ラリーレイド

【ダカール・ラリー2020】全カテゴリー最終結果

© Eric Vargiolu / DPPI / Red Bull Content Pool
初の中東開催となったダカール・ラリー2020で過酷な砂漠を制した各部門のウィナーと最終結果をチェック!
Written by James W Roberts公開日:

【4輪】カルロス・サインツが通算3回目のダカール総合優勝を達成

ステージ10で再びリードを広げたサインツ
ステージ10で再びリードを広げたサインツ
初日から本当に僅差のレースで、最後までプッシュしなければならなかった。常に全力を出す必要があったので難しかった。極めてタフなバトルだっただけに優勝の喜びもひとしおだ。また、すべての優勝を異なるマシンで成し遂げたことを大きな誇りに思っている
カルロス・サインツ

ダカール・ラリー2020:4輪部門最終結果

順位ドライバータイム(2位以下は首位とのタイム差)
優勝カルロス・サインツ(スペイン)42時間59分17秒
2位ナサール・アルアティヤ(カタール)+6分21秒
3位ステファン・ペテランセル(フランス)+9分58秒
4位ヤジード・アルラジ(サウジアラビア)+49分10秒
5位ジニール・ドゥビリエ(南アフリカ)+1時間7分9秒
4輪部門では、誰もが認めるダカールレジェンドたちによる三つ巴の優勝争いが展開された。ダカール合計17勝を誇るトップ3がサウジアラビアの砂漠を舞台に約2週間の緊迫バトルを続けた。
最終結果は優勝カルロス・サインツ、2位ナサール・アルアティヤ、3位ステファン・ペテランセルとなったが、最終ステージ前の3人のタイム差はわずか10分強だった。
ステージ3で総合首位に立ったあと、終盤ステージ9のタイヤトラブルで5分ロスしたにもかかわらずゴールのキッディヤまで首位を守り抜いて総合優勝を決めたのはX-Raidミニを駆るカルロス・サインツ&ルーカス・クルス組だった。
ステージ優勝を4回記録したサインツ組は、2012年から2015年までの4連覇以来となる総合優勝をミニにもたらした。
ステージ11終了時、2位アルアティヤ(2019年ウィナー)と3位ペテランセルのタイム差は6秒まで縮まっていたが、ステージ12でアルアティヤがペテランセルを引き離して総合2位の座を確実にすると同時に最終日で初のステージ優勝を決めた。
トップ3による激しい優勝争い以外にも、様々なコンペティターたちが各所で印象的なパフォーマンスを見せた。開催地サウジアラビア出身でトヨタをドライブするヤジード・アルラジはラリーを通じて上位を維持し、自己ベストとなる総合4位を獲得した。
ミニから参戦したルーキーのヴァイドタス・ザラは自身初のステージ優勝を飾り、センチュリー製のバギーをドライブしたマシュー・セラドリも総合8位と健闘した。
また、今回がダカール・ラリー初挑戦となった元F1ドライバーのフェルナンド・アロンソは最終的に首位から約4時間半遅れの総合13位で完走した。

【2輪】ホンダのリッキー・ブラベックがKTMの連覇記録を止める / トビー・プライスが3位表彰台

優勝こそ逃したが、いち早くゴンサルベスの救護にあたったプライスの行動は讃えられるべき
優勝こそ逃したが、いち早くゴンサルベスの救護にあたったプライスの行動は讃えられるべき
僕は完走したすべてのダカールで表彰台に立ってきた。とりあえずこの記録は継続できたね。2021年のダカールに向けて気持ちを切り替えていくよ。またここに戻ってきて#1プレートを取り返したい
トビー・プライス

