Lucy Charles as seen on her triathlon bike at the Ironman World Championships in Kona, Hawaii, USA on 14 October, 2017
© Rachel Ceretto/Red Bull Content Pool
トライアスロン

トライアスロン初心者が陥りがちな10のミス

トライアスロン初心者が避けておきたい問題とその解決法をレッドブル・アスリートの英国人トライアスリートが解説!
Written by Pip Stewart
読み終わるまで:5分公開日:
Lucy Charles celebrates her second place finish at the Ironman World Championships in Kona, Hawaii, USA on 14 October, 2017.

初心者が陥りがちなミスを避けて表彰台を目指そう

© Rachel Ceretto/Red Bull Content Pool

熟練したトライアスリートでも、初心者でも、初歩的なミスはレースタイムを落とす大きな原因になる。そこで今回は、Red Bullトライアスリートのルーシー・チャールズに助けてもらおう。
ルーシーはプロデビュー戦だったIRONMAN World Championshipで2位を獲得して、トライアスロン界を震撼させた気鋭の女子トライアスリートだ。彼女なら、デビューレースで役立つヒントを与えてくれるはずだ…。

1. シューズとペダルのフィッティングができていない

Rachel Klamer in the transition area during the ITU World Triathlon Grand Final in Rotterdam, The Netherlands on September 16, 2017.

無駄のないトランジションはタイム短縮のカギ

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レースでは、詰まらないミスで大きくタイムロスすることがあるわ。トランジションエリアをいかに効率良く整えておくかはタイムに大きく影響するの。通常、わたしはサイクリングシューズをペダルに装着した状態にしておいて、バイクに飛び乗ればすぐに走り出せるようにしているの。バイクセクションが終われば、シューズをペダルに装着したまま裸足でバイクを降りて、ランニングシューズを履くわ。こうすれば、タイムがかなり短縮できるわ。

2. シューズがタイトすぎてスムーズに履けない

Lucy Charles performs during the IRONMAN World Championship in Kailua-Kona, Hawaii, United States on October 14, 2017

常にシューズをすんなり履けるとは限らない

© Graeme Murray/Red Bull Content Pool

これはかなり大きなヒントだけど、レース前日の夜はシューズに新聞紙を丸めたものを詰めておくこと。こうしておけばシューズの履き口が広がるから、すんなり足を入れられるようになるの。レース当日に新聞紙を取り出すことを忘れないようにね!

3. レースデイに新しいアイテムを試す

新しいアイテムをレースデイになって初めて試すのは、絶対にやってはいけないことよ。たとえば、新しいシューズをレース当日に下ろせば、水ぶくれを引き起こしてしまいかねないわ。レース中の補給食などについても、自分の体質に合っているか事前にテストしておくこと。しっかりと機能を発揮しつつ、体が無理なく消化できる物なのかを確認しておきたいわね。

4. トランジションバッグを活用できていない

Lucy Charles adjusts her helmet during a triathlon bike training run

トランジションの計画をうまく立ててタイムを短縮しよう

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大会のルールで許されているなら、ヘルメットはバイクと一緒に置いておくのではなく、トランジションバッグに入れておきたいわね。そうすればわざわざバイクの前に立ち止まってヘルメットを装着する必要がなくなるし、走りながらヘルメットを装着できるから、大きな時間短縮につながるわ。バイクとヘルメットを同じ場所に保管しておくように定めているレースもあるから、その時はトランジションエリアでバッグ内に収納しておけば、数秒のタイム短縮が可能よ。

5. 互角のライバルと泳いでいない

Lucy Charles trains for Kona IRONMAN in Kailua-Kona, Hawaii, USA on October 07, 2017

スイムではペースの近いライバルに引っ張ってもらおう

© Graeme Murray/Red Bull Content Pool

自分のペースに近いライバルに合わせてレースを進めたいものね。スイムで自分と近いペースの人についていけば、体力をかなりセーブできる。大集団だから、後ろに付かれるのを嫌がられることもないわ。だけど、2人で争っている場合は、先頭交代をしながら泳ぐべきね。あと、スイムのフィニッシュ直前は激しい競争になるから、なるべく早めに上がるようにしたいわ。

6. ランの序盤からペースを上げすぎてしまう

ランセクションのスタート直後に、ジェリーレッグスと言われる状態になってしまうことがあるわ。これは足の感覚がないのに、かなりのスピードで走っている状態を指すの。たとえスプリントでも、ランの序盤で大事なのは、自分自身をコントロールすることよ。
オリンピック(10km)以上の距離では、序盤に飛ばしすぎてしまうと終盤に失速する可能性が高いわ。序盤に飛ばす意味はないし、ランはペース管理が一番大事。体力的な余裕を感じていても、自分のペースをチェックしながら、少し抑え目に走るべきね。ランの後半で大きく失速することは避けたいわ。

7. ドラフティングのルールを理解していない

前走者から12m離れていても、風の抵抗がわずかに軽減されてアドバンテージを得られるから、基本的にトライアスロンのバイクではドラフティング(前走者の背後について走行すること。スリップストリームと同じ)が許されていないの(編注:一部例外あり)。自分の背後に誰かがぴったりとついている状態を想像すれば、良い気分はしないでしょ?
Lucy Charles follows drafts fellow competitiors during the IRONMAN World Championship in Kailua-Kona, Hawaii, United States on October 14, 2017

トライアスロンのドライフティングルールは厳格

© Graeme Murray/Red Bull Content Pool

8. 給水所を活用していない

レース開催日の気温には注意しておくべきね。英国では気温が高くなるレースは少ないけれど、ハワイのような場所でのレースはかなり高温になる場合があるから、水分補給が極めて大事よ。身体が熱を持ちすぎないように気を配るべきね。
周囲の人たちは、わたしが給水所でいつも目一杯補給していると指摘するけれど、わたしに言わせれば、あるものを活用しないほうが理解できないわ。氷、冷水を含ませたスポンジなどは活用すべきよ。全て無料で提供されているのだから、活用しない手はないわ。

9. 補給食について計画していない

最適な栄養補給は人によって違うものだから、他人から効果があると勧められても、トレーニングで実際に試しておくべきね。わたしとパートナーのトライアスロンの総量は変わらないけれど、栄養補給はかなり異なるの。自分の体格に基づく必要があるわ。
固形食を摂るように心がけるべきよ。IRONMANでは特にそうすべきね。1日中液体やジェルばかりを口にしていると、胃の中で消化不良になるから、トラブルに繋がりかねない。固形物を口にすれば、胃がぐるぐるとかき回されることはないわ。

10. クールに振る舞うことを意識し過ぎている

笑っちゃうんだけど、わたしはバイクにかっこ良く乗れないの。スプリントやオリンピック距離でのトライアスリートたちを見ていると、彼らは走りながらジャンプしてサドルに座るんだけど、わたしに言わせればクレイジーよ! わたしは律儀にバイクにまたがってからサドルに座るから。でも、ジャンプしながらサドルに座るのは、IRONMANではさほど重要ではないの。なぜなら、さほどタイムを稼げないし、クールに見えるくらいしかメリットはないの。TV中継でわたしがバイクに乗るシーンをエリートトライアスリートが見たら「何だあれは? 彼女はバイクもろくに乗れないのか? 俺ならもっとかっこ良く乗れるぞ」と思うはずよ。

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Lucy Charles-Barclay

A former competitive swimmer, Great Britain’s Lucy Charles-Barclay made the switch to Ironman triathlons and is now a world champion.

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