Emil Johansson of the Sweden performs during the finals of the Red Bull District Ride 2017 in Nuremberg, Germany on September 2nd, 2017
© Bartek Wolinski/Red Bull Content Pool
MTB

MTBスロープスタイル:トリック辞典

MTBスロープスタイルの複雑なジャーゴンの数々に頭を悩ませている人のために、トリックを分かりやすく解説したガイドを用意した!
Written by Hanna Jonsson
読み終わるまで:5分Published on
ライダーがエアをメイクし、バイクと自分の体を複数方向に回転させるのを見たコメンテーターが興奮して「バックフリップ、ダブルバースピンからのタックノーハンダーですね!」とか、「世界初のキャッシュロールテールウィップをメイク!」とか叫んだ時に、「ちょっと何言ってるか分からない」と思ったことがある?
Red Bull.comにお任せあれ!
夏はMTBスロープスタイルイベントのピークシーズンだ。今回紹介するMTBスロープスタイルトリック辞典を読めば、今年の夏を楽しむために必要な知識が手に入るはずだ。

バックフリップ

スロープスタイルのバックフリップ(Backflip)も世の中によくある “後方宙返り” のひとつだが、バイクと一緒に回転するというのが特徴だ。
ライダーが自分とバイクを後方に1回転させて、元の姿勢に戻れば、バックフリップをメイクしたことになる。

1分

Cam Zink's Red Bull Rampage backflip

100ft plummet from the Oakley Icon Sender in 2013.

バースピン

バースピン(Barspin)は名前通りのトリック、つまり、ハンドルバーをスピンさせるトリックだ。ライダーがハンドルバーを1回転させて、再びハンドルバーを掴めばバースピンをメイクしたことになる。
バースピンは1回転から5回転(!)まである。下の映像では、2017年のNine Knightsで世界初のバックフリップ+5バースピンをメイクしたエミール・ヨハンソンの姿が確認できる。

キャンキャン

キャンキャン(Can-Can)はダンスムーブに似ているが、ダンスするのはバイクの上だ。ライダーが片足をペダルから離し、トップチューブをまたいで逆側にその足を出せば(伸ばせば)キャンキャンになる。
ブランドン・セメナックワンフット・キャンキャンのキングとして知られている。通常、このトリックはバックフリップなど他のトリックと組み合わせてメイクする。
ブランドン・セメナック

ブランドン・セメナック

© Bartek Wolinski/Red Bull Content Pool

キャッシュロール

ニコリ・ロガトキンがMTBでメイクしたことで一躍有名になったキャッシュロール(Cash Roll)は、解説するのが非常に厄介なトリックだ。
基本的には、横方向に180°回転してからバックフリップをメイクし、そのあとでまた180°の横回転をすれば、キャッシュロールになる。
Crankworx Innsbruck 2017でシグネシャーのキャッシュロールをメイクするロガトキン

Crankworx Innsbruck 2017でシグネシャーのキャッシュロールをメイクするロガトキン

© Bartek Wolinski/Red Bull Content Pool

コーク

コーク(Cork)はコークスクリューの略で、軸をずらした回転を意味する。たとえば、シンプルな360°は回転軸が地面に対して垂直だが、コーク360°は回転軸が斜めにずれている。
もちろん、このトリックも複数回転が可能で、ブランドン・セメナックはスタイリッシュなコーク720°(2回転)をメイクすることで有名だ。
また、2017年にはRed Bull District Rideで、ニコリ・ロガトキンが世界初のコーク1440°(4回転)をMTBでメイクした(下の映像)。

フロントフリップ

バックフリップと同じ縦回転だが、フロントフリップ(Frontflip)は “前方宙返り” だ。
ライダーが自分とバイクを前方に1回転させ、元の姿勢に戻れば、フロントフリップをメイクしたことになる。

“オポジット”

トリックの “オポジット(Opposite)” とは、ライダーが得意な方向とは逆方向のトリックをメイクすることを意味する。
たとえば、バイクを右回転させるテールウィップ(後述)をレギュラートリックにしているライダーが、左回転させるテールウィップをメイクすれば、“オポジット” になる。

スーパーマン

スーパーマン(Superman)は、ライダーが両足をペダルから離し、バイクの後方に体を伸ばすトリックで、スーパーマンが空を飛んでいる姿を真似しているように見えることからこの名前が付けられた。
近年、このトリックがスロープスタイルイベントでメイクされる回数は少なくなっているが、シモン・ゴジェックはこのトリックを今も好んでいる。
シモン・ゴジェック:スーパーマン シートグラブ

シモン・ゴジェック:スーパーマン シートグラブ

© Christoph Laue

テールウィップ

テールウィップ(Tailwhip)は、ライダーがバイク後方を蹴って、ハンドルバーを軸にバイクを1回転させるトリックだ。
これもまた複数回転が可能で、2回転はダブルテールウィップ、3回転はトリプルテールウィップと呼ばれる。
ニコリ・ロガトキン:トリプルテールウィップ

ニコリ・ロガトキン:トリプルテールウィップ

© Richard Walch

ツナミバックフリップ

ツナミバックフリップ(Tsunami Backflip)は、スーパーマン系トリックとも言えるが、バックフリップを加えるため、まるで波のような動きになる(ツナミはここから来ている)。
まず、バックフリップの要領でバイクを自分の真上に持ち上げるが、この時にスーパーマンの要領でバイクから体を抜く。
そして、バイクをそのまま後方に振り抜きながら(ライダーは一時的にバンザイの姿勢になる)、ハンドルバーを軸にバックフリップし、バイクが1回転したあと、再びシートに座る。
シモン・ゴジェック:ツナミバックフリップ

シモン・ゴジェック:ツナミバックフリップ

© Christoph Laue

タックノーハンダー

自然関連のトリックの話を続けると、タックノーハンダー(Tuck No-Hander)は “” に似ている。
ライダーはハンドルバーを脚で固定しながら、ハンドルバーの前に肩がくるまで体を前方に傾ける。そして、その姿勢で両腕を大きく広げる。
マルティン・ソーダーストロム:タックノーハンダー

マルティン・ソーダーストロム:タックノーハンダー

© Daniel Rönnback/Red Bull Content Pool

クロスアップ(エックスアップ)

クロスアップ(X-up)は、ハンドルバーを握りながらハンドルバーを180°回転させ、そのまま元に戻すトリックだ。
このレアなトリックはBMXをルーツに持つため、ライアン・ナイキストのような、BMX出身のスロープスタイルライダーがメイクすることが多い。
Red Bull Joyride 2015で360°クロスアップをメイクするローガン・ピート

Red Bull Joyride 2015で360°クロスアップをメイクするローガン・ピート

© Scott Serfas/Red Bull Content Pool

360

360は名前通りのトリックで、横方向に360°回転することを意味する。回転数が増えれば、360、または180の倍数で表現される。
カーソン・ストーチ:360

カーソン・ストーチ:360

© Paris Gore / Red Bull Content Pool

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