ラウドロック好きにオススメしたいアイドル5選
© Red Bull Music
ミュージック

ラウドロック好きにオススメしたいアイドル5選

ロックとのクロスオーバーも増えつつある現在のアイドルシーンにおいて、ラウドロックファンにもアピールするであろうアイドル5組を紹介
Written by 西廣智一
読み終わるまで:6分公開日:
2010年代に入ってから、急激にシーンの拡大が加速し続けている日本のアイドル。AKB48が“国民的アイドル”と呼ばれるようになってからは、ももいろクローバーZがサブカルシーンのみならず一般層からも支持を集めるようになり、90年代末からメンバーを変えつつ活動を継続するモーニング娘。(現・モーニング娘。'17)はEDMサウンドやフォーメーションダンスを導入して再注目。最近では“成長期限定ユニット”さくら学院から派生したBABYMETALが世界的規模で大成功を収め、欅坂46がデビューから8ヶ月でNHK紅白歌合戦に初出場を果たすなど、話題に事欠かない状況だ。
もちろん、こういったトップアイドルだけではなく、メジャーシーンには“ポスト○○”と呼ばれるアイドルは多数いるし、小規模のライブハウスでは連日のようにライブを続けて“上”を目指そうとする“地下アイドル”も数百と存在し、それぞれネクストブレイクを狙っている。
また、特に最近はロックシーンとアイドルシーンがクロスオーバーする機会が格段に増え、ライブイベントやフェスでの共演のみならず、ロック系アーティストのアイドルへの楽曲提供やコラボレーションすら当たり前になりつつある。こうしたきっかけを経て、もともとアイドルに興味がなかったロックファンがアイドル現場に足を運ぶようになった、なんて声もよく耳にする。
と同時に、そんな現在の“波”に乗り遅れたり、「アイドルなんて」と毛嫌いするロックリスナーも少なからず存在するのも事実だ。そこで今回は上記に挙げたトップグループ以外で、かつメジャー/インディー/地下問わず、筆者の独断で「ラウドロック好きにオススメしたいアイドル」を5組ピックアップし、いかにラウドロックファンでも接しやすい存在かを紹介していきたい。

①ベイビーレイズJAPAN(べいびーれいずじゃぱん)

もともとは2012年、「ベイビーレイズ」の名で結成された5人組グループ。2015年より現在のベイビーレイズJAPANに改名し、「EMOTIONAL IDOROCK」テーマに掲げたエモ色の強い楽曲を次々に発表している。そもそもデビューシングル『ベイビーレイズ』(2012年9月発売)の時点で、SEX MACHINGUNSのANCHANGや會田茂一らが制作に携わった楽曲を収録。これまでにBACK DROP BOMB、Dragon Ash、FoZZtone、GOING UNDER GROUND、HAWAIIAN6、Hi-STANDARD、locofrank、PAN、SABOTEN、SNAIL RUMP、TOTALFAT、Wienners、赤い公園、鶴、怒髪天、ニューロティカなどのメンバーが楽曲提供およびレコーディングに参加している。

②五五七二三二〇(ごー・ごー・なな・にー・さん・にー・れー)

日清シスコのお菓子「ココナッツサブレ」の発売を記念して、2015年に結成された8人組パフォーマンスユニット……という設定だが、実はその正体は人気アイドルグループ・私立恵比寿中学。デビュー作となった「半世紀優等生」ではギター5人、ドラム3人という変則的なバンド編成でパフォーマンスを披露して話題をさらった。
ちなみに同曲のコンポーザーはRIZEのベーシストKenKen。その後もエビ中の活動と並行して、不定期に五五七二三二〇の楽曲を発表。昨年10月には、4つの異なる曲を同時に再生すると別の新たな楽曲「四味一体」になるという仕掛けで音楽界を騒然とさせた。ちなみに各曲にはRYO the SKYWALKER、U-zhaan、banvox、HIFANA&ベンチャーズという個性バラバラの面々が楽曲提供もしくは演奏で参加している。

③The Idol Formerly Known As LADYBABY(じ・あいどる・ふぉーまりー・のうん・あず・れでぃべいびー)

2015年、「ミスiD2015」出身の金子理江と黒宮れい、そしてオーストラリア出身の女装パフォーマー・レディビアードの3人で「LADYBABY」の名で結成。「全てのボーダーを超越し、あらゆるカルチャーを継承、破壊、そして創造する、新感覚エンターテイメントグループ」というコンセプトを持ち、当初はエッジの効いたラウンドロックサウンドに女性メンバー2人の可愛らしいボーカル、レディビアードによるデスボイスをフィーチャーした新たなジャンル「Kawaii-Death(カワイイデス)」を武器に活動していた。
2016年春からの充電期間を経て、レディビアード脱退と同時に「The Idol Formerly Known As LADYBABY(かつてLADYBABYとして知られたアイドル)」と改名。コンセプトやサウンドはそのままに昨年11月、『参拝!御朱印girl☆』でメジャーデビューを果たしたばかりだ。

④PassCode(ぱすこーど)

2014年に結成された大阪発の4人組アイドルグループ。バンドサウンドを軸に、ラウドロックやEDM、果てはプログレまでさまざまなジャンルを融合せた独創的なサウンドが特徴で、メンバーのシャウト・スクリームが曲中随所にフィーチャーされている。
インディーズ時代から赤坂BLITZやZepp DiverCity TOKYOなど大型ライブハウスでの単独公演も経験。ライブでは“ハッカー”と呼ばれるファンのアグレッシヴなノリも醍醐味のひとつ。昨年10月、シングル『MISS UNLIMITED』で待望のメジャーデビューを果たしたばかり。その後行われた全国ツアーではKid'z(MY FIRST STORY)、VAVA(キバオブアキバ)、Toshihiro(元my-Butterfly)、KENT(元LOTH)などそうそうたる面々がバンドメンバーとして参加した。

⑤絶叫する60度(ぜっきょうするろくじゅうど)

今回紹介する5組の中では唯一、現在もインディーズで活動する名古屋発の2人組覆面ユニット。2015年からは謎の覆面メロコアカバーバンド・6% is MINEとともに「絶叫する60度 with 6% is MINE」名義で、作品発表やライブ活動を度々行っている。
アイドルファンの間では年間200本前後ものライブ活動を行っていることでも知られ、公式Twitterアカウントでの、日付と地名、会場名がずらりと並ぶ最新ライブスケジュールには「どこのライブバンドだよ!?」と即座にツッコミを入れたくなるほど。パンキッシュかつエモ色の強いサウンドと闇を抱えながらも前を見据える歌詞がライブハウスという環境に非常にマッチし、一度観た者を確実にリピーターへと巻き込んでいる。
.

【ラウドロック好きならコレも読んでほしい】