【5分で学べるパイロット図鑑2018】レッドブル・エアレース

レッドブル・エアレースをもっと楽しむ基礎講座 【5分で学べるパイロット図鑑2018】

© Joerg Mitter / Red Bull Content Pool

開催まであと1か月を切ったレッドブル・エアレース千葉。昨年のワールドチャンピオン室屋義秀に注目するだけでなく、その座を狙うベテラン&ニューエイジのパイロットも漏れなくチェックしなければ、千葉ラウンドは楽しみ尽くせない!

凱旋のワールドチャンピオン

Yoshihide Muroya[室屋義秀]/日本

Yoshihide Muroya[室屋義秀]/日本
Yoshihide Muroya[室屋義秀]/日本

アジア人初のマスタークラスパイロット、そして昨シーズンはワールドチャンピオンにも輝いた室屋。日本のエアレース人気をけん引する立役者ながら、エアロバティックをはじめた当初は資金が枯渇し、練習する燃料代も捻出できないほど追い込まれたこともある苦労人でもある。

2016年千葉での初優勝を皮切りに、2017年には千葉での2連覇を達成。その勢いのまま確実にポイントを重ね、悲願のワールドチャンプにまで昇りつめたことは各メディアでも話題に上った。今シーズンは初戦のアブダビで2位、続くカンヌで4位とポイントをGET。総合3位の好位置でホームへの凱旋となった。

燻し銀の大本命

Michael Goulian[マイケル・グーリアン]/アメリカ

Michael Goulian[マイケル・グーリアン]/アメリカ
Michael Goulian[マイケル・グーリアン]/アメリカ

航空ショー業界で権威のある3つの賞を受賞しているスーパースター。ちなみにこの賞すべてを受賞したのは歴史上、彼を含めわずか7人。パワフルかつ切れの良い飛行スタイルにはファンも多く、飛行機を完璧に扱いこなすスキルは注目。

2004年からエアレースに参戦し、これまでの最高順位は2009年の第4戦イタリアでの優勝。これまで総合成績こそ上位に食い込むことが少なかったが、今シーズンは一味違い、初戦アブダビでは優勝を、続くカンヌでも3位表彰台を獲得。14年目に突入したベテランのテクニックが冴え渡る。

雪辱のエリートファイター

Matt Hall[マット・ホール]/オーストラリア

Matt Hall[マット・ホール]/オーストラリア
Matt Hall[マット・ホール]/オーストラリア

元オーストラリア空軍所属。F/A-18ホーネットやF-15ストライクイーグルといった戦闘機で2000時間以上フライト。1997年には最優秀戦闘機パイロットに選ばれ、オーストラリア空軍のエリートパイロット育成担当も務めた経歴を持つ精鋭中の精鋭である。

2009年からレッドブル・エアエースに参戦し、デビューイヤーではすべてのレースでポイントを獲得。現在までポイントを逃したのはわずか3回のみ。今シーズンも初戦で5位、第2戦で優勝を獲得。2015年、2016年シーズンは連続して総合2位に終わってしまった雪辱を果たし、今シーズンこそ悲願のワールドチャンピオンを狙う。

安定感を増すと怖い真の実力者

Matthias Dolderer[マティアス・ドルダラー]/ドイツ

Matthias Dolderer[マティアス・ドルダラー]/ドイツ
Matthias Dolderer[マティアス・ドルダラー]/ドイツ

父に連れられ3歳で初フライトから、14歳で初の単独飛行。そしてライセンスを取得した直後の17歳では、グライダーのドイツ選手権で3位入賞を飾る。21歳ではドイツ最年少のインストラクターを務めるなど、天性のフライト技術とスピードを持つサラブレッド。

レッドブル・エアレースには2009年から参戦。昨シーズンは第2、4、7戦の3度優勝を、第1、5、6戦でも2位入賞を果たし、全6戦中5度の表彰台を経験する驚異の実力。一昨年は優勝か2位かという安定したフライトでシリーズチャンピオンを獲得。昨年は今ひとつの成績だったが、今シーズンは第2戦のカンヌで2位を獲得。復活の兆しを見せている。

