The Lost Sea Lake is the World's second largest underground lake.

世界の驚くべき地底湖 9選

© Lost Sea

南極の氷に封印された巨大湖から湖の地下にある湖まで。地下世界に広がる驚くべき地底湖の数々を紹介する。

     

究極のアドベンチャースポットは、常に地上にあるとは限らない。地表の奥深くにひっそりと佇む、想像を絶する地底湖の世界に触れてみよう。

1. オーウェイ島地底湖

  • アイルランド ドニゴール州キンカスラ
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The underground lake under Owey Island in Ireland.
オーウェイ島の地底湖の壁面は発光生物で覆われている

これは地表にある湖の地下50mに隠された地底湖だ。

長さ150m高さ40mの洞窟の奥へ進むと、完全な暗闇の中に幅8mの "静寂のプール" が現れる。隠れるように存在する狭い陥没穴を抜けると、壁一面が発光生物に覆われたトンネルに繋がり、トーチライトに照らされた壁はほのかな光を放つ。

しかし、昨年に天井部分の一部崩落が起きたそうだ。天井の上にもうひとつの湖が鎮座していることを考えると、いささか不安だ。

2. サン・レオナール地底湖

  • スイス ヴァレー州
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The Swiss lake is Europe’s biggest underground lake.
広大なサン・レオナール地底湖

長さ300m表面積約6,000㎡を有するサン・レオナール地底湖は、ヨーロッパ最大の地底湖だ。

この地底湖は約200年前から存在していると言われているが、本格的な探索が開始されたのは、巨大地震の亀裂で水量が減り、探索が楽になった1946年だった。

1949年からは一般人もボートに乗って地底湖を巡れるようになったが、2000年代初頭には天井部分の崩落が起き、約5,000本のボルトを埋め込む補強工事が完了するまで3年間閉鎖された。

3. クロスマウンテン / コールドケイブ

  • スロベニア ロズ・ヴァレー
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世界屈指の大きさを誇る天然洞穴の内部には、エメラルドグリーンの水をたたえる45個以上の地底湖が連なっている。

洞窟内部には、激しい水の流れに温泉析出物が削られてできた小さな湖がいくつもあり、中には深さ7mほどのものもある。

入口の天井は高く、大きな湖が広がっているが、奥へ進むにつれて探索要素が強まるため、小型ゴムボートのアクセスは1日4人に制限されている。

4. ボストーク湖

  • 南極大陸 ボストーク基地

ボストーク湖は南極大陸にある氷底湖(氷床の下にある地底湖)としては最大で、長さ250km幅50kmという面積はカナダのオンタリオ湖に匹敵する(琵琶湖の約20倍)。

150万年以上に渡り氷によって閉ざされてきたボストーク湖は、南極大陸を覆う氷床の地下約3.8km地点に位置しており、日光の届かないこの氷底湖の岩に生存する微生物群が独自の生態系を形成していることが予想されている。

しかし、ボストーク湖へアクセスするのはほぼ不可能だ。研究目的のためのボアホール(掘削孔)を1カ所掘るだけでも、約20年かかるとされている。

5. ロストシー

  • 米国テネシー州 マディソンビル
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米国最大の地底湖は、かつてチェロキーの隠れ家として使用されていたクレイグヘッド洞窟の奥深くに存在する。

地表から深さ42mに位置するこのロストシー(The Lost Sea:失われた海)は、長さ240m表面積約16,000㎡を有し、完全水没した小洞窟が無数に存在する。水際は貴重なアンソダイト鍾乳石)で埋め尽くされており、これらは「ケイブフラワー石花)」として知られている。

ロストシーへはハイクやボートツアーなどで容易にアクセスできる。

6. 盧笛岩(ろてきがん / リードフルート・ケイブ)

Reed Flute Lake in all its glory
盧笛岩の鏡面のごとき水面は洞窟内のカラフルな石灰石を映し出す

盧笛岩の静かな水面は、 "自然芸術大宮殿" として知られるこの地の天然石灰石彫刻群を映し出す。

地表から深さ240mに位置するこの洞窟は、かつて防空壕として使用されていたが、のちに観光地として整備され、現在はカラフルな照明が鳥や動植物のような形状をした鍾乳石石柱をライトアップしている。

洞窟の壁面には、紀元前792年唐朝期に墨で書かれたと伝わる碑文が残されている。

7. ハンソンドン

  • ベトナム クアンビン省 ソン・トラク
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The British caving team inside the Hang Son Doong cave in Ke Bang Massif, Vietnam, in 2009.
英国の洞窟探検チームによって発見されたハンソンドン

世界に公開されてからまだ10年に満たないこのハンソンドンは、世界最大の洞窟で、内部には湖だけでなくひとつの巨大な水系が存在する。

内部を流れる急流によって作られた長さ9km幅200m高さ150mのこの巨大洞窟はベトナム奥地に位置しているため、1週間のハイクを経なければ辿り着けない。

また、水位の上昇によって1年の半分はアクセス不可能になるため、この洞窟内部を訪れた人数はエベレストの登頂成功者より少ない。

8. システマ・サック・アクトゥン

  • メキシコ ユカタン半島
Sistema Sac Actun - Diving cenotes in Mexico
光に導かれながら水中洞窟内をダイビング

地底湖というよりも水中洞窟系と呼ぶ方がふさわしいが、この345kmに渡って続く「水のトンネル」も紹介する価値はある。

無数のセノーテ(陥没穴)が存在することで知られるメキシコのユカタン半島の地下を蛇行するシステマ・サック・アクトゥン(サック・アクトゥン水中洞窟系)は、遺跡の町として知られるトゥルム郊外にあるグラン・セノーテを含む複数のセノーテからアクセス可能だ。

システマ・サック・アクトゥンは世界最大の水中洞窟で、2018年にようやく全体の詳細地図が完成した。

9. グリョゥタギャウ洞窟温泉

  • アイスランド レージャリッド
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The lake can be found in a small lava cave
温泉マニアなら一度は訪れたいアイスランドの天然洞窟温泉

内部に温泉が湧出しているこの地底湖は、アイスランドの印象的な地溝の下に位置している。近年の火山活動の影響で水温が上昇しているため温泉には入れないが、訪れる価値がある名所であることに変わりはない。

地表からこの地底湖の位置を確認する唯一の手がかりは大規模な地溝のみだが、トリッキーなラペリング(懸垂下降)で内部に入れば、アイスランドの厳しい冬の寒さから逃避できる、静かで温かい空間が待っている。

TVドラマシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』のロケ地に使用されたことで、現在は人気の観光スポットになっているが、訪れるタイミングが良ければこの空間を独り占めできる。