MTBレースは実に独特な世界で、我々はバイクデザインの境界線を押し広げる競争が当然のように行われている様子を目にしているが、マウンテンバイクの世界には数多くの奇妙なモデルが存在する。2019年にもそのようなユニークなマシンが市場に並ぶだろう。
そのようなバイクももちろん素晴らしいのだが、本物の “レーシングサラブレッド” のライディングに勝るものはない。
では、かつてないほどMTBレースの人気が高まっている今、我々アマチュアライダーにとって本当に購入する価値のあるバイクは一体どの1台なのだろう?
今回は、2019年に市販されるレースバイクの中からダウンヒル / エンデューロ / クロスカントリーのベスト3台をピックアップして紹介する。
ダウンヒル:Commencal Supreme DH 29
2018シーズンに大ブレイクし、UCI DH World Cupシーズン王者に輝いたアモリー・ピエロンが駆ったこのバイクは、現在かなり入手困難という噂だ(それも納得できるが)。
このバイクを手がけたCommencalも高い実績を備えたブランドで、同社の創業者マックス・コメンサルは1990年代中頃のMTBシーンに旋風を巻き起こしたフランス第一世代ライダーたちを牽引していたライダーだ。
3分
Amaury Pierron's winning Leogang run
Watch Amaury Pierron's winning run at Rd3 of the 2018 UCI DH World Cup in Leogang, Austria.
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29インチホイールとハイピボット・サスペンション設計を備えた新型Supreme DH 29は、ほんの数年前でも現実離れしたバイクと見られていたはずだ。このデザインとカーボンファイバー素材の削除が特徴のこのバイクを買えば、ダウンヒルを最速で駆け下りることだけを目指して作られたマシンを手にすることになる。
エンデューロ:Yeti Cycles SB150
熱心なMTBライダーなら、“最新鋭”、“最強”、“革新的” といったバイク業界にありがちな大げさな宣伝文句にうんざりとした経験が数多くあるはずだ(自覚している、いないを問わず)。
Yeti伝統のターコイズブルーを纏ったSB150は、29インチホイールとトラベル量150mmのサスペンションを備えており、レース用ジオメトリーはまさに最先端だ。
Yeti独自のサスペンションプラットフォームSwitch Infinityもパーフェクトで、リッチー・ルード(2015 / 2016 Enduro World Series王者)はすでにこのバイクで実績を挙げている。購入者は抜群のパフォーマンスを保証されたも同然だ。
クロスカントリー:Scott Spark RC 900SL
Scott Sparkより速いクロスカントリーレースバイクは存在しない。RC 900 SLバージョンは、我々アマチュアライダーが購入できるバイクの中で最軽量だ(当然の結果として価格も最高だが)。
Sparkは数シーズン前から実戦投入されており、2017シーズンは更新不可能なパーフェクトな1年を送った。そして、同シーズンのUCI XC World CupでSparkに全勝をプレゼントしたライダーがニノ・シューターだ。つまりこれは、このバイクは史上最強XCライダーが求める性能を全て実現していることを意味する。
5分
Tech Talk – Nino Schurter's retro Scott
Schurter talks through his Retro Scott bike painted to celebrate the 60th anniversary of Scott Sports at the Val di Sole UCI XCO World Cup.
Spark RC Carbon HMX SLフレームセットの単体重量はわずか1,799gで、Scott独自のサスペンションロックアウト機構TwinLocが採用されている。また、ソリッドシートポストに至るありとあらゆるコンポーネントがカーボンファイバー製だ。
ニノが乗りこなせないバイクを我々アマチュアライダーが乗りこなせるわけがない(そうだろう?)。