上田 瑠偉
© Takaki Iwata
フィットネス

プロ山岳ランナーが行う【ランニングパフォーマンスを上げる栄養&回復法】

上田 瑠偉 に聞く身体の調子を整えるための食事法と、疲労時のケア方法について。 トップランナーが実践してきた方法論には、プロを目指す方はもちろん、市民ランナーが今すぐ実践できる手法のヒントも込められています!
Written by alex shu nissen Edit by Hisanori Kato
読み終わるまで:6分最終更新日:
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【レース当日のこだわり】

運動3時間前の食事で、消化の時間を確保する!

ーー走る前や後の食事で意識していることはありますか?
上田瑠偉(以下、瑠偉)「レース前は、何を食べるかよりも、消化にしっかり時間を取ることが大切だと思います。走る直前に食べると胃が揺れて消化できずに差し込み(脇腹痛)が入りやすいので、僕が意識しているのは3時間前に食事を済ませておくこと。例えば自分が出る大会だと朝5時にスタートするレースもあるのですが、3時間前には起きて食べるようにしていますね。
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レース中や練習中は、水分はもちろんですが、炭水化物とアミノ酸を摂ることで後半の疲労が軽減されるので積極的に補給します。
終わった後は、筋肉の回復の為に炭水化物とタンパク質を摂ります。食事まで時間が空いてしまう時は、なるべく30分以内に一度摂取しておくように気をつけています
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ーー具体的な食品としてはどんなものですか?
瑠偉「炭水化物を簡単に取れる食品はバナナ・おにぎり。タンパク質は、アミノ酸に分解されているサプリなどが理想ですが少し高価になるので、コンビニにあるようなプロテインバーなども手軽で良いと思います。自分は納豆も好きで毎朝食べますね
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【レッドブルの効果的な飲み方】

ーー我々のような市民ランナーにオススメ! という特別なレッドブルの飲み方ってありますか?
瑠偉「レース中に、フィニッシュまでのラスト1時間やダウンヒルの前など、集中力を高めるタイミングでレッドブルを入れますね。飲みやすくする為にガスを抜いておいてボトルから飲みます。カフェインが効いてくるまで20〜30分かかるので、スタート前も逆算して飲んでいます。
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あとはレッドブルはビタミンB群が入っているので、回復の為にも良いのかなと思っています。単純にレースが終わった後に気持ちよく炭酸を飲みたいっていうのもあるんですけどね(笑)
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【普段の栄養管理】

しっかり食べて動く! 身体の反応を見ながら柔軟に食を楽しむ

ーー食生活において、身体のためにいちばん気をつけていることは?
瑠偉「バランスよく栄養を摂ることですね。外食でもタンパク質や野菜を意識的に多めに摂取するようにしています。練習のボリュームによって多く食べることはありますが、特別なことはしていなくて、大会シーズンのオンとオフで食事は大きくは変わりません
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ーー積極的によく食べるものはありますか?
瑠偉「学生の頃はレースが近づくとゲン担ぎで定番のカツ丼を食べたりしていました(笑)
海外遠征も多いので今はなかなか食べなくなりましたが、やはりお米がパワーになるなっていうのは感覚としてあるので、僕の実家で作っているお米を海外に持って行って、レースに向けてよく食べていますね
ーー身体作りの為に普段から控えている食品ってありますか?
瑠偉「実はないんですよね。ラーメンとかハンバーガーでも食べたくなったときに食べて、それで足りてない栄養素があれば意識的に補給しています。ジャンクフードだからこれは絶対食べないって制限はしていないくて、お菓子だったり甘いものも僕は好きなので、その分走ればいいかなって思っています
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ーー確かに、アスリートでない一般のトレーニーこそ、はりきって極端な食事制限をしてしまいがちかもしれません。
瑠偉「やはり過酷なスポーツをしていると、食事にもストレスをかけるより、ある程度楽しみたいという気持ちもあって。ただ、意外と順調に練習が積めている時は、ジャンクフードを身体が欲さないんですよね。そういう時は無理して食べないですし、身体の反応と相談しながら、食べたい時に食べるのが、いいのかなと思います
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【リカバリー方法】

筋肉痛を早く治す為に、アクティブレストで血行を促進しよう

ーーオフシーズンはどんな風に過ごしていますか?
瑠偉「オフは意識的に走らないようにしています。大怪我した翌シーズンに成績が出るってことが二回あったので、蓄積している疲労をリセットする重要性を実感しました。
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怪我をしていなくても、オフシーズンはあえて一ヶ月走らない期間を作ったりしています。その時は食事もある程度は好きなものを食べているので2kgぐらい体重は増えるのですが、トレーニングが始まったらしっかり落としていけばいいという意識でいます。
自分たちは通常のマラソン競技に比べて山を登ったりする分、筋肉が鍛えられているので、代謝が高い状態をキープできてカロリーを消費しているから、というのもあると思いますが
ーーリカバリーの為に、睡眠において気をつけていることはありますか?
瑠偉「睡眠は最低7時間以上取りたいと思っていて、足りない時はできればお昼寝したいぐらい。でも、なかなか仕事があると睡眠時間の確保は難しいですよね。
僕自身、特にレース前やレース後に興奮して眠れないこともよくあるのですが、しっかり横になって目を瞑って休んでいるだけでも回復効果はあるんですよ。寝れないからといって起きて読書したりスマホを見ていたりすると身体が休まらないので気をつけてください
ーー筋肉痛を早く治すコツなどはありますか?
瑠偉「栄養としては、タンパク質をしっかり摂ること。その吸収を高める為にもビタミン・ミネラルも大事かなと思います。
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あとは、筋肉痛って疲労物質が溜まっている状態なので血流を良くすること。アクティブレストと言って軽いジョギングやウォーキングで身体を動かす。または湯船に浸かるなどですね。痛いから動かさない方が良いと思いがちですが、もっと硬くなってしまうので、普段より歩くように心がけるなど、とにかく身体を温めることが大事です。ストレッチも効果的ですよ
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(了)
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