Ryan Sandes is seen during a training and route scouting weekend in George, South Africa on April 29, 2023.
© Craig Kolesky/Red Bull Content Pool
ランニング

プロランナーが教える “ランニング上達テクニック 12選"

より力強く、より速く、より遠くへ走れるようになりたい人のためにレジェンドトレイルランナーのライアン・サンデスがランニングをネクストレベルに高める助けになるアドバイスを送ってくれた。
Written by Will Gray
読み終わるまで:5分Published on
ランナーは誰でも自分の調子が出てきたときの感覚を知っている。リズムに乗ってくれば自己ベストを更新できそうに思えてくるものだ。しかし、どうにもリズムが悪ければ、目の前に高い山がそびえていて、永遠に走り終わらないように思えてしまう。
優れたランニングテクニックを手に入れれば、調子の良し悪しに大きく振り回されることなくタイムを伸ばせる上にランニングをさらに楽しくできる。
では、そのようなテクニックにはどのようなものがあるのだろうか? ウルトラランナーのライアン・サンデスにアドバイスを授けてもらうことにした。
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01

考えすぎず、自然体で走る

ランニングは “自然体” であるべきです。つまり、自分の身体を効果的に動かして、全体の流れを作っていく方法を知っておく必要があります。私はベアフットランニングが理想的なランニングフォームを手に入れるのに役立つことに気が付きました。
リラックスしたフォームで走るフロリアン・ノイシュヴァンダー

リラックスしたフォームで走るフロリアン・ノイシュヴァンダー

© Klaus Listl/Red Bull Content Pool

他にもドリルやスプリントヒルリピート(坂をダッシュで駆け上がり、ジョグで坂の下まで戻るを繰り返すトレーニング)などを取り入れています。ですが、考えすぎないようにしてください。心拍数やテクニックを意識し過ぎているときは上手く行きません。
02

ストレングスを鍛える

ストレングストレーニング、つまり筋トレは優れたランナーになる助けになります。ですが、ジムに通い詰める必要はありません。ヒルリピートやスピードワークもストレングストレーニングの一環です。
ストレングストレーニングはフォームの改善に加えて怪我の予防にも効果的

ストレングストレーニングはフォームの改善に加えて怪我の予防にも効果的

© Markus Berger/Red Bull Content Pool

私はストレングストレーニングを増やして、ランニングを減らすことで自分を伸ばせていますので、皆さんも自分なりにバランスを取るようにしてください。また、ストレングストレーニングを取り入れればフィジカルが強くなり、怪我をしにくくなります。
03

一貫性を持たせる

一貫性はランニングにとって非常に重要です。怪我をすることなくトレーニングを続けることができれば大きな助けになります。
森の中を走るライアン・サンデス

森の中を走るライアン・サンデス

© Corinna Halloran/ Red Bull Content Pool

また、トレーニングを上手く配分するようにしてください。かなりの距離を走るランを週2回行う必要はありません。その代わりに短めのランを週4回組んで一貫性を高める方が良いでしょう。
04

効率良く走る

効率良く走れるようになれば、パフォーマンスが高まります。より少ないエナジーで走れるようになることが何よりも重要です。
テーブルマウンテンを走るライアン・サンデス

テーブルマウンテンを走るライアン・サンデス

© Craig Kolesky/Red Bull Content Pool

05

オーバートレーニングに注意して休息を取る

オーバートレーニングは厄介な問題です。ウルトラランニングでは特にそうですね。なぜなら、ウルトラランナーは頑固で、成長のために徹底的に追い込む性格の人が多いからです。
定期的に休息することも重要

定期的に休息することも重要

© Craig Kolesky/Red Bull Content Pool

また、最初にある程度成長したあと停滞を感じてしまい、さらに成長するために距離を延ばそうとするランナーが多いですが、これがオーバートレーニングを引き起こして身体にダメージを加えてしまう可能性があります。適度に休息を取ってリカバリーしましょう。
06

