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ダンス

永久不滅のジャングルクラシック ベスト7

ジャングルは英国独自の音楽的土壌とアーメンブレイクの出会いが生んだ最強のダンスミュージックだ。今も輝きを失わないオールドスクールジャングルのクラシック7曲を紹介する。
Written by Ben Murphy
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ジャングルは、1990年代に入って急速に発展した英国のダンスシーンの多様な音楽的要素をラフにブレンドして生まれた音楽だった。UKハードコアに由来するブレイクビーツから影響を受けながら、カリブ系移民のトラディショナルなサウンドシステムカルチャーを引き継ぎ、重厚なサブベースやデジタルなダブエフェクト、ワイルドにミックスされたサンプリング、そしてダンスホールスタイルのMCを加えることでこの活力に溢れるジャンルが生まれたのだ。
ジャマイカ由来の音楽的遺産を感じさせつつも未来的だったこの高速ビートにより、ジャングルは独自のジャンルとして成立していき、精緻なドラムエディットで知られたRemarcをはじめ、多くのプロデューサーがサンプリングという技法をさらなる高みに押し上げていった。古くから定番のヒップホップブレイクとして知られたThe Winstons「Amen Brother」は160BPMの高速ブレイクビーツへと生まれ変わり、メタリックで混沌としたサウンドを作り出した。ブレイクビーツやシンコペーションしたループは、目眩がするほどポリリズミックなグルーヴを形成していった。
1994年から1996年にかけて、SplashやRude Bwoy Monty、Rebel MC(aka Blackstar)などのプロデューサーと、Kenny Ken、Mickey Finn、Jumpin Jack Frost、RandallなどのジャングルDJたちがダンスミュージックの新たな地平を切り開いた。やがてジャングルのカット&ペースト的サンプリング手法を取り込んだドラムンベースが大きく発展し、ジャングルもその中のサブジャンルとして取り込まれることになるのだが、新世代のプロデューサーたちが回帰する動きも見られるジャングルは今も生き続けている。
これらの事実を踏まえつつ、今回は珠玉のジャングルクラシックを7曲紹介しよう。
1. Splash「Babylon」
このモンスタートラックを手がけたのは、Undercover Agent名義のリリース群でも知られるDaz Ellisだ。精密に切り刻まれたアーメンブレイク、瞬時に引き込まれるベース、吠え立てるピットブル、そして「all of the youth shall witness the day Babylon shall fall」というトースティングが炸裂する一撃の雷鳴のようなトラックだ。ジャングルならではの衝撃的なヘヴィネスが凝縮されたようなこのトラックは今なお強烈に響く。
2. Ed Rush「The Force Is Electric(Remix)」
Ed RushはOpticalとパートナーを組んでドラムンベースを手がけるようになるずっと前から強力なビートを生み出していた。このリミックスはまるで高圧送電鉄塔のような威圧的なエナジーに満ちている。ダークコア的なベースと混沌としたドラムは、最もハードなジャングルチューンと呼ぶにふさわしい。
3. Top Cat「Ruffest Gun Ark(DJ Rap Mix)」
英国育ちのジャマイカンMC、Top Catのキラーヴォーカルチューンを、ダンスホール的なベースラインとファンキーなブレイクを加えてリミックスしたのがDJ Rapだ。彼女はジャングル / ドラムンベース界における女性DJ&プロデューサーの先駆者的存在で、Astonと組んだEngineers Without Fears名義でリリースしたもうひとつのクラシック「Spiritual Aura」も要チェックだ。
4. Rude Bwoy Monty「Out In Da Streets」
Damian Marley「Welcome to Jamrock」がリリースされる11年前の時点で、Rude Bwoy MontyはすでにIni Kamoze「World-A-Music」のヴォーカルをサンプリングしていた。彼はこのサンプルをしなやかなブレイクビーツに落とし込み、さらにMad CobraやBeenie ManなどのダンスホールMCのヴォイスサンプルを加えた。Ganja KruのPascalがエンジニアとして参加した名作だ。
5. Randall & Andy C「Sound Control」
ドラムンベース界のビッグDJ2人が手を組んだ独創的なジャングルカット。Andy Cはこれ以前にAnt Milesと組んだOrigin Unknown名義で「Valley Of The Shadows」というダークコアクラシックを送り出しており、Randallもシーンきっての人気DJとしての評価を確実なものにしていた。ミニマルなシーケンスパターンがズタズタに切り刻まれたビートをしっかりと引き立てている。
6. Dead Dred「Dred Bass」
銃の発砲音サンプルとDr Alimantadoのヴォイスサンプルを使った「Dred Bass」は当時の典型的なジャングルチューンと言えるが、このトラックの真のキラー要素は、時空が歪むようなアンドロイド的ベースだ…。
7. Remarc「R.I.P(Remarc Remix)」
Remarcは繊細に切り刻まれたドラムパターンを作る名人だ。Remarcのダークなビーツ技巧は、このトラックで頂点に達している。リース・ベース(編注:デトロイトテクノのオリジネーターのひとり、Kevin “Master Reese” Saundersonが編み出した重厚なベース音色)を特徴的に使用し、今にも崩れ落ちそうな絶妙なバランス感覚で組まれたリズムを組み合わせたキラーリミックスだ。