そもそも、ウルトラマラソンとはどのようなものなのだろう? 基本的に、マラソン(42.195km)より少しでも距離が長ければウルトラマラソンとなり、さらに長い距離(100km)を走破したり、24時間マラソンを目指したりすることも可能だ。
そこで、24時間耐久レースに精通しているTeam GBのウルトラマラソンランナー、ロビー・ブリットンを紹介しよう。ウルトラランニングの難しさについて彼が知らないことは、知る価値がないことと言って良いだろう。
今回は、ブリットンをキャッチしてウルトラランニングの始め方についてアドバイスを求めてみた。粘着テープの思いもよらない活用法から擦過傷の回避方法まで、長時間・長距離のランニングに役立つアドバイスの数々を紹介しよう。
01
最初から「自分には無理」と諦めない
ウルトラランニングに挑戦してみたいと思うのなら、まずはレースの参加登録をしてみましょう。ウルトラランニングには大きな偏見があり、超人的な能力が必要なスポーツに思われがちですが、そのようなことはありません! ウルトラランニングは誰でもできます。
たとえば、私たち全員が命を守るために100マイル(約160km)を走らなければならないとしたら、きっとできるはずです。楽ではないかもしれませんが、不可能ではありません。
02
自分に合ったペースを見つける
ウルトラランニングで重要なのは「速く走る」ではなく、「効率的に走る」です。ペースを落とさず、しっかりと補給をすることが重要になってきます。
速い・遅いは関係ありません。自分のペースを見つけましょう。誰にでも自分に合ったペースがあります。ウォーキング、イージージョグ、あるいはランとウォーキングを組み合わせても構いません。レースへの参加登録をしたあとでトレーニングを重ねていきましょう。
03
コミュニティに参加する
Facebookのウルトラランニング・コミュニティには1万8,000人を超えるユーザーが参加しています。質問を投稿すれば、多少の皮肉な返信が返ってくる場合もありますが、的確な返信もあります。誰に対しても友好的でオープンな、素晴らしいコミュニティです。
オススメのレースについて質問すれば、きっと誰かが教えてくれるでしょう。組織化されたグループではないですが、いつでも初心者を歓迎しています。
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04
魅力的なレースを見つける
海外の話になりますが、DUV Ultra Statisticsというドイツのウェブサイトがあり、そこではあらゆるリザルトやレースのリストが掲載されています。マウンテンレースにチャレンジしたいなら、Run the Alpsというウェブサイトが実に様々なマウンテンレースを紹介しています。多数のイベントを紹介しているRun 247というウェブサイトも非常に有用です。
05
段階的にトレーニングを重ねていく
段階的にトレーニングを進めるのは常に賢明な方法です。フルマラソンにチャレンジするなら、その前に5kmレースや10kmレース、ハーフマラソンを走りますよね? ウルトラマラソンでも同じです。
先入観に囚われないようにしましょう。きちんとトレーニングを重ねたあと、初レースを無事に終えたいなら、本番でランニングとウォーキングを組み合わせても問題ありません。ウルトラランニングに絶対的なルールはありません。トレーニングを積んできたなら本番でハードにプッシュしても身体はついてくるでしょう。しかし、怪我のリスクが高まります。
06
着実に経験を積む
実際に初めてウルトラマラソンにチャレンジするときは、身体面での準備だけでなく、経験を積んでおくことも重要になります。水分補給のタイミング、ペース管理、水ぶくれや擦過傷への対策、正しいギアのチョイスなどについて理解しておきましょう。これらは、10kmレースやハーフマラソン、あるいはフルマラソンで学習できるはずです。
07
失敗から学ぶ
私がウルトラランニングを始めた頃は、たくさんの失敗を経験しましたし、それらの失敗から多くを学びました。早く上達したいなら、周囲のランナーに相談して、彼らの意見に耳を傾けましょう。
トレーニングランは失敗がつきものなので、そこから学びましょう。経験豊富なウルトラランナーになるために最も重要なのは、ランの数ではなく、それらのランから学ぶことです。大きな失敗であるほど、多くの学びが得られるのです!
08
ギアは事前に必ず試しておく
レース当日になって新品のギアを身につけるのはNGです。擦過傷を起こす原因になります。乳首を交換することはできないので、ギアは必ず事前にテストしておきましょう。
私は、しばしば乳首に粘着テープを貼っています。剥がすときに一瞬の痛みがありますが、痛みが1時間続くよりましです。下半身に付けるものは特にですが、すべてのギアをテストしておきましょう。
擦過傷を起こした状態でのランニングは最悪です。ガニ股で走る羽目になりますし、筋肉がそのような走り方に慣れていないため、フォームが大きく崩れてしまいます。泣きたくなりますし、見た目も惨めです。
09
ランを小さな単位に分割する
自分ができる単位に分けて考えましょう。まず、スタートから最初の1kmで自分の状態を判断します。そのあとは次の2km、また次の3kmといった具合に進めていきます。チェックポイントやマイルストーン、自己ベストなどでランを区切っていきます。自分の最長走破距離を超えれば、そのあとはどれだけの距離を走ったとしても一歩進むごとに自己ベストになります。
苦しいときは、次のランプポストや木を目標にして走ったり、前を走っているランナーについていったりしましょう。私が24時間レース全体を意識することはありません。「1時間走るだけ」と言い聞かせています。たとえ疲れ切っていても、1時間なら走れると分かっているので、まず1時間を走り、それから次の1時間のことを考えるようにしています。
10
補給プランは綿密に
24時間レースでの私の補給ストラテジーは「1kmごとに食べ物を摂取する」です。自家製ライスケーキに様々なフルーツを混ぜています。人里離れた場所でのトレイルを走るなら、食べ物は自分で用意しておかなければなりません。私の場合は、ランナー用のスイーツやジェルを携行しています。
洗いざらい打ち明けておくと、レース後半では多くのランナーがエナジードリンクを活用しています。身体が食べ物を受け付けにくくなっていても、炭水化物は十分な量を摂取しておく必要があります。レッドブル エナジードリンク缶には水分とカフェインが含まれているので、ジェルと同様の効果があります。燃料を常に少しずつ補給しながら、前進を続けましょう。
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