ツウ好みのする職人系技巧派

Martin Sonka[マルティン・ソンカ]/チェコ

Martin Sonka[マルティン・ソンカ]/チェコ
Martin Sonka[マルティン・ソンカ]/チェコ

チェコ空軍に所属し超音速機も操縦しながら、チェコ・ナショナル・エアロバティックチームにも所属する現役軍人。冷静沈着な性格とリスクを取らず自身のスキルアップに重点を置く飛行スタイルは、世界中のエアレースファンの間から注目を集める。

レッドブル・エアレースへの初参戦は2010年。昨シーズンはキャリア初の優勝を収めるほか、全戦でポイントを獲得する快挙を達成している。惜しくも室屋に敗れシリーズチャンピオンを逃したが、この好調をキープして今シーズンは2戦連続でポイントを獲得。2018年シーズンのワールドチャンピオン最有力候補としても名前が上がっている。

返り咲きを狙うRBARのレジェンド

Kirby Chambliss[カービー・チャンブリス]/アメリカ

Kirby Chambliss[カービー・チャンブリス]/アメリカ
Kirby Chambliss[カービー・チャンブリス]/アメリカ

自宅裏に専用の格納庫と滑走路を持ち、エアロバティックスやスカイダイビングによる極限状態を日常的に楽しむベテランパイロット。エアロバティック世界選手権では13のメダルを獲得する、名実ともに世界最高峰のエアロバティックパイロットでもある。

2003年の初開催以来、全シーズン出場を続けている唯一の現役パイロット。2004、2006年には総合優勝を勝ち取るほか、表彰台は30回も登るレジェンドでもある。昨シーズンは着衣実にポイントを重ね総合4位。今シーズンはその好調をキープしながら初戦で3位表彰台を獲得するなど、ワールドチャンピオンへの返り咲きを狙っている。

ナイジェル・ラム直伝のサラブレッド

Mikael Brageot[ミカエル・ブラジョー]/フランス

Mikael Brageot[ミカエル・ブラジョー]/フランス
Mikael Brageot[ミカエル・ブラジョー]/フランス

21歳でフランス最年少のエロバティックス代表に選出された経験もあるサラブレッド。世界選手権やヨーロッパ選手権、フランス選手権では表彰台の常連にして、フライトインストラクターとしても活躍。レッドブル・エアレースには2014年のチャレンジャークラス創設時から参戦している。

2015年のチャレンジャーカップを獲得し、昨年はマスタークラス昇格のためのプラグラムに参加。昨シーズンで引退した元ワールドチャンピオン、ナイジェル・ラムから直接指導を受けることで、2017年シーズンからマスタークラスへと昇格。ラウンド・オブ・8には4回進出するとともに、年間で24ポイントを獲得するルーキー史上最高成績を残す。今シーズンも現段階で総合7位の好位置をキープ。

圧倒的実力を持つ期待の新星

Ben Murphy[ベン・マーフィー]/イギリス

Ben Murphy[ベン・マーフィー]/イギリス
Ben Murphy[ベン・マーフィー]/イギリス

今シーズンからマスタークラスへと昇格した実力派。もともとはイギリス空軍に所属するトップパイロットにして、英国空軍のエアロバティックチームにおいて史上2番目の若さで指揮官兼チームリーダーを務める経験も持つ。10代で空軍士官学校に入学してから、現在までの飛行時間は合計4250時間をオーバー。新人ながらもその経験値と実力派ベテランを凌ぐほど。

レッドブル・エアレースの戦績は今シーズンの2戦のみ。初戦のアブダビでは6位、続くカンヌでは10位につけ着実にポイントを獲得。チャレンジャークラスでは2シーズンを経験し、千葉を含み表彰台に5回登っている。

クリーンかつ安定志向で上位を狙う

Juan Velarde[フアン・ベラルデ]/スペイン

Juan Velarde[フアン・ベラルデ]/スペイン
Juan Velarde[フアン・ベラルデ]/スペイン

チャレンジャーカップで実績を積み重ね、2015年シーズンから長年の目標であってマスタークラスに昇格した叩き上げ。ヨーロッパ選手権や世界選手権にも参加するエアロバティックのスキルはもちろん、エアレース界で1、2を争う身長189cmの大柄な体は彼を特徴づけるチャームポイント。狭いコクピットに潜り込むのもひと苦労だという。

1年目こそ結果は振るわなかったが、2年目、3年目と着実に実力を伸ばし、昨シーズンは最高2位、総合でも8位にまでステップアップ。今シーズンもカンヌで6位を獲得し、第3戦の千葉でもその活躍が期待されている。

