙するライダー心理を考えれば、テンポよくドロップインさせてあげたいところ。出場ライダーたちはライディングスキルだけでなく、集中力はもちろん、身体を冷やさないための工夫も強いられるのだった。

そのうえで、来年に6回目となるオリンピックが韓国・平昌(ピョンチャン)で控えていることもあり、その競技レベルは予想を遥かに超えるスピードで進化し続けている。大会の内容については弊誌「BACKSIDE SNOWBOARDING MAGAZINE」のウェブサイトでお届けしたのだが、ビッグエアはクワッド&1800スピンの新時代に突入し、スーパーパイプでは敗れはしたものの、平野歩夢がファーストヒットからCABダブルコーク1440をパーフェクトに決め、そこからバック・トゥ・バックのダブルコーク1080を繋げるという超絶ルーティンが眼前で繰り広げられた。

この模様は、本日(2月4日)深夜2時23分からTBSでオンエアされる。番組ナビゲーターは岩垂かれん、ビッグエア&スロープスタイルの解説は岡本圭司、そして僭越ながら、僕がスーパーパイプの解説をさせていただいた。現場で体感してきたリアルな情報も交えてお届けするので、ぜひチェックしていただきたい。

◆Information
TBS 2月4日深夜2時23分から放送『X  GAMES 2017 アスペン』番組ホームページはこちら

 

野上大介(Daisuke Nogami)
スノーボード・ジャーナリスト。1974年生まれ。千葉県松戸市出身。スノーボード歴24年。専修大学卒業後、全日本スノーボード選手権大会ハーフパイプ種目に2度出場するなど、複数ブランドとの契約ライダーとして活動していたが、ケガを契機に引退。その後、アウトドア関連の老舗出版社でスノーボード・エディターとしての道を歩み出し、2004年から世界最大手スノーボード専門誌の日本版「TRANSWORLD SNOWboarding JAPAN」に従事。編集長として10年3ヶ月に渡り職務を遂行し、2016年3月に退社。2013年に開催された、アクション&アドベンチャースポーツのインターナショナル・フォト・コンペティション「Red Bull Illume Image Quest 2013」の日本代表審査員を務める。また、X GAMESのほか各種スノーボード競技において、テレビでの解説やコメンテーターとして活動するなど、その幅を広げている。2016年8月18日、スノーボードメディア「BACKSIDE」をローンチ。フリースタイルスノーボーディングを再構築することで、シーンのさらなる活性化を目指す。

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