障害物レース(Obstacle Course Racing / OCR)はここ数年大きな盛り上がりを見せており、どのイベントも、自分たちこそ世界最大・最高だと謳っている。完走者をほとんど出さないように企画されている元祖障害物レースTough Guyがスタートして以来、このスポーツは進化を続けており、今や世界中で多くの人たちがTough Mudder、Rat Race、スパルタンレースなど、様々なイベントに参加している。
その多くのイベントが独自の距離やレベルを設定しており、中には超高難度のエクストリームなものも存在する。今回は究極のチャレンジを提供している障害物レースをいくつか紹介しよう。
Commando Challenge
- 開催地:米国
- 距離:13km以上
- 特徴:米国陸軍最強部隊の訓練をベースにしたチーム戦
このイベントは “3週間の地獄” と呼ばれる、米国陸軍特殊部隊(グリーンベレー)選抜コース(Special Forces Assessment & Selection Course)がベースになっている。伝統的な障害物レースとは異なり、このイベントを走破するためには、障害物を乗り越えることはもちろん、チームワークと頭脳も必要になる。
関係者コメント:「Commando Challengeは障害物レースの中で最も厳しいワンデイイベントだ」
ウェブサイト:www.greenberetchallenge.com
Shale Hell / Polar Bear
- 開催地:バーモント州ベンソン(米国)
- 距離:10km
- 特徴:パーマネントコースで開催される24時間レース(夏) / 8時間レース(冬)
会場として使用されている、80以上の障害物が設置されているパーマネントコース(オリエンテーリング用常設コース)は、その名の通り、障害物レースマニアが通年使用できるものだが、この2つのイベントが開催されるのは夏と冬の年2回で、時間内に障害物をひとつもスキップすることなく最多ラップを記録したアスリートが勝者になる。
関係者コメント:「Shale Hellは制覇できるかどうかよりも、生き残れるかどうかだ。覚悟しておく必要がある」
ウェブサイト:www.shalehilladventure.com
Iron Viking
- 開催地:オランダ / ドイツ / ベルギー / デンマーク
- 距離:42km
- 特徴:100以上の障害物が置かれている世界で最もタフなマラソン
Iron Vikingが含まれる障害物レースシリーズ、Strong Vikingは、その名の通りバイキング(Viking)をテーマにした水・丘・泥の障害物が大量に用意されているが、Iron Vikingniには、20km・14km・8kmの3種類のコースを連続で走らなければならないという独自のルールが設定されており、「Storm the Castle(城攻め)」、「Dragon Tails(竜の尻尾)」、「Fjord Drop(フィヨルド・ドロップ)」など、ユニークな名前の障害物が用意される。
関係者コメント:「名前の元になっているバイキングはタフで強靱で、仲間意識の強いアドベンチャーを好む海賊だった」
ウェブサイト:www.strongviking.com
Spartan Agoge
- 開催地:アイスランド
- 時間:60時間
- 特徴:鍛錬 / 試練 / 評価の場
Peak Death Raceから派生したスパルタン(Spartan)シリーズは、日本を含む世界各地でクラシックな障害物レースを展開しているが、そのひとつ、Spartan Agogeは特殊なイベントで、参加するためには、スパルタンシリーズに含まれているHurricane HeatかUltra Beastを最低1回は経験しておく必要がある。Spartan Agogeは、7世紀のスパルタの教育制度をベースにした全60時間の「鍛錬・試練・評価」の場で、エリート兵士用トレーニングと座学を組み合わせている。
関係者コメント:「Spartan Agogeに挑むには、フィジカルとメンタルを限界まで追い込みつつ、人生で学んできた全てを出し切る必要がある」
ウェブサイト:www.spartan.com
World’s Toughest Mudder
- 開催地:ラスベガス湖(米国)
- 時間:24時間
- 特徴:24時間耐久障害物レース
障害物レースTough Mudderのフラッグシップイベント、World’s Toughest Mudderでは、400mごとに障害物が置かれている全長8kmのコースを24時間走り続けることになる。障害物には、氷水が張られている池や、1万ボルトの電流が流れる有刺鉄線などが含まれる。尚、テレビ中継もされるこのイベントを制した男子・女子・チームのトップアスリートには、それぞれ1万ドル(約113万円)が渡される。
関係者コメント:「World’s Toughest Mudderは、地球上で最もエクストリーム・過酷・派手・強烈な24時間耐久障害物レースだ」
ウェブサイト:www.toughmudder.com/wtm2017
Dirty Double
- 開催地:スタンフォード(英国)
- 距離:64km
- 特徴:アフターパーティも楽しめる大障害物レース
世界最大の軍事訓練場を2周するこのイベントの参加者は、全長64kmに置かれた400の障害物に挑まなけらばならない。このイベントでは、ロードコーン(カラーコーン)を持ちながら走ったり、車の下をくぐり抜けたり、高さ9mから飛び降りたり、世界最長のモンキーバー(うんてい)をクリアしたり、湖を泳いだりしなければならないが、トップバンドが演奏するアフターパーティが疲れた体を癒やしてくれる。
関係者コメント:「Dirty Doubleは、世界最大の軍事訓練場で開催される世界最大の障害物レースウィークエンドだ」
Ridiculous Race
- 開催地:オーストラリア
- 距離:5km
- 特徴:テレビ番組にインスパイアされた巨大障害物
これは究極のチャレンジを提供するイベントではなく、今回のリストの中では最も簡単な部類に入るイベントだ。しかし、他とは違う特徴がある。このイベントのコースには、テレビ番組にインスパイアされた空気注入式の12の障害物が置かれており、その中には巨大なレッキングボールや、大ジャンプ、ビルの高さ4階分のウォータースライドなどが含まれている。
ウェブサイト:www.rocrace.com.au
Red Bull Neptune Steps
- 開催地:グラスゴー(英国)
- 距離:420m
- 特徴:7個の水門に仕切られた全長420mの冷たい川を泳いで18m上まで登る
Red Bull Neptune Stepsは、フォース&クライド運河の冷たい水に600人の参加者が飛び込んで高低差18mを登りながら泳ぐ究極のオープンウォーター耐久レースだ。全長420mのコースは7個の水門で仕切られており、参加者は水門を乗り越えて泳ぎ続ける必要がある。
2018年の参加者は現在募集中:参加登録はこちら>>
OCR European Championships
- 開催地:デンマーク(2018年)
- 距離:3km(ショート) / 15km(スタンダード)
- 特徴:ヨーロッパ障害物レース協会が主催するヨーロッパ選手権
3年目を迎えたヨーロッパ最強を決めるこのイベントには50の障害物が用意されており、その障害物の中には、タイトルに恥じない最高難度のオリジナルデザインはもちろん、ヨーロッパを代表する障害物レースで使用されているものも含まれている。ヨーロッパの障害物レースシーンを代表するトップアスリートが参加することでも知られている。
関係者コメント:「ヨーロッパ最強のアスリートたちと、世界最高難度の障害物レースコースを走れるチャンスだ」
OCR World Championships
- 開催地:オンタリオ(カナダ)
- 距離:15km
- 特徴:障害物レース世界選手権
公式予選に認定されているレースで優勝したアスリートしか参加できないOCR World Championshipsは、エリート中のエリートのためのイベントだ。開催地とコースは毎年変更されるが、どの年も50の障害物が置かれている厳しい山岳地帯が会場に選ばれており、2018年も障害物レース史上最高のフィニッシュラインが用意されている。
関係者コメント:「2017年は65カ国から参加者が集まったOCR World Championshipsは、ベスト・オブ・ベストが集まる世界最大の障害物レースだ」