フリースキー映像 ベスト10

フリースキーの30年の歴史を彩ってきた数々の映像の中から珠玉の10本をピックアップ!
By Christopher Neumann

Red Bull TVの最新ドキュメンタリー映像『Generations of Freeskiing』はフリースキーの歴史と起源、そして継続的な発展を振り返っている。流れるようなトップ・トゥ・ボトムのランのスタイルで編集されたこの映像には、かつて流行したスキーバレエからモダンなスロープスタイル、アーバントリックまでもが余すところなく詰まっている。

上のハイライト映像をチェックしたあとは、Red Bull TVの本編を視聴しよう!

しかし、過去30年のフリースキーの歴史の中ではその他にどんなことが起きていたのだろうか? 今回はその長い歴史の中で生み出されてきた他の映像を紹介していく。

13歳の少年少女が簡単にトリプルコークをメイクしてしまえるように思える近年のフリースキーシーンでは、強烈なエディットが毎週のようにリリースされている。現在のフリースキーのレベルは非常に高く、30年前のシーンがどのようなものだったのかを想像するのはかなり難しい。

そこで、最近の若い世代のテクニックは確かに素晴らしいが、たまには昔を振り返ってのんびりとオールドスクールクラシックを楽しむのも悪くないだろうということで、クラシック映像10本を用意した。

『Harvest』(1997年:TGR/ジェレミー・ノービス) 

まずはクラシック中のクラシックから紹介しよう。1997年にTGRがリリースした『Harvest』のジェレミー・ノービスのパートは、フリースキーシーンを永遠に変えることになった。カリフォルニア州ピラミッド・ピークで記録された彼のハイスピードラインは、多くのスキーヤーとスノーボーダーに多大な影響を与えた。

当時、ここまで強烈なラインをノーリスクでライディングできるとは誰も思っていなかった。TGRの創設者で、この映像を撮影したトッド・ジョーンズでさえも、元スキー米国代表のノービスがドロップしたあとに何が起きるのか分かっていなかった。しかし、ジョーンズは撮影後すぐにこの映像が革命を起こす内容だということに気が付いた。この映像でスーパーGターンを3種類メイクしたノービスはフリースキー映像に新時代をもたらすことになった。

『The Blizzard of AAHHH’s』(1988年) 

フリースキーにどっぷりハマっている人は、このライトグリーンのケースに入ったVHSテープを手に入れる必要がある。グレッグ・スタンプのこのドキュメンタリーにはそうすべき理由が数多く詰まっている。その中で最も大きな理由と言えるのが、スキーパンクのアイドル、グレン・プレイクをはじめとする素晴らしいライダーたちのラインアップだ。また、サウンドトラックもノスタルジー溢れるクラシックトラックが詰まっている。

他のフリースキー映像とは異なり、『The Blizzard Of AAHHH’s』は、北米のスキーヤーたちが特に共感できるはずの “自由” の素晴らしさを伝えてくれる作品だ。グレッグ・スタンプが手がけたこの名作ほど、フリースキーの未来を決めた映像はないだろう。

『Pop Yer Bottlez』(2005年:PBP/タナー・ホール) 

「足首が折れた! 骨折した!」という絶叫が収録されている『Pop Yer Bottlez』については何も言うことはない。危険で強烈なフリースキーが詰まっているこの作品は、登場するスキーヤーのラインアップも文句なしだ。

しかし、この映像を伝説にしたのは、タナー・ホールがユタ州のチャッズ・ギャップで記録したクラッシュと絶叫だった。このフリースキーヤーの身の毛もよだつような絶叫は余りにも強烈だったため、のちにTV番組でパロディにもなった。そのシーンだけを楽しむだけでも良いが、この映像には素晴らしいバックカントリーライドが詰まっているので、最初から最後まで楽しめるはずだ。尚、バックカントリーライドでは、ホールの最高のライディングが確認できる。

『Idea』(2009年:Nimbus Independent) 

Nimbus Independentはフリースキーの映像をひたすら撮り続けているクルーだ。ソウルフルなバックカントリーアクションにクリエイティビティ溢れるスポットとサウンドトラックを組み合わせた彼らの作品はトップクラスで、それゆえに彼らには忠誠心を持ったファンが数多くついている。

