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数字で見る『GTAオンライン』

Rockstar Gamesが生み出したマルチプレイヤーモードは史上最大の “強盗ミッション” なのかも知れない…。
Written by Ben Sillis
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『GTAオンライン』の秘密

© Rockstar Games

ゲーム機2世代にまたがる3年半以上に渡って人気タイトルの地位をキープしている『GTA V』がモンスタータイトルだということは疑いようのない事実だ。ここまで人気が長く続くタイムレスなオープンワールドアクションゲームを生み出せたデベロッパーはRockstar Gamesを除いて存在しない。「話題の最新作」に疲れたPC、PS、Xboxのプレイヤーが強盗ミッションやレースを楽しむために戻ってくるゲーム、それが『GTA V』なのだ。
もちろん、その高い人気の理由は、リリース時には備わっていなかったマルチプレイヤーモード『GTAオンライン』にある。『GTAオンライン』が実装されて以来、このモードは多くのプレイヤーの中で『GTA V』の “センター” に成長している。素晴らしいシングルプレイヤーキャンペーンとDLCの追加ストーリーへの期待はもはや遠い彼方へ消え去ってしまったが、それは仕方のない話だ。『GTAオンライン』に新機能やモードの追加、またはイベントの実行を積極的に行うことで、Rockstar Gamesは造幣局のように金を生み出すシステムを構築しており、毎週約1,350万ドル(約15億円)の収入を得ていた時もあったと伝えられている。
では、『GTAオンライン』の実際の規模はどれだけ巨大なのだろうか? 今回は、Cunning Stuntsの最新データを元に、このモードの規模を数字と共に探っていく。

7億ドル

Rockstar Gamesが『GTA V』を介して1年間(2015年夏から2016年夏)でどれだけの利益を得たのか。収支報告で発表されたのがこの7億ドル(約777億円)というとんでもない数字だ。これはつまり、毎月5,800万ドル(約64億円)、毎週約15億円を儲けていたという計算になる。
もちろん、この数字には『GTA V』本体の売上も含まれているはずだが、それ以外の大半は『GTAオンライン』の課金によって生み出されたものだ(2016年4月、Rockstar Gamesは『GTAオンライン』の課金で5億ドル / 約555億円の収益を得たと発表していた)。
『Pokémon Go』の2016年の収益(10億ドル / 約1,100億円)に比べると大したことはないのかも知れないが、『Pokémon Go』は基本無料のモバイルアプリの新作であり、リリースから3年が経過しており、しかも製品版を買わなければプレイできない『GTAオンライン』とは違う。
 

課金で利益を上げている『GTAオンライン』

© Rockstar Games

90,074人

2017年3月までに記録されたSteam上の『GTAオンライン』プレイヤーの瞬間最多人数。『GTAオンライン』がPC・PS4・Xbox One・Xbox 360・PS3と5種類のプラットフォームでプレイできることを踏まえると、Steam単体でのこの数字からは、このゲームのコミュニティがいかに巨大なのかが見えてくる。
他の言い方をすれば、スタジアム2DAYS分のプレイヤーが同時に『GTAオンライン』をプレイしていた、もしくはロスサントスで生活をしていたということになる。
しかも、Steam Chartsのデータを見ると、『GTAオンライン』のプレイヤー数は2年前よりも増えていることが分かる。驚くしかない。

483日

プレイヤーRAMZKILLAが『GTAオンライン』をプレイした総時間(GTA Stats調べ)。別の言い方をすれば、彼は16ヶ月連続でプレイをしていたということになるわけだが、『GTAオンライン』がリリースされてからまだ43ヶ月しか経過していないことを踏まえると、これは驚きの数字と言えるだろう。この数字に睡眠、食事、仕事の時間を加えると残りは微々たるものだ。『GTAオンライン』はもはや単純な息抜きや趣味ではなく、ひとつの生き方だということが見えてくる。
 

これだけのカークレクションを揃えるにはいくら必要?

© Rockstar Games

1.4兆ドル

『GTAオンライン』は余りにも巨大なゲームなため、ゲーム内に新興財閥が存在する。そう、この数字はあるひとりのプレイヤーの最高所持金額で(GTA Stats調べ)、1.4兆ドルは日本円で言えば、約155兆円ということになる。この金額があれば、Pegassi Osiris(ゲーム内価格195万ドル)が717,948台、もしくは(虫の居所が悪い場合は)Ammu-Nationで9300万台のミニガンが購入できる。

3,380万人

『GTAオンライン』にログインした述べプレイヤー数(Rockstar Games調べ)。これはカナダ総人口(3,600万人)とほぼ同数だ。老いも若きも問わないほぼ全てのカナダ国民が『GTAオンライン』をプレイした経験があるとしたら…。
また、Rockstar Gamesは、これまでに3,700万組のクルーが作成され、59億個のミッションがプレイされたというデータも公表している。驚くべきはこのデータが2014年のものだということだ。つまり、ここ2年半にプレイを始めたプレイヤーを含めれば、この数字は更に跳ね上がることになる。尚、『GTA V』の製品版は全世界で7,000万本以上売れているので、その4分の3が『GTAオンライン』をプレイしていると仮定すると、現時点のプレイヤー数は5,200万人以上ということになる。
 

3,000万人以上のプレイヤー数を誇る

© Rockstar Games

224カ国

『GTAオンライン』にログインしたプレイヤーの所在国(Rockstar調べ)。国連加盟国が193カ国なので、これは驚きの数字だ。おそらく、Rockstar Gamesはこのデータ内の「国」をかなり広く定義しているはずだが、それでもこの数字を見れば、このゲームが世界的な現象だということが理解できるはずだ。