Gaming
Nintendo Entertainment Systemは今年で30歳になる。30年前の10月18日、任天堂は日本のファミコンを再デザインした機種NESを北米でリリースし、ローンチタイトルとして『スーパーマリオブラザーズ』、『エキサイトバイク』、『ゴルフ』も同時にリリースした。
発売から長い道のりを経て、ビデオゲームは大きく進化したが、時が経ったとはいえ、未だに楽しくプレイできるファミコンソフトは沢山ある。
そこで今回は、Wii Uと3DSのバーチャルコンソールでも入手可能な、我々のお気に入りのファミコンソフトのリストを紹介する。世界を震撼させた数々のゲームをプレイするよりも、NESの30歳の誕生日を飾るにふさわしいものはない。
『スーパーマリオブラザーズ』シリーズ
まずは当然のチョイスから紹介する。ファミコン時代の 『マリオ』シリーズ4本すべてだ。『スーパーマリオブラザーズ』、『スーパーマリオブラザーズ2』、『スーパーマリオUSA』、『スーパーマリオブラザーズ3』は、いずれも2Dアクションゲームにおけるマスタークラスのゲームデザインを誇る。 先日『スーパーマリオブラザーズ』と『スーパーマリオブラザーズ3』のステージがデザインできる『スーパーマリオメーカー』がリリースされたばかりだが、このゲームは、これらの旧作品群が時と共に色褪せることなく、何度でもプレイできることを示している。なんらかの理由でこれらの名作シリーズを一度も買ったことがないという人は、今すぐ購入してほしい。NESの30周年は、まずこのシリーズのプレイから祝いたい。
『パンチアウト!!』
元々はアーケードゲームだった任天堂の『パンチアウト!!』は未だに記憶に鮮明に残っているタイトルで、素晴らしいキャラクタースプライトが用いられている。この印象的なキャラクタースプライトを実現させているのが、内蔵されている特殊なチップで、小さなスプライトを合成して大きなスプライトを生み出すこのチップがなければ、当時のファミコンはこのレベルのグラフィックを処理できなかった。こうして、印象的な対戦キャラクターが多数登場するアーケードスタイルのこの素晴らしいボクシングゲームが生み出された。
『ロックマン』シリーズ
2Dアクションゲームの達人だと自負する人は、是非『ロックマン』シリーズをプレイして、その自信が一瞬で脆く崩れ去る様を体験して欲しい。このカプコンの名作シリーズは、超難解なステージデザイン、強力なボス、最高の8ビットミュージックのひとつを融合している。現在、ファミコン時代の『ロックマン』シリーズ全6作がバーチャルコンソールで入手できるが(Xbox One・PS4・PCでリリースされた『Mega Man Legacy Collection』もある)、ひとつだけで結構だという人には『ロックマン2』がオススメだ。
『メトロイド』
多くのゲーマーたちはサムス・アランの初めての冒険となるこの作品に驚愕した。しかしそれは、この作品が、任天堂が従来の一直線のステージとは異なり、好きなルートで探索できる自由度の高いステージを初めて導入した作品のひとつだったからではない。ゲームをクリアしたあとで主人公が女性だということを知ったからだ(同梱されていた説明書を作成した人たちもサムスを男性と思っていたらしい)。本作はゲームボーイの開発者としても知られる横井軍平がプロデュースしたアドベンチャーゲームで、名場面がぎっしりと詰め込まれているので是非最後までプレイしてほしい。
『光神話 パルテナの鏡』
『スマッシュブラザーズ』のファンなら『光神話 パルテナの鏡』のピットのことは知っているだろう。この難易度の高いアクションゲームは、『メトロイド』の開発チームによる作品だ。主人公のピットが光の女神パルテナを救うために、悪しきメデューサを倒しに冥府界からエンジェランドを旅するというストーリーだ。髪の毛をかきむしりたくなるほど難易度は高いが、ゲームを進めるにつれてパワーアップしていくので、満足度もかなり高い。サウンドトラックも秀逸だ。
『ゼルダの伝説』&『THE LEGEND OF ZELDA 2 リンクの冒険』
オリジナルの『ゼルダの伝説』についてはこれまで多くのことが書かれてきた。これは、主人公のリンクを初めて世界に解き放ったトップダウン型アドベンチャーゲームの名作で、内蔵バッテリーでカートリッジにデータ保存ができる機能をゲーム史上初めて導入したゲームでもあった。しかしシリーズそのものを完全に別の切り口から作り直した『THE LEGEND OF ZELDA 2 リンクの冒険』も忘れてはいけない。『ゼルダの伝説』シリーズ唯一の横スクロールで、RPGスタイルのレベルアップシステムが導入された唯一の作品でもある。シリーズのファンには是非チェックしてもらいたい、好奇心をくすぐる作品だ。
『悪魔城ドラキュラ』
『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』は、数多くの「ゲーム史に残る名作」ランキングに顔を出しているが、『悪魔城ドラキュラ』シリーズのオリジナルとなるこの作品はファミコンでリリースされた。シモン・ベルモンドがドラキュラ城の中を詮索しながら途中でメデューサやフランケンシュタインといった怪物たちと戦っていくゲームだが、主人公シモン・ベルモンドの人気があまりにも高かったため、任天堂が土曜の朝に米国で放送していた『Captain N: The Game Master』という子供向けのアニメにピットやロックマンと一緒に登場することになった。しかし『ドラキュラII 呪いの封印』はプレイしないほうがいい。あれは最悪だ。
『ダウンタウン熱血物語』
北米では『River City Ransom』として知られていた本作は、ファミコンで最も愉快な横スクロール格闘アクションゲームだ。プレイヤーは高校生の “くにお” と “りき” を操作して、不良のリーダー “やまだ” からヒロイン “まみ” を救うために街を進んでいく。一見しただけでは、様々な喧嘩に巻き込まれるだけのゲームに思えるが、細部まで作り込まれているRPGシステムや、パワーアップに使えるショップの豊富さが、この『ダウンタウン熱血物語』を名作のひとつにしている。正しい評価が得られなかった知られざる名作のひとつだ。特にヨーロッパでの人気は低かった。
『MOTHER』
やや上の年齢層に属している日本国外のプレイヤーならば、これまでに紹介した作品は全てプレイ済みのはずだが、この作品に限ってはリアルタイムでプレイした記憶がないはずだ。傑作RPGの『MOTHER2』(欧州・北米版『Earthbound』)がスーパーファミコンでリリースされる前に、日本国内では第1作『MOTHER』がファミコンソフトとしてリリースされていた。今年になってようやく英語版にローカライズされ、新しい名前(欧州・北米版『Earthbound Beginnings』)と共に欧米で公式リリースされた。原始的なルックスとは裏腹に本当に素晴らしい内容のRPGだ。