筋肉の可動性を高める

市民ランナーの多くは日常生活の中に走る時間を確保するのに苦労しているので、ウォームアップに15分も費やしたくないと考えがちですが、ランニング前に可動性を高めるドリルを行うことは非常に重要です。
ウォームアップにストレッチを取り入れて身体に刺激を入れよう

ウォームアップにストレッチを取り入れて身体に刺激を入れよう

© Markus Berger/Red Bull Content Pool

私はヒップエアプレーンを行っています。なぜなら、臀部が硬くなることが多いからです。あとはベイビーゲットアップシングルレッグ・ヒップスイング(レッグスイング)も行って筋肉に刺激を入れています。こうすることでランニングのテクニックが向上します。
07

登坂ではストライドを狭く

急峻な上り坂ではストライドを狭くしつつケイデンスを高めて、なるべく “軽く” 走れるようにしましょう。ストライドを大きくしてパワフルに登ろうとすると脚が疲労してしまうので、コンパクトなフォームで登れるように練習してください。
上りでストライドを狭めれば脚と肺を休ませることができる

上りでストライドを狭めれば脚と肺を休ませることができる

© Wayne Reiche/Red Bull Content Pool

富士山を下る上田瑠偉

富士山を下る上田瑠偉

© Suguru Saito/Red Bull Content Pool

08

下りでは先を見る

下り坂では頭を上げて足元を見ないようにしてください。スピードに合わせて2.5〜5メートル先を見るようにしてください。人間の脳は非常に優秀なので、先に待っている路面に合わせて自分を調整してくれます。
結果、先を見るようにすればスピードが高まりますし、ランニングフォームも向上します。また、怪我も防げるようになります。
下り坂では前を見る

下り坂では前を見る

© Craig Kolesky/Red Bull Content Pool

09

ウォームアップに呼吸を取り入れる

ランニングを始める前に呼吸法を取り入れるようにしてください。リラックスできますし、ランニング中の呼吸も正しくなります。
私は走っているときも呼吸を意識しています。効果的に走るためにはリラックスする必要があるからです。
10

ストライドを確認する

足が尻の真下に着地させながら走ることが非常に重要です。着地が前過ぎるとオーバーストライドになります。自分の重心より前に足を置くことになるのでバランスが崩れ、スピードが落ちてしまいます。
フロリアン・ノイシュヴァンダーの美しいストライド

フロリアン・ノイシュヴァンダーの美しいストライド

© Jan Malte Neuhaus/Red Bull Content Pool

11

両腕を振り続ける

両腕を前後にまっすぐ振るようにしましょう。直線で前後に振り続けます。腕が自分の胸の前に出てしまうような斜めの振り方はNGです。まっすぐ触れるようになれば肩がリラックスしますし、ランニングフォームが向上します。
力強く両腕をまっすぐ振り続けよう

力強く両腕をまっすぐ振り続けよう

© Marcelo Maragni/Red Bull Content Pool

大きく振るのを好む人がいる一方、大きく振って体力が奪われることを警戒する人もいますが、私は両腕をしっかり振ることが重要だと思っています。急峻な上り坂では特にそうですね。
12

ハイクの練習もする

トレイルランニングやウルトラランニングでは “ラン” と同じくらいパワフルで効果的な “パワーハイク” ができるようになることが重要です。ハイクはランとは異なる筋肉群を使用するので、しっかり練習しておくことが効果的です。
手を膝のすぐ上に置き、上半身もフォームの一部にすることが何よりも重要です。トレーニングがランだけで構成されていると、トレイルレースやウルトラマラソンのパワーハイクが必要な急斜面セクションで疲労が蓄積してしまいます。
膝上に手を置くパワーハイクのフォーム

膝上に手を置くパワーハイクのフォーム

© Craig Kolesky/Red Bull Content Pool

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