いまだ無敗の快進撃! RBライプツィヒってどんなチーム!?

昇格組ながら、いまだ無敗で快進撃を続けるRBライプツィヒ。第2節では香川真司擁する強豪ドルトムントを倒し大番狂わせを演じた、注目クラブを紐解いてみよう。
もちろん、マスコットも「赤い牛」 © gettyimages
By 斉藤健仁

 実質4部から、わずか4年で1部リーグへ

ドイツ・ブンデスリーガ1部で、開幕から2勝2分と負けなしで6位と開幕ダッシュに成功した注目のクラブがある。今シーズンから1部に昇格したRBライプツィヒだ。もちろんドイツのザクセン州ライプツィヒに本拠地を置いており、ベルリンと並んで、1部において旧東ドイツを本拠地にしている数少ないクラブとなっている。

2匹の赤い雄牛が角を向き合わせているエンブレムを一目すればわかるように、エナジードリンクのレッドブルがサポートしているクラブだ。レッドブルはオーストリアのザルツブルク、アメリカのニューヨーク、ブラジルのカンピーナスにもスポンサードするクラブを持っており、ライプツィヒが4つ目となるが、ドイツは、他の3つとは事情が異なっている。

第2節では終了間際のケイタのゴールでドルトムントを破り、大金星 © gettyimages

実は、2006年くらいから、オーストリア企業であるレッドブルの協同経営者ディートリッヒ・マテシッツ氏は3年半ほどかけてブンデスリーガのクラブ買収を模索したという。友人である元ドイツ代表のフランツ・ベッケンバウアーがFCザクセン・ライプツィヒ(債務超過により2011年に解散)を勧めた。これはクラブの財務状況が芳しくなく、さらに2006年にワールドカップを開催したスタジアムがあったこと、旧東ドイツを本拠地としているクラブの方が上位リーグに昇格しやすいなどが理由にあったと推測される。

しかし、ファンの反対や企業色が強かったこと、またドイツサッカー協会の反対もあり、買収に失敗してしまった。

その後レッドブルはドイツのブンデスリーガへの投資候補地としてミュンヘンの1860ミュンヘンやデュッセルドルフのフォルトゥナ・デュッセルドルフ、ハンブルクのザンクトパウリなどの旧西ドイツも調査したという。だが、再び、ライプツィヒに戻り、2009年、ライプツィヒ近郊のマルクランシュタッドにあった当時5部のSSVマルクランシュタッドを購入した。

だが、リーグの規定により原則的に企業名が付けられないことから「レッドブル」ではなく、レッドブルを彷彿させる「RB」ライプツィヒ(RasenBallsport Leipzig)という名となり、8年でブンデスリーガ1部に昇格することを目標に、新たに生まれ変わった。なおRasenBallsportは直訳すると「芝生の球技」という意味である。

2009−10シーズンに5部に相当するオーバーリーガ(NOFV-OberligaSüd)で圧勝しその上の4部相当のレギオナリーガ・ノルト(Regionalliga Nord)に昇格、2012−13シーズンにわずか1敗で優勝し、ブンデスリーガ3に昇格。翌2013−14シーズンは2位でブンデスリーガ2部へ昇格した。1シーズンで3部から2部に昇格したのは、ブンデスリーガでは初めてのことだった。そして、2015−16シーズンに2位で念願のブンデスリーガ1部に昇格したというわけだ。

レッドブル・アレナに集まるサポーターたち © gettyimages

下部組織にも注力した育成型のクラブモデル

RBライプツィヒのチームカラーはそのままレッドブルのコーポレートカラーである赤と白となった。エンブレムはレッドブルの企業ロゴそのままを使う提案が拒否されたため、最初の2009-10シーズンはエンブレムを使用しなかった。だが翌シーズンは、他の国のレッドブルクラブ同様に、企業ロゴにサッカーボールを入れるなどアレンジしたバージョンが認められて、使用することが許された。2部に上がった2014-15シーズンにブンデスリーガからそのエンブレムのデザインを使うことが拒否され、現行のデザインへ再変更。企業ロゴにある黄色い太陽は大きなサッカーボールとなり、RBの文字はエンブレムの下部に、しかも赤から黒となった。

2015.7-2016.6監督のラルフ・ラングニックとRBライプツィヒのエンブレム © GEPA pictures/Red Bull Content Pool

現在のRBライプツィヒのエンブレム

ホームスタジアムは、もともと約5,000人収容のマルクランシュタットの小さなスタジアムを使用していた。4部に昇格した2010年から、2006年ワールドカップの会場にもなったツェントラールシュタディオンの使用が許可され、ツェントラールシュタディオンは、ネーミングライツにより「レッドブル・アレナ」という名となった。この契約は2040年までの30年間という長期にわたるものだった。約42,000人収容という大きなスタジアムだが、1部に上がってから平均3万人ほどの観客動員に上昇しており、今後、スタジアムの拡張工事が予定されているほどだ。

トップチームにも20歳前後の若いドイツ人選手が多く在籍していることからもわかる通り、RBライプツィヒのユースはドイツ国内でも高い評価を得ている。

クラブの下部組織には、現在、リザーブチームや女子のチームも合わせて17のジュニアチームがあり、250名の選手が在籍しているという。もともとは2011年に解散したザクセン・ライプツィヒのリザーブチームに所属していた選手を在籍させていたが、現在は地域の他のジュニアクラブとも提携しているという。ジュニアチームの中にはトップチームと同じトレーニングセンターを使用しているチームもあるが、ライプツィヒの複数のグラウンドで練習している。

ハンブルガーSV戦では攻撃力が爆発し、アウェイで4得点の圧勝 © gettyimages

ジュニアチームは2014-15シーズンに9つのリーグタイトルと3つのカップを獲得、翌2015-16シーズンは8つのリーグタイトルと6のカップを獲得。今後、下部組織で育った選手が、トップチームで活躍するはずだ。選手たちの若い力と、モダンな経営モデルでブンデスの台風の目となりそうなライプツィヒ。彼らの快進撃によって、今季ブンデスはさらに面白くなるだろう。

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