コードマスターズがF1公式レーシングゲームを毎年リリースするようになって久しいが、それ以前は様々なデベロッパーがF1マシンの咆哮を美しく再現してきた。というわけで、今回は数あるF1レトロゲームの中から5作品を選んで紹介しよう!
『スーパーモナコGP』
- プラットフォーム:アーケード / メガドライブなど
- リリース:1989年
セガの『スーパーモナコGP』はファーストパーソンビューが初めて採用されたF1ゲームで、それまでのトップダウンやサードパーソンビューではなく、ドライバー視点でF1マシンをドライブすることができた。
公式ライセンスを取得したゲームではなかったため、チームやドライバー名は実名をもじっていたが、引用元は簡単に理解できるようになっていた。また、このゲームは面白い裏ワザが存在していたことでも有名で、チェッカーフラッグを振っている人物にマシンごと突っ込めば、その人物が遙か彼方まで吹っ飛ばされる姿が楽しめた。
このゲームはゲーマーたちの間で人気を博したため、のちにアイルトン・セナとタイアップした続編『アイルトン・セナ スーパーモナコGP』も開発された。
『Microprose Formula 1 Grand Prix』
- プラットフォーム:Amiga / PCなど
- リリース:1991年
このゲームがリリースされるまで、F1ゲームにはアーケードタイプしか存在せず、リアリズムは追求されていなかった。しかし、この『Microprose Formula 1 Grand Prix』がすべてを変えた。
F1ゲーム史上初の本格派だったこの作品は、レーシングゲームジャンル全体を通じての初の本格派としても高い評価を得た。
また、当時はまだ珍しかったポリゴンを使用していた『Microprose Formula 1 Grand Prix』はマシンのチューニングが初めて導入されたゲームとしても有名だった。変更できたのはギアレシオ、タイヤコンパウンド、ウイングなど基本的な部分だけだったが、当時としては十分に画期的だった。
さらに言えば、このゲームは世界初のオンラインレーシングゲームのひとつでもあったが、1990年代初頭のインターネット回線の速度は限りなくゼロに近かったため、オフラインでドライブしたタイムをサーバーにアップし、そのタイムを集計して "オンライン" ランキングを決めるというシステムだった。
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『Formula One』
- プラットフォーム:PlayStation
- リリース:1996年
PS1の登場と共に、家庭用ゲーム機のF1ゲームには新次元のリアリズムが持ち込まれた。公式ライセンスを取得していたこのゲームは、のちに『Project Gotham Racing』シリーズを開発するBizarre Creationsによって開発された。
『Formula One』は素晴らしいビジュアルとフィーリングを誇っていたが初めて実況が収録されたF1ゲームでもあり、サウンドも最高だった。日本版は実況に三宅正治、解説に今宮純、コメンテーターに川井一仁が起用されており、ライバルを追い抜いて優勝した時の感動はひときわ大きかった。
しかし、このゲームの特徴はリアリズムの追求だけではなかった。ハワイを舞台にした架空の裏ステージも収録されており、好成績を残せばアンロックできるようになっていた。
『F-1 World Grand Prix』(NINTENDO 64)
- プラットフォーム:NINTENDO64
- リリース:1998年
NINTENDO 64は本格的なレーシングシミュレーションが充実していなかったため、『F-1 World Grand Prix』の素晴らしさはひときわ目立った。
1997シーズンのF1をベースに開発されたこのゲームでは実名のチーム、ドライバー、コースを楽しむことができた(ジャック・ヴィルヌーヴが契約上収録されなかったが、他のドライバーたちはすべて実名で登場している)。また、F1ゲームとしては最もシビアな部類に入る天候変化が採用されており、たとえば、土砂降りのコンディションではハンドリングに苦しむことになった。
しかし、このゲーム最大の特徴は何と言ってもCHALLENGEモードだろう。このモードでは1997シーズンで実際に起きたシーンの再現が楽しめたため、イタリアGPでジャン・アレジをオーバーテイクしようとするデビッド・クルサードのドライブなどが追体験できた。
『F1 2011』−『F1 2013』
- プラットフォーム:PS3 / Xbox 360 / PC
- リリース:2011年〜2013年
レーシングゲームのスペシャリスト、コードマスターズがF1の公式ライセンスを取得したというニュースが届いたとき、レーシングゲームファンは大いに盛り上がった。『Colin McRae Rally』や『TOCA Touring Car』シリーズなどを手がけてきたコードマスターズはモータースポーツを熟知しているデベロッパーだったからだ。
そして、当然ながら2011年から2013年までにリリースされたこの3作は、F1のドライビングエクスペリエンスを見事なまでに再現しており、コースとマシンは些細な部分までディテールが追求されていた。
往年のマシン、ドライバー、コースが収録されている『F1 2013』はさらに踏み込んだゲームに仕上がっており、プレイヤーは1988シーズンのナイジェル・マンセルとしてウィリアムズのマシンをドライブするなど、当時のビデオゲームでは再現できなかったクラシックレースが楽しめた。
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