Gaming
ラリークロスを知らない日本人は少なくないだろう。米国で知られるようになったのもここ10年ほどの話だ。
しかし、ラリークロスはヨーロッパ、特にスウェーデン、ノルウェー、英国では昔から親しまれてきたモータースポーツカテゴリーのひとつだ。
1967年に英国・ケントのリッデン・ヒル・レースサーキット(Lydden Hill Race Circuit)で誕生したラリークロスは、3~6台のマシンが短距離のクローズドコースを同時に周回するヒートを重ねていくレースフォーマットが採用されており、ターマックとダートを組み合わせたハイブリッドなコース上でハイスピード&ハイリスクなバトルが決勝まで次々と展開される。
『Dirt Rally 2.0』はFIA世界ラリークロス選手権公式レーシングゲームで、この選手権を管理・運営するFIA(Fédération Internationale de l’Automobile / 国際自動車連盟)は、F1や世界耐久選手権を管理・運営していることで世界的に有名だ。
『Dirt Rally 2.0』のゲームプレイは、FIAの目指しているラリークロスが細部まで表現されており、限りなく現実に近いゲームに仕上がっている。そのクオリティは、ビデオゲームというよりはシミュレーターに近い。
尚、『Dirt Rally 2.0』にはラリークロスの4クラス(RX2 / RX Super 1600 / RX Crosskart / Supercar)と、2018シーズンで使用されたメテ(ベルギー)、トロワリヴィエール(カナダ)、シルバーストン(英国)、ロエアック・ブルターニュ(フランス)、ヘル(ノルウェー)、モンタレーグレ(ポルトガル)、カタロニア・サーキット(スペイン)、ヘリェス(スウェーデン)の計8レーストラックが収録されている。
実際の2018シーズンは12戦が開催されたことを受けて、開発したCodemastersがDLCで全レーストラックをカバーしたいと発言していること、また、前作『Dirt Rally』のラリークロス用レーストラックはたった3種類しかなかったことを踏まえると、『Dirt Rally 2.0』は、ラリークロスを「息抜きモード」ではなく「優先モード」としてプッシュしていることが理解できる。
しかし、『Dirt Rally 2.0』は優しいゲームではない。チュートリアルもガイダンスもない。カジュアルなレーシングゲームファンにとって、『Dirt Rally 2.0』は強迫的で骨の折れるゲームになる可能性が高いのだ。
そこで、今回は初心者でもラリークロスを楽しめるようにいくつかのヒントを用意した。
1:AIと張り合わない
ラリークロスの魅力のひとつは弱肉強食のポジション争いだ。スタート直後は特に激しい。しかし、ラリークロス初心者ならAIとのポジション争いは避けるべきだ。
AIマシンはポジションを取るのが上手く、少し当てようとすれば、弾き返されてウォールに激突するのがオチだ。そうなってしまえば、もはや勝ち目はない。
また、予選ではライバルに勝利するよりも自分のタイムの方が重要だ。コーナーをしっかりと周り、機敏な走りで安定したレース運びをすることを意識しよう。
自分のドライビングに集中することが全体のパフォーマンスの向上に繋がってくる。
2:サスペンションを下げる
レース前に《チューニング》に入り、《スプリング》を調整しよう。ここでの目的は、マシンのハンドリング性能を向上させることにある。
まず、フロントとリアの《車高》を「ロー」側に下げて、マシンの重心を低くしよう。それだけ安定したドライビングができるようになる。《スプリングレート》と《アンチロールバー》を「ハード」側に設定することもマシンの安定性を高める助けになる。
尚、フロントとローの値を揃えることを忘れないようにしよう。フロントとリアで車高が違えば、マシンのバランスが崩れて、クラッシュする確率が高くなってしまう。
3:カメラを切り替える
レーシングゲームでは、前方を走るライバルマシンたちに視界を遮られない状態で走るのがベストだ。
ファーストパーソン視点はリアリズムが楽しめるが、視界的にはベストとは言えない。前方を走るライバルマシンが巻き上げた砂埃や泥がフロントガラスに付着するため視界が狭くなり、ドライビングはより難しくなる。激しいレースではワイパーもそこまで役に立たない。
『Dirt Rally 2.0』のデフォルトはファーストパーソンだが、慣れるまではサードパーソンにカメラを切り替えても良いだろう。カメラ切り替えボタンで自分に合った視点を選んでみよう。
サードパーソンのような広い視界が確保できれば、その分だけパフォーマンスが向上するはずだ。自分の後ろやサイドのライバルマシンも確認できるので、ブロックもしやすくなる。
サードパーソン視点の欠点は「リアリズムが低下してしまうこと」と「入力とマシンの挙動のバランスが1:1ではなくなってしまうこと」にある。しかし、その代わりにドライビングが楽しめるので初心者にはフェアな取り引きと言えるだろう。
4:ギア比を調整する
これも《チューニング》から調整できる。《ギア》のギア1からギア6までは徐々に「短い」から「長い」に設定されているべきだが、ギア間の差は短めに設定して、最高速よりも加速を重視しておきたい。
第一、ラリークロスのレーストラックはツイスティなので、トップスピードに達することはほぼない。最も重要なのは、コーナーリングでのリカバリーなのだが、ギア比を短くしておけば、その助けになる。
5:ジョーカーラップはなるべく最後に通る
ラリークロスには「ジョーカーラップ」と呼ばれるラップが存在する。
ジョーカーラップは、レーストラックから分岐して少し遠目に回り、再びレーストラックに合流するラップのことだ。ドライバーは任意のタイミングでジョーカーラップを走れるので、タイミングの見極めが勝負を分ける。
スタートから遅れを取ってしまい、早々に文字通りライバルマシンの「後塵を拝している」なら、早めにジョーカーラップを走ろう。ジョーカーラップに入れば視界をクリーンに整えることができる。
早めに入れば、その分だけさらに遅れを取ることになるが、ライバルマシンもあとでジョーカーラップを通らなければならないので、そのタイミングで差を詰めることができる。
では、逆にリードしている時はどうすれば良いのだろうか? リードしている時は、なるべく遅いタイミングでジョーカーラップを通るようにしよう。最終ラップが理想だ。
最終ラップまでにリードを広げておけば、ジョーカーラップを通ってもリードを失わないだろう。
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