ダカール・ラリー2020:2輪部門最終結果

順位ライダータイム(2位以下は首位とのタイム差)
優勝リッキー・ブラベック(米国)40時間2分36秒
2位パブロ・クインタニラ(チリ)+16分26秒
3位トビー・プライス(オーストラリア)+24分6秒
4位ホセ・イグナシオ・コルネホ(チリ)+31分43秒
5位マティアス・ウォークナー(オーストリア)+29分53秒
KTMトビー・プライスサム・サンダーランドはダカール・ラリー2020で力強いスタートを見せ、プライスが初日のステージ1を制したあと、2日目のステージ2ではサンダーランドがステージ優勝を飾った。
しかし、ステージ3で序盤から好調を見せていたリッキー・ブラベック(ホンダ)がステージ優勝を飾ると、ここから総合首位をキープした。
5回目のダカール挑戦だったブラベックは終始優勢にラリーを進め、ステージ1以外の全ステージでトップ5フィニッシュを記録して総合首位を守り続けた。
1月17日(金曜日)の最終ステージを迎える時点で、2位パブロ・クインタニラに約14分のタイム差をつけていたブラベックは同ステージを2位で終えて総合優勝を決めた。
2017年ウィナーのサンダーランドがステージ5の187km地点で大きく転倒して背中と肩を痛め、エイドリアン・ファン・ベヴェレン(ヤマハ)とハビエル・デ・ソルトレート(ヤマハ)に次ぐリタイアを強いられたあと、KTM勢の反撃はプライスとマティアス・ウォークナーに託された。
最終的にプライスは首位から24分差の総合3位でダカール・ラリー2020を終えた。前年ウィナーで通算2勝を記録しているプライスは、完走したダカール・ラリーすべてでトップ3フィニッシュという印象的な記録を継続した。
チームメイトのウォークナーはホセ・イグナシオ・コルネホと熾烈なバトルを展開したが、最終ステージでコルネホに敗れて総合5位に終わった。
ダカール・ラリー2020はインシデントと無縁ではなかった。1月12日(日曜日)に開催されたステージ7で、ポルトガル人ライダーのパウロ・ゴンサルベスが全長546kmのワディ〜アル-ダワシル間を走行中に転倒・死亡したのだ。
13回目のダカールに挑んでいた40歳のゴンサルベスは276km地点で転倒して心停止に陥り、救急隊到着時には意識を失っていた。ゴンサルベスはドクターヘリでレイラ病院へ搬送されたが、その後死亡が確認された。
ゴンサルベスへ哀悼の意を表するため、2輪およびクアッド部門のステージ8はキャンセルとなった。

【SSV】ケーシー・カリーが総合優勝 レッドブル・オフロードチームUSAが活躍

ステージ10で優勝したガスリーJr.(レッドブル・オフロードチームUSA)
ステージ10で優勝したガスリーJr.(レッドブル・オフロードチームUSA)
このラリーで自分たちが望む位置へ到達するためにはやらなければならない仕事がまだ多く残っているけれど、今回はポジティブな進歩が数多く確認できた。2週目にはステージ優勝できる力があることを示せたし、今後のレースに向けて多くを学ぶことができた
ブレード・ヒルデブランド

ダカール・ラリー2020:SSV部門最終結果

順位ドライバータイム(2位以下は首位とのタイム差)
優勝ケーシー・カリー(米国)53時間25分52秒
2位セルゲイ・カリアキン(ロシア)+39分12秒
3位フランシスコ・ロペス(チリ)+52分36秒
4位コンラッド・ローテンバッハ(南アフリカ)+1時間12分19秒
5位ホセ・ロペス(スペイン)+1時間20分38秒
SSV(サイドバイサイド・ビークル)部門の総合優勝争いはダカール・ラリー2020のハイライトのひとつになった。前半6ステージで総合首位が5度も入れ替わる激しい展開となったが、最後は2度目のダカール挑戦だった米国人のケーシー・カリーが主導権を握って総合優勝を果たした。
1週目はチリ出身のフランシスコ・ロペスも総合優勝争いに絡むことが予想されていたが、2019年ウィナーはナビゲーションのトラブルに見舞われてタイムをロスしてしまった。
特にステージ7では1時間近くもルートを見失ってしまい、総合3位に転落。ロペスに代わってロシア人のセルゲイ・カリアキンが総合2位に浮上すると、ロペスはそのまま総合3位でフィニッシュした。
SSV部門でおそらく最も印象的な活躍を見せたのがレッドブル・オフロードチームUSAで、特に目立ったのがブレード・ヒルデブランドミッチ・ガスリーJr.の若手米国人コンビだった。この2人にダカールレジェンドのシリル・デプレを加えたチームドライバー3人は揃ってステージ優勝を記録した。
ガスリーJr.とヒルデブランドがそれぞれステージ優勝を3回記録し、チームのコーチ役だったデプレもステージ優勝1回を記録したが、マシンの信頼性がチームのアキレス腱になり、まずデプレがリタイアを強いられた。
デプレはダカール・エクスペリエンス・ルールによって総合順位に関係ない再スタートが認められたが、最終的にはエンジンをガスリーJr.に譲った。
ガスリーJr.とヒルデブランドもラリー終盤をダカール・エクスペリエンス・ルール下で戦うことになったが、目覚ましいペースを発揮して複数のステージで1-2フィニッシュを記録した。

