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『ストリートファイター』:豪鬼の20年を振り返る
隠しボスからレギュラーまで成長した豪鬼は『ストリートファイター』に欠かせないキャラクターのひとりだ。初登場から20周年を迎えた今、その長い歴史を紐解いていく。
『ストリートファイター』シリーズはいくつものアイコニックなキャラクターを生み出してきた。たとえば、リュウと春麗はマリオやソリッドスネーク、クラウド・ストライフと同じくらいビデオゲーム業界で重要な位置を占めている。『フォートナイト』にゲスト出演したほどだ。
しかし、『ストリートファイターII』時代に参戦した他のキャラクターたちもビデオゲームファンにとっては馴染み深く、ガイル、ブランカ、ベガはビデオゲームシーンでは非常に良く知られている。
しかし、『ストリートファイターII』時代に参戦したあるひとりのキャラクターは特別なステータスを獲得している。格闘ゲーム史上初の隠しキャラクターとしてデビューした彼は、純粋な性能と『ストリートファイター』ユニバースの両方におけるその圧倒的な強さで知られてきた。もちろん、そのひとりとは、殺意の波動を身に纏う豪鬼だ。
豪鬼のこれまでの参戦の歴史を振り返り、各タイトルにおける強烈な存在感を見ていこう。
トリビア
01
『スーパーストリートファイターII X』(1994年)
豪鬼は『スーパーストリートファイターII X』の隠しボスとしてデビューした。プレイヤーが豪鬼と対戦するためには、ノーコンティニュー(残りタイム合計の条件設定もあり)でベガまで勝ち進む必要があった。また、スコアやコマンド入力の条件もあった。これらの条件のいずれかを満たすと、豪鬼がベガを倒して、豪鬼と対戦できた。
尚、プレイヤーが豪鬼をプレイすることも可能で、そのためにはキャラクター選択画面で「特定のキャラクターにカーソルを合わせて数秒待つ」を複数のキャラクターで行ったあと、スタートボタンを押した直後に強・中・弱パンチボタンを同時押しする必要があった。
このタイトルでの豪鬼は間違いなく最強で、そのため、欧米でのトーナメントシーンでは完全使用禁止になった。
豪鬼はこのデビュータイトルから斬空波動拳をはじめとするトレードマーク技を備えていた。
02
『ストリートファイター ザ・ムービー』(1995年)
実写映画『ストリートファイター』を元に開発された『ストリートファイター ザ・ムービー』では、多くのキャラクターと同じく豪鬼もビジュアルがかなり劣化したが、必殺技は維持しており、性能もほとんど同じだった。この作品でも豪鬼は圧倒的な強さを誇っていた。
03
『ストリートファイターZERO / 2 / 3 』(1995年・1996年・1998年)
『ZERO』時代は、『ストリートファイター』シリーズの有名キャラクターたちの出自を振り返っているため、リュウ、ケン、春麗たちの若き姿が確認できる。
特に『ZERO2』以降のゲームプレイにおいて重要な位置を占めていたのが “オリジナルコンボ” で、これがキャラクターの強さに大きな影響を与えた。そしてそれゆえに、豪鬼は最強の座を明け渡すことになった。新参戦のローズが最強とされたのだ。しかし、それまでの強さをある程度維持できていた豪鬼はトップ5には留まった。
『ZERO3』でも豪鬼が圧倒的強さを得ることはなかったが、ダルシムやソドムなどとの同率首位を獲得した。
04
『ストリートファイターEX』(1996年)
1996年、カプコンはアリカと組んで3Dグラフィックの『ストリートファイター』シリーズの開発に取り組んだ。その結果としてリリースされた『ストリートファイターEX』には、初参戦キャラクターがいくつか含まれていたが、当然ながらシリーズの有名キャラクターたちも含まれており、リュウ、ケン、春麗、さくら、ガイル、ザンギエフ、ダルシム、ベガに加えて、豪鬼も参戦した。
尚、『ストリートファイターEX』はコミュニティ内ではさほど大きな支持を得られなかった。続編の『EX2』と『EX3』はエキサイティングなシステムでニッチな支持層を得たが、いずれの作品も豪鬼は参戦しなかった。
05
『ストリートファイターIII 2nd IMPACT / 3rd STRIKE』(1997年&1999年)
『Street Fighter III』は『ストリートファイター』シリーズを一新するために開発されたタイトルだった。最新のシステム基盤が使用されたこの作品は、ビジュアルと参戦キャラクターも新しくなった。
主人公にもリュウではなくアレックスが据えられ、プレイアブルなベテランキャラクターはリュウとケンだけだったが、これがファンには好意的に受け容れられなかった。
その続編に相当する『2nd IMPACT』と『3rd STRIKE』ではそれぞれ豪鬼と春麗が参戦。これはつまり、『3rd STRIKE』のリリースで、『Street Fighter III』シリーズがようやく格闘ゲームシーンで認められたことを意味している。
