昔々、人間はアナログレコードやCD、カセットテープなど、音楽が詰まっている物理的な容器を買っていたので、音楽と同様にアートワークも重要だったとさ…。
ストリーミングとダウンロードの台頭によって、目を見張るような美しいアートワークを生み出す重要性は下がったが、アルバムのアートワークは時代を超えても残り続けている。Joy Divisionの『Unknown Pleasures』、Roxy Musicの全アルバム、The Beatlesの『Sgt. Pepper's』、Grace Jones、Nirvana、The Velvet Underground、Kety Perry… アートワークは音楽と同じくらい重要なのだ。
そして、Red Bull.comの読者なら、クールな車が全てを最高に近づけてくれることは良く知っているだろう。というわけで、車がフィーチャーされているクールなアルバムを集めてみることにした。
集まったのは以下の14枚だ。
Johnny and the Hurricanes:『Red River Rock』
初期ロックンロールバンドのひとつだったJohnny and the Hurricanesは、このアルバムでVW Transporter T1の上に座っている。1959年にリリースされたこのアルバムのアートワークは、呑気だった当時のアメリカンドリーマーのフィーリングを派手なスーツと共に表現している。
10cc:『How Dare You!』
英国・ストックポート出身の10ccは1970年代を通じていくつかのスムーズなポップスとビッグヒットを生み出した。このバンドの4枚目のアルバム『How Dare You!』のアートワークは、下品な享楽がもてはやされていた時代を捉えたスナップショットとして機能しており、後方には赤く輝くAustin Healeyが映り込んでいる。
Kraftwerk:『Autobahn』
誰もが認めるエレクトロニック・ミュージックの "マイスター" Kraftwerkだが、名盤『Autobahn』のアートワークは意図的にレトロな雰囲気が打ち出されており、このアルバムに収録されている近未来的な音楽は、VW BeetleとMercedes 280SEがフィーチャーされているこの美しく長閑なアートワークによって相殺されている。
Snoop Dogg:『Ego Trippin』
ヒップホップと車は昔から名コンビを組んできたが、Snoop Doggが2007年のアルバム『Ego Trippin』でクラシックカーを登場させることを決めた時、彼はChevyやDutch Charger、クロームメッキのローライダーなどを避け、あえてDatsun 510 Station Wagonをピックアップした。さすがはSnoopだ。
Frank Ocean:『Nostalgia, ULTRA.』
Frank Oceanはこのミックステープのアートワークに好きな車を選ぶことができたはずだが、彼はオレンジ色のBMW E30を選び、自分がカーマニアだということを世界にアピールした。尚、Frank OceanのBMW好きは広く知られており、『The New York Times Magazine』のインタビュー記事の中で、自分用にカスタマイズしたBMW E30を所有していることを明らかにしている他、「Nikes」のミュージックビデオでは、McLaren F1 GTRやAston Martin DB8を含むル・マンマシンをフィーチャーしている。Jay-Zには真似できない。
OK GO:『OK GO』
OK GOのデビューアルバムは、クラシックシングル「Get Over It」が収録されているが、クラシックカーVolvo 240のクールなグラフィックスも描かれている。尚、この車は近年ヒップスターのお気に入りとして再評価されている。
ZZ Top:『Eliminator』
この世の中で真実と言える物は3つしかない。死と税金とZZ Topだ。テキサス州出身のこのトリオはカーマニアとして知られており、このメガヒットとなった1983年リリースのアルバム『Eliminator』のアートワークには、リードシンガーのBilly Gibson所有の1933年製Ford Coupeのホットロッド仕様がフィーチャーされている。
Fu Manchu:『King of the Road』
カリフォルニア出身のストーナーロックバンドFu Manchuはマッスルカーカルチャーにある種の拘りがあるようで、スタジオアルバムの大半のアートワークに車やバイク、スケートボードをフィーチャーしている。
彼らが2000年にリリースしたアルバム『King of the Road』には1960年代製のFord E-Seriesの写真が採用されているが、カスタムバンカルチャーはこのアルバムのほぼ全曲に様々な形でフィーチャーされている。
Oasis:『Be Here Now』
ロックの歴史を振り返るアイテムが数多く配置されているOasisのアルバム『Be Here Now』のアートワークの中心に位置しているのが、カントリーハウスのプールに沈められたRolls Royce Silver Shadow IIで、これは、The Whoのドラマー、故Keith MoonがRolls Royceをプールに沈めたという逸話へのオマージュになっている(尚、MoonはFerrari Dinoを納車から1ヶ月も経たないうちに壊してしまったことでも知られている)。
The Streets:『The Hardest Way to Make an Easy Living』
The Streetsとして活動するMike Skinnerはヒップホップ、エレクトロニカ、自分を卑下するポエトリーをフレッシュに組み合わせたことで大成功を収めた。
The Streetsのセカンドアルバム『The Hardest Way to Make an Easy Living』のアートワークは、Skinnerが、本人所有の1967年製Rolls Royce Silver Shadowにもたれかかっている写真が採用されているが、残念なことに、この車にはステレオが搭載されていなかった。彼が浮かない表情をしているのかもしれないのはこれが理由なのかもしれない…。
Boom Boom Satellites:『Out Loud』
日本のエレクトロニック・デュオ、Boom Boom Satellitesは、1998年のデビューアルバム『Out Loud』にスタイリッシュなRenault Alpine A110をフィーチャーし、クラシックカーへの愛を表現した。
クラシックカーへの拘りについて質問された彼らは「1960年代後半から1970年代前半のスポーツカーが好きなんですよ。このような車の運転は、自分の手足を動かしているみたいにとても自然なんです」と回答している。
さすが、分かっている!
The Beatles:『Abbey Road』
車は、世界で最も有名なアートワークのひとつにもフィーチャーされている。そう、The Beatles『Abbey Road』だ。横断歩道を渡る4人の後ろには白いVW Beetleが映り込んでいるが、このナンバープレートはThe Beatlesの熱狂的なファン、いわゆる "ビートルマニア "たちによって過去に何回も盗まれている。また、このアートワークには、1967年製Triumph Herald 1200の姿も確認できる。
ちなみに、このナンバープレートは「ポール死亡説」とも繋がりがあるのだが、長くなるのでやめておこう…。
Neil Young:『Trans』
未来へようこそ! カナダが生んだロックアイコン、Neil Youngは1982年リリースのアルバム『Trans』で音楽性に変化を加え、ヴォコーダーを取り入れた未来的なサウンドを打ち出した。
カーマニアして知られるNeil Youngは、このアルバムで過去と未来を組み合わせた素晴らしいアートワークを採用しており、このアートワークは、左側には未来の車(DeLoreanとFord Probeを組み合わせたようなデザイン)と未来都市が描かれており、右側にはクラシックなFord Thunderbirdが1950年代の米国を走る様子が描かれている。余りにも1980年代な作風だがクールだ。
Teenage Fanclub:『Grand Prix』
1995年、このアルバムを見た多くの人は、スコットランド出身のインディーロックバンドTeenage Fanclubが世にも恐ろしいF1スポンサーシップの世界に飛び込んだと思っただろう。
この『Grand Prix』のアートワークに登場しているのはSimtek Formula Oneの実車だ。グラスゴーが生み出したパワーポップバンドが少し資金援助をしていたら、Simtekは1990年代中頃のF1シーンでもう少し長生きできたかもしれない…。