【クアッド】イグナシオ・カザルが通算3回目のクアッド部門制覇

ステージ10での大幅なタイムロスもカザルの総合優勝を阻むことはなかった
ステージ10での大幅なタイムロスもカザルの総合優勝を阻むことはなかった
2週目にいくつかトラブルがあったが、できる限りの形で解決した。メカニックたちと共に1年を通じて努力を積み重ねてきた。今ようやく勝利を祝える。ありがとう! チリ万歳!
イグナシオ・カザル

ダカール・ラリー2020:クアッド部門最終結果

順位ライダータイム(2位以下は首位とのタイム差)
優勝イグナシオ・カザル(チリ)52時間4分39秒
2位シモン・ヴィツェ(フランス)+18分24秒
3位ラファル・ソニック(ポーランド)+1時間4分15秒
4位マニュエル・アンドゥハル(アルゼンチン)+3時間30分16秒
5位カミル・ヴィシニェフスキ(ポーランド)+4時間38分53秒
ステージ10でルートを完全に見失ったが、それでもイグナシオ・カザルの3度目のダカール制覇への走りが止まることはなかった。
ステージ9まではすべてカザルが制し、2位シモン・ヴィツェに44分以上もの大差をつけたが、距離が短縮されたステージ10の524kmマラソンステージ(ハラド〜シュバイタ)の中盤、カザルは大幅にタイムをロスし、残り2ステージでリードは16分まで縮まった。
しかし、カザルはここから立て直し、最終日ステージ12を迎えるまでに2位との差を20分に拡大。最終ステージを堅実な走りで4位で追え、通算3回目の総合優勝を手にした。

【トラック】カマズの表彰台独占をMAZが阻止

カマズにダカール17連覇をもたらしたカルギノフ
カマズにダカール17連覇をもたらしたカルギノフ
ダカールのトラック部門ナンバーワンはカマズだということを確実にしつつ、新開催地で我々のマシンが持つアドバンテージを示すことが重要だった。チームがまた優勝してロシアと世界のファンを喜ばせることができて嬉しい
アンドレイ・カルギノフ

ダカール・ラリー2020:トラック部門最終結果

順位ドライバータイム(2位以下は首位とのタイム差)
優勝アンドレイ・カルギノフ(ロシア)46時間33分36秒
2位アントン・シバロフ(ロシア)+42分26秒
3位シアルヘイ・ヴィアゾヴィチ(ベラルーシ)+2時間4分42秒
4位ディミトリ・ソトニコフ(ロシア)+2時間55分28秒
5位マルティン・マシク(チェコ)+3時間28分8秒
ダカールきっての迫力を誇るトラック部門では、アンドレイ・カルギノフが自身2回目の総合優勝を飾り、カマズのダカール連覇記録を17に伸ばしたが、ロシア最強トラックチームはサウジアラビアの砂漠のすべてをコントロールできたわけではなかった。
最終的には優勝を手にしたカルギノフだが、総合首位を奪えたのはステージ4に入ってからだった。それまではベラルーシのMAZを駆るシアルヘイ・ヴィアゾヴィチがリードし、2019年ウィナーのエドゥアルド・ニコラエフと2019年2位のディミトリ・ソトニコフは1週目に優勝争いから脱落した。
ステージ3で岩にヒットして修復に2時間を費やしたことでソトニコフの総合優勝の可能性が事実上消え、ニコラエフもステージ5走行中にエンジントラブルに見舞われて立ち往生したまま一夜を過ごす不運に見舞われてダカール4連覇の夢を失った。
ラリー終盤はカルギノフ / ソトニコフ / シバロフの砂丘バトルが確認できたが、カルギノフの総合優勝が揺るぐことはなく、カルギノフはシバロフに42分以上の差をつけてフィニッシュした。
2週間を通してスムーズで安定したドライビングを見せたヴィアゾヴィチが3位に食い込み、カマズ勢の表彰台独占を阻止した。