尚、『3rd STRIKE』は、世界で最も視聴されたeスポーツ対戦 “EVO Moment 37” を生み出したタイトルとしても知られている。レッドブル・アスリートのウメハラの “背水の逆転劇” が記録されたのがこのタイトルだった。
話を戻すと、豪鬼は『2nd IMPACT』で首位を奪還した。シンプルな無限コンボを備えていたいぶき、そしてショーンと並び、豪鬼は “ブッ壊れ” の枠に入れられたのだった。
しかし、この流れは『3rd STRIKE』で変わる。春麗が台頭し、ユンと揃って最強とされたのだ。そして豪鬼は中位に沈んだ。よくあることだが、このタイトルでも豪鬼はHPが少なく、スタンしがちだったため、強キャラクターたちが高火力を誇る状況では活躍できなかった。
06
『ストリートファイターIV』(2008年)
“格闘ゲーム暗黒時代” を経てリリースされた『ストリートファイターIV』は、格ゲー復活を高らかに宣言するタイトルとなった。このタイトルの人気は、『ストリートファイター』シリーズや『鉄拳』シリーズを含む近年の “eスポーツ” としての格ゲーシーンの創出に繋がった。
豪鬼はこのタイトルのリリース時から収録され、最終バージョンまでプレイアブルキャラクターであり続けた。また、ここでも豪鬼は強キャラクターの評価を維持し続けた。
この高評価の主な理由は、優秀なセットプレイにあった。様々なコンボを繋げてダウンを奪えた豪鬼は、そこから択攻めに繋げてさらにダウンを奪うことができた。この連続起き攻め(起き攻めループ)は、欧米では “Vortex” と呼ばれるようになり、豪鬼だけではなくキャミィやヴァイパーを含む複数のキャラクターも得意としていた。
セットプレイや択攻めなどの専門用語に首をかしげている人は、こちらの記事をチェック!
07
『ストリートファイターV』(2016年)
当然ながら、豪鬼は『ストリートファイターV』でも不可欠な存在だった。シーズン2のDLCキャラクターとして参戦した豪鬼には、たてがみを備えた完全に新しいルックスが用意されたが、さらにはVトリガーとVスキルとして新しい技も多く用意された。
しかし、リワークされたのはこれらだけではなかった。結果的に、今作の豪鬼は、それまでに参戦してきたバージョンの中で最も “フェア” なバージョンだった。『V』時代の豪鬼は弱すぎることはなく、強すぎることもなかった。『3rd STRIKE』のバージョンでさえ、今作の豪鬼よりは強いはずだ。
このような位置に収まった理由のひとつが、スピードの低下だ。今作では、ケンの方が豪鬼よりも強かった。『V』は豪鬼が一新されたタイトルだったため、このような “フェア” な強さは、ファンにとっては少し残念な変更となった。
08
『ストリートファイター6』(2023年)
2024年5月22日、豪鬼が『ストリートファイター6』シーズン1の最終DLCキャラクターとして追加された。ティザートレーラーでは、『V』時代の彼がさらにワイルドになっていることが確認でき、ゲームプレイトレーラーでは、お馴染みのコンボと新技が確認できた。
ファンたちは豪鬼が『6』にどうフィットするのか、またこれまでの作品の強さが維持されているのかどうかを楽しみにしていたが、現時点では、相変わらずHPが低いものの、歩き速度や起き攻めに優れた万能キャラクターに仕上がっている。
09
他の作品
豪鬼は『ストリートファイター』シリーズ以外の多くの作品にも登場していることで知られている。代表作としてはスピンオフの『ストリートファイター x 鉄拳』、『スーパーパズルファイターII X』、『ポケットファイター』などが挙げられる。
また、いわゆる “VS” シリーズでも主要キャラクターのひとりに含まれており、『マーヴル・スーパーヒーローズ vs. ストリートファイター』ではメカ豪鬼として参戦した。そしてSNKとのクロスオーバーシリーズでは、豪鬼だけではなく真・豪鬼もプレイできた。
しかし、一番のサプライズは『鉄拳7』だろう。豪鬼は2016年のバージョンアップ『鉄拳7 FATED RETRIBUTION』から参戦した。
《豪鬼:プレイアブルキャラクター参戦タイトル一覧》
- 『X-MEN チルドレン オブ ジ アトム』(1994年)
- 『X-MEN vs. STREET FIGHTER』(1996年)
- 『スーパーパズルファイターII X』(1996年)
- 『マーヴル・スーパーヒーローズ vs. ストリートファイター』(1997年)
- 『ポケットファイター』(1998年)
- 『MARVEL vs. CAPCOM』(1998年)
- 『SNK vs. CAPCOM』(1999年)
- 『MARVEL vs. CAPCOM 2』(2000年)
- 『CAPCOM vs. SNK』(2000年)
- 『CAPCOM vs. SNK 2』(2001年)
- 『NAMCO x CAPCOM』(2005年)
- 『MARVEL vs. CAPCOM 3』(2011年)
- 『STREET FIGHTER X 鉄拳』(2012年)
- 『鉄拳7 FATED RETRIBUTION』(2016年)
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