Mountain biker Greg Callaghan takes to the gym to improve his strength for racing the Enduro World Series.
© David Cronolly
フィットネス

サイクリスト用筋力トレーニング 9選

ライディングに勝るものはないが、ワークアウトでもスピード&パワーを高めることは可能だ。
Written by Adam Yare
読み終わるまで:7分公開日:
  
"マージナルゲイン" 時代を生きる我々サイクリストは、1%の違いを日々求めている。よって、サドルに座ってペダリングをする時間に勝るものはないとは言え、世界各地のサイクリストたちはジムにも通って、パフォーマンスを少しでも高めようと努力している。
「レースで上位に入る」、「地元のグループライドに参加する」 。 最終目的が何であろうと、以下のエクササイズに取り組めば、筋力・パワー・ライディング能力が高まるはずだ。

1:ランジ

Lunges are a great exercise for cyclists who want to improve their on-bike strength.

下半身全体に効果があるランジ

© Alex Goodlett, Red Bull Content Pool

シンプルなランジは、自宅でワークアウトしたいと考えている人にはパーフェクトなエクササイズだ。非常に分かりやすいランジは、大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングを中心に、下半身全ての筋肉に刺激を与える。
ワークアウト:10回 x 3セット(セット間の休憩は45秒)
  • 直立姿勢から右脚を一歩前に踏み出す。
  • 床につく直前まで左膝を沈める。この姿勢が難しい場合は、慣れるまで左膝を軽く床に触れさせても良い。
  • 右脚を使って直立姿勢に戻る。
  • 左右の脚を入れ替えて繰り返す。
ヒント:バランスを取って怪我を防ごう。背中を曲げないようにしよう。胸を開いて顎を上げて、常に前を見るようにしよう。

2:ケトルベルスイング

The explosive kettlebell swing being perfumed by an athlete.

ケトルベルスイング

© Florian Falch

全身を使って一気にパワーを放出させるケトルベルスイングは、持久力を高める上に、ペダルストロークも強めてくれる。
ワークアウト:15回 x 3セット(セット間の休憩は90秒)
  • 快適に扱える重さのケトルベルを選ぶ。
  • 両脚を腰幅に開いて、膝を軽く曲げる。
  • 両手でケトルベルを持って両脚の間に入れて、一気にケトルベルを胸の高さまで持ち上げる。
  • ケトルベルをコントロールしながら腕を下ろす。尻を後ろに突き出してケトルベルを両脚の間に戻す。
ヒント:胸の高さまで持ち上げる際に尻をしっかり使うようにする。太ももを使って勢いをつけ、体幹と大臀筋を締めながら持ち上げてみよう。

3:デッドリフト

難しいイメージがあるかもしれないが、デッドリフトは恐れる対象ではない。脚、背中、体幹に効果があるこのシンプルなコンパウンドエクササイズは、全身の筋力を鍛えるので、パワーが増大する上に、効率良くスピードが出せるライダーに必要な筋肉の動きをしっかりとサポートできるようになる。
ワークアウト:8回 x 4セット(セット間の休憩は45秒)
  • 両脚を肩幅に開いて立つ。
  • スクワットをしてバーベルを持つ。
  • 両腕が太ももの外側に軽く触れ、両すねが軽くバーベルに触れるようにポジションを調整する。
  • 前方を見ながら肩を引き上げて、太ももの高さまでバーベルを持ち上げる。
ヒント:ウエイトを軽くして、テクニックをマスターすることから始めよう。バーを床から力任せに持ち上げるのではなく、バーにかかっている重さを感じながら、安定した滑らかな動きで、なるべく体に近い位置で引き上げてみよう。

4:バーピー

An athlete mid-burpee during a training session.

全身に効果があるバーピー

© RedBull.com

バーピーはダイナミックな全身エクササイズで、どこでもできるのがメリットだ。いくつかの日常動作を組み合わせているバーピーは筋肉や関節に効果的だが、心拍数を高め、カロリーも燃焼させる。
ワークアウト:10回 x 3セット(セット間の休憩は1分)
  • 両脚を肩幅に開いてしゃがみ、両手を床につく。
  • 両脚を後方に蹴り出し、腕立て伏せ(プッシュアップ)の姿勢を取る。
  • 両脚を前方に蹴り出して、しゃがんだ姿勢に戻る(手は床につけたまま)。
  • その姿勢から、両腕を上に挙げながらジャンプし、できる限り上へ飛ぶ。
  • 着地したら、同じ動作を繰り返す。
ヒント:腕立て伏せの姿勢を取ったあと、実際に腕立て伏せを1回するなど、色々なバリエーションを試してみよう。

