スイミング
7つの海を泳いだ男!
かつてはヤカンを売り歩いていたが、今は世界屈指のオープンウォータースイマーとして知られるアダム・ウォーカーを紹介する。
アダム・ウォーカーという名前を知らないという人もいるだろう。しかし、彼を知れば自分がいかに怠け者かを痛感することになる。かつての彼は怪我が原因で自分の愛する様々なスポーツを諦め、現在はヤカンとトースターを売っているセールスマンだった。
しかし、現在の彼は世界にまたがる7つの海をすべて制覇したたった6人のうちのひとりとして知られている。
腹部に巻き付いた2本の触手を引きはがした。脊髄の感覚がなくなって、全身麻痺になったかと思った
今回はスコットランド・グラスゴーで開催されたRed Bull Neptune Stepsに司会として参加した彼に海で経験したワイルドな出来事について語ってもらった。
1:カイウイ海峡&クラゲ
カツオノエボシを侮ってはいけない。このクラゲはコブラと同等の毒を有しており、刺された場合は致命傷になる。ハワイ・カイウイ海峡で遠泳に挑戦していたウォーカーは13時間を経過した時点でこのクラゲに襲われた。
「腹部に巻き付いた2本の触手を引きはがした。脊髄の感覚がなくなって、全身麻痺になったかと思った。苦痛に耐えながら残り3時間半を泳ぎ切った」
2:クック海峡&サメ
ウォーカーはニュージーランドのクック海峡の遠泳に挑戦し、3時間を経過したところで水中にサメの影を発見した。
「サメが30分ほど僕について回っていた。その時にイルカが数匹やってきて助けてくれた。少なくとも僕にはそう思えた」
3:津軽海峡&全力
ウォーカーは救援用ボートとサメだけという状況に陥りながら日本の津軽海峡を泳ぎ切った。
「最初の数時間は体調が優れなかった。その後でサメが僕の下を泳いでいるのを発見した。3m位の大きさだったし、怖くなってそのあと11時間を全力で泳いだ。結局横断には15時間21分かかったよ」
4:ジブラルタル海峡&新泳法
肩を負傷したことでコアマッスルを使う新泳法を生み出すことになったウォーカーだが、ジブラルタル海峡ではそれが功を奏した。
「今も左肩を下にして眠れないが、この新泳法を取得したおかげで、往路の英国記録を5分上回った。だが、海流が原因で復路は6時間かかった」
5:カタリナ海峡&片手泳法
カリフォルニア州沖の約36kmの長さのカタリナ海峡は片手で泳ぐには厳しい距離だ。
「カタリナ海峡ではまず暗闇の中を6時間泳がなければならなかった。そして後半の6時間は肩の痛みがぶり返して片手で泳がなければならなかった。二頭筋腱が断裂してしまったんだ」
6:アイルランド&寒さ
水温が低いアイルランド − スコットランド間は最も辛い遠泳コースのひとつだ。
「最初の1時間はサイアネアクラゲに囲まれていた。水温は13度。参考までに言うと、通常のスイミングプールの水温は29度だ。泳ぎ切るまでに10時間45分かかった」
7:イギリス海峡&吐き気
イギリス海峡の横断はウォーカーにとっての初の大きなチャレンジだったが、 ウォーカーにとっては厳しいものとなった。
「海流の流れが厳しく、20回は吐いた。海流の流れは19ノットもあり、洗濯機のように激しく渦巻いていたんだ。何も喉を通らなかったが、泳ぐには毎時間1100カロリーを摂取しなければならない。だからとにかく頑張って泳ぎ切ったよ」
ウォーカーが司会として参加したRed Bull Neptune Stepsのハイライトをチェック!
3分
Red Bull Neptune Steps 2015
Red Bull Neptune Steps 2015