覚醒するトップガン

Francois Le Vot[フランソワ・ルボット]/フランス

Francois Le Vot[フランソワ・ルボット]/フランス
Francois Le Vot[フランソワ・ルボット]/フランス

元フランス空軍の戦闘機パイロットにして、トップガンの育成教官の肩書きを持つ生え抜き。フランス空軍エアロバティックチームに11年間所属し、2004年以降はヨーロピアン/世界エアロバティック選手権でトップランカーとして経験を積んでいる。

2008年にはエアレースに必要なスーパーライセンスを取得。2014年から開催されるチャレンジャーカップでは第1戦から3連勝を収め、2015年からマスタークラスに昇格。昨シーズンまで今ひとつ記録が振るわなかったが、パイロンヒットなどミスの少ない安定したフライトは玄人好み。

ここからが上り調子のオトコ

Pete Mcleod[ピート・マクロード]/カナダ

Pete Mcleod[ピート・マクロード]/カナダ
Pete Mcleod[ピート・マクロード]/カナダ

18歳になるとレッドブル・エアレースのトレーニングに参加し、2009年にはマスタークラスパイロットとしてデビュー。2014年にはデビュー3年目にして初優勝を飾り、史上最年少の優勝パイロットの栄誉を手にしている。

昨シーズンは3連続での2位表彰台を獲得するなど大躍進の末、シーズン56ポイント、自身最高となる総合3位に輝く。今シーズンは開幕戦のアブダビで14位と予想外の低迷。続くカンヌでは7位にまで復調。昨シーズンも中盤以降に調子を取り戻しているだけに、第3戦千葉での戦いっぷりにも注目が集まる。

マスタークラスの生え抜き

Petr Kopfstein[ペトル・コプシュタイン]/チェコ

Petr Kopfstein[ペトル・コプシュタイン]/チェコ
Petr Kopfstein[ペトル・コプシュタイン]/チェコ

2014年から開始されたチャレンジャークラスに参戦する一方、チェコのナショナル・エアロバティックチームにも所属。国内選手権ではマスタークラスパイロットのマルティン・ソンカを破り優勝を果たすなど、その実力は証明済み。

チャレンジャークラスでは初代チャンピオンに輝き、2015年シーズンもポイントリーダーを獲得。2016年からマスタークラスに昇格し、第3戦と第7戦の9位を最高位にポイントを獲得するテクニシャン。昨シーズンは千葉での2位を最高に、総合で5位の健闘を果たしている。

コルシアン・ダンディ

Nicolas Ivanoff[ニコラス・イワノフ]/フランス

Nicolas Ivanoff[ニコラス・イワノフ]/フランス
Nicolas Ivanoff[ニコラス・イワノフ]/フランス

フランス人らしくプライベートはもちろん、フライト時にもファッションにまで気を配る伊達男。実力はもちろんそのファッションでも見る人を楽しませ、レッドブル・エアレースではベストドレッサーとしても知られる。フライトにも革新と美を求めるクールガイ。 

エアレースは2005年から参戦。タイトなターンを得意とするスタイリッシュなフライトテクニックで、通算5回の優勝を果たしている。特に芸術性に優れたアーティスティックなフライトはファンも多いが、絶好調と絶不調の落差も大きいため見応えも十分。今シーズンは初戦で10位、第2戦は調子が振るわず低迷気味だが、潮目が変われば一躍上位に食い込む実力派。

頭脳派インテリファイター

Cristian Bolton[クリスチャン・ボルトン]/チリ

Cristian Bolton[クリスチャン・ボルトン]/チリ
Cristian Bolton[クリスチャン・ボルトン]/チリ

元チリ空軍の少佐という肩書きを持ちながら、エアロバティックチームのリーダーを務める。戦闘機パイロットの経歴の他にもエンジニアリングや軍用航空学、人材開発といった学位を持つインテリ

昨シーズンからマスタークラスへ正式参戦し、初年度ながらも9ポイントを獲得。本人としては不本意な結果ではあったが、その経験を生かして今シーズンはさらに成長を目指している。ちなみにチャレンジャークラス時代の2015年は3位、2016年には優勝を果たしているだけに、今回の千葉ラウンドとの相性は悪くないはず。

■チケット情報

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