その彼らのデビュー作品『Contrast』は、ウェブ展開だけを予定していたにも関わらず、非常に革新的な内容で、派手なオブジェクトを用意したパーフェクトなパークを使わなくてもファンを喜ばせることができることを証明する作品となった。そして、今回紹介している2009年にリリースされた『Idea』では、エリック・ポラード、ペップ・フジャス、アンディ・マーレがフリースキーをスノーパークからバックカントリーへ持ち込んでいる姿が確認できる。

『The Lost』(2013年:Legs Of Steel) 

もちろん、永遠に記憶に残るような最高のパークセッションを収めた映像はこの世界に数多く存在する。その中のひとつが、Legs of Steelが手がけた『Nothing Else Matters』のトレインショットだろう。ラストシーンで13人のライダーがオーストリア・カウナータル氷河で3つのジャンプから次々とエアをメイクする姿は最高だ。この撮影のコーディネートとプランニングにどれだけの努力が注ぎ込まれたのかを想像するのは難しいが、Legs Of Steelは必ず実現してくれる。サウンドトラック、ライダー、アクションの3拍子が揃った最高のシーンだ!

『SuperUnknown』(2007年:トム・ウォリッシュ)

スノーパーク映像の金字塔のひとつが、トム・ウォリッシュが2007年にリリースしたエディット『SuperUnknown』だ。ウォリッシュはこのエディットで世界的に有名なスノースポーツ映像のコンテスト、Level 1の大賞を受賞したばかりか、キング・オブ・アフターバン(トリック後に余裕を見せること)の称号も手にした。この映像でウォリッシュが披露している着地とレールトリックは常軌を逸している。尚、ウォリッシュはこの映像で一気にブレイクし、Level 1との協力体制をスタートさせることになった。

『Happy Dayz』(2002年:PBP/ジョン・オルソン) 

この映像は記憶に残るシーンや革新的なシーンが大量に詰まっており、ワンシーンだけを選ぶのは難しいが、今回はジョン・オルソンのパートを選んだ。というのも、最近のフリースキーヤーの中には、ジョン・オルソンがなぜここまでリスペクトされる存在なのかを分かっていない人がいるように思えるからだ。

YouTubeで豪華絢爛なセレブライフを紹介している最近のジョン・オルソンを見ていると、彼がかつてフリースキーのゲームチェンジャーだったことを忘れてしまうが、彼は複数のトリックを生み出した優秀なフリースキーヤーで、このPoor Boyz Productionsが制作した『Happy Dayz』を見れば、彼が今回のリスト入りを果たした理由が理解できるだろう。

『Focused』(2004年:MSP/セス・モリソン)

セス・モリソンはバックフリップのマスターだ。まさかと思う人は、この映像をしっかりと見直してもらいたい。Matchstick Productionsが手がけた『Focused』の冒頭に収録されている特大のバックフリップを見るだけでそれが理解できるだろう。最高のナチュラルエアだ。とはいえ、この映像のセス・モリソンのパートはいつも通り全体を通じて素晴らしい。ライダーズ・チョイスと言えるいぶし銀の映像だ。

『One of Those Days』(2013年:キャンディド・トベックス)

今回のリストはキャンディド・トベックスが入らなければ成立しない。おそらくトベックスは現代最高のオールラウンダーで、この『One of Those Days』はその証拠だ。2013年にリリースされたこの伝説のPOV映像は、世界中を驚かせた。

今もトベックスは同様のシリーズを次々とインターネット上でリリースしているが、リリースごとにそのクオリティは高まっており、最近Audiがトベックスを起用したCMの舞台裏映像をリリースしたあとは、トベックスを認めないとしていた人たちも黙ることになった。2017年現在、フリースキーエディットのキングはトベックスだ。

『Candide Kamera Pt. 2』(2010年:キャンディド・トベックス)

 

トベックスはフリースキーエディットのキングなので、当然ながら今回のリストにも2本の作品がランクインした。彼はトレンドに流されず、自分がやりたいことをやっている。むしろ、彼はトレンドを生み出す側なのだ。『One of Those Days』で一躍有名になったトベックスだが、このフランス人ははこの作品をリリースするから、『Candide Kamera』シリーズを通じて、前例のあることに興味はないという姿勢を明確に示していた。このシリーズは2009年に1作目がリリースされたが、2010年にリリースされたこの2作目はフリースキーの真の魅力を捉えることに成功している。トベックスが3作目をリリースした暁には、また多くのフリースキーヤーが笑顔になることだろう。

 

read more about
Next Story