5:パロフプレス

尻の安定性と腰椎のサポート力を高めるパロフプレスは、ロングライドに必要な体幹を鍛えるのに不可欠なエクササイズだ。
ワークアウト:10回 x 2セット(セット間の休憩は30秒)
  • ケーブルにハンドルを付ける。
  • ケーブルに対して90°の角度で立ち、両手を真っ直ぐ伸ばしてハンドルを掴む。
  • ウエイトを持ち上げてケーブルにテンションを加える。
  • 両脚は腰幅に開き、膝は軽く曲げる。
  • ハンドルを胸まで引き寄せたあと、腕を真っ直ぐ伸ばして元の姿勢に戻る。
ヒント:肩から尻のラインを床と垂直に保つようにしよう。また、大臀筋を使うようにしよう。自分の体をねじろうとする力が強すぎると感じる場合は、ウエイトを軽くしよう。

6:グルートブリッジ

Joe Canning performs the Glute Bridge exercise.

慣れたらバーベル・グルートブリッジに挑戦してみよう

© Dan Sheridan/ INPHO

グルートブリッジは、ライディングポジションを低く快適に保つために必要な筋肉を鍛えるのに理想的なエクササイズだ。大臀筋と腹筋を鍛えつつ、股関節の柔軟性を高め、腰の張りを解消してくれる。
ワークアウト:15回 x 3セット(セット間の休憩は1分)
  • 床に仰向けに寝て、膝を90°曲げる。
  • 両脚を使いながら、尻をできる限り高く持ち上げる。
  • ゆっくりと尻を床に下ろし、元の姿勢に戻ったら同じ動作を繰り返す。
ヒント:時間をかけてゆっくり行おう。尻を持ち上げたら一度そこで止めよう。尻を上下動させている時は、大臀筋を締めることを意識しよう。

7:ボックスジャンプ

このベーシックなプライオメトリクス・エクササイズは、自分をよりパワフルなライダーにしてくれる。スプリントに必要な速筋を鍛えてくれるボックスジャンプは、スピードに磨きを掛けたいライダーに理想的なエクササイズだ。
ワークアウト:6回 x 3セット(セット間の休憩は90秒)
  • 快適にこなせる高さのボックスを用意する。
  • ボックスの前に膝を曲げて立つ。両脚は肩幅に開く。
  • ジャンプの準備ができたら、軽くしゃがみ、上方にパワーを爆発させる準備をする。
  • 尻を後方に突き出し、腕を振り、体を沈めたあと、一気にボックスの上へジャンプする。
  • 足の裏をしっかりとつけて着地する。膝は軽く曲げる。
ヒント:ジャンプ直前と着地時の姿勢はハーフスクワットが理想。着地時にハーフスクワットよりも体が沈んでいる時は、ボックスが高すぎるので、低いボックスに変えよう。

8:ロシアンツイスト

Athlete Ashling Thompson performs a Russian Twist exercise during training.

ロシアンツイスト

© Dan Sheridan/ INPHO

見過ごされがちな複斜筋に絶大な効果があるエクササイズとして知られるロシアンツイストをプログラムに組み込めば、姿勢が良くなり、柔軟性も高まる。
ワークアウト:10回 x 3セット(セット間の休憩は1分)
  • 両脚を浮かせた状態で床に座る。
  • 上半身を左右にひねり、腹筋を絞る。
  • 両脚を浮かせた状態を維持する。
ヒント:ロシアンツイストはビギナーには難しいエクササイズなので、最初は普通に呼吸をしながらやってみよう。肩の力を抜きながら、腹筋を強く意識してみよう。

9:スクワット

エアスクワットは脚力アップに効果的

エアスクワットは脚力アップに効果的

© Viktor Fremling

サイクリストにとって最も重要なエクササイズと言えるスクワットは、大腿四頭筋、ハムストリング、尻、膝に刺激を加えることで、各部の柔軟性と運動性を高めてくれる。
ワークアウト:10回 x 3セット(セット間の休憩は90秒)
  • 両脚を肩幅に開いて立つ。
  • 膝を曲げ、尻を後方に突き出しながらしゃがむ。
  • できる限り深くしゃがむが、つま先とかかとが床から離れないようにする。
  • できる限り深くしゃがんだら、その姿勢を維持する。
  • ゆっくりと体を起こし、同じ動作を繰り返す。
ヒント:テクニックをマスターしたら、ウエイトを持ってみよう。バーベルの使い方に自信がないなら、ケトルベル、または両手にウエイトをひとつずつ持っても問題ない。