Bruna Kajiya trains prior to Red Bull Rally dos Ventos at Lencois Maranhenses National Park in Barreirinhas, Brazil on September 14, 2017
© Marcelo Maragni/Red Bull Content Pool
カイトボード

世界のオススメカイトサーフィンスポット 10選

一生の思い出になるカイトサーフィン・トリップを体験したい人のために、世界各地に点在する絶品スポットの数々を紹介!
Written by Will Gray
読み終わるまで:9分公開日:
必要なギアをすべてバッグにまとめて身軽に世界を巡りたい人にとってカイトサーフィンは理想的なスポーツだ。しかし、ベストスポット選びは決して簡単にはいかない。
安定している風穏やかな天候読みやすい波(または完全にフラットな水面 — これは個人の好みだが)は絶対必要条件だが、グッドバイブスに満たされていなければパーフェクトなスポットとは言えない。
カイトサーフィンは未知の場所へ連れ出してくれる

カイトサーフィンは未知の場所へ連れ出してくれる

© Nick Muzik/Red Bull Content Pool

ありがたいことに、ペルーのワイルドな海岸線、マウイの絶品ビーチ、遠く離れたカーボベルデの島々、タリファのカイトサーフィン天国など、世界にはそのような素晴らしいスポットが数多く存在している。
凄腕フリースタイラー、ビッグウェーブライダー、完全な初心者を問わず、思う存分カイトを広げて水上を駆けることができる世界最高のカイトサーフィンスポットを10カ所紹介しよう。

1:マウイ島

  • 場所:ハワイ(米国)
  • 最寄り空港:カフルイ空港
  • ベストシーズン:通年(3月〜10月は風が強く、10月〜3月はビッグウェーブ)
1996年に世界初のカイトサーフィン大会が開催されたマウイ島は、このスポーツをメインストリームへと押し上げるきっかけとなった場所だ。
温暖な気候と安定した風を備え、陸ではクールなパーティムードが楽しめるマウイ島は昔も今もベストロケーションだ。
マウイはカイトサーフィン発祥の地のひとつ

マウイはカイトサーフィン発祥の地のひとつ

© Erik Aeder/Red Bull Content Pool

50km近くビーチが続くマウイ島では、他のウォータースポーツとの競合を避けるべくサーフスポットが丁寧に分割されている。夏に北東から吹きつけてノースショアに沿って加速する風速15〜25ノット(約28〜46km/h)の風がこの島をベストロケーションにしている要因だ。
ホキオパ・ビーチパークが人気スポットだが、十分なスキルと勇気があるなら冬に悪名高きジョーズに立ち向かっても良いだろう。
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2:タリファ

  • 場所:南スペイン
  • 最寄り空港:ジブラルタル空港(45分)/ ヘレス空港(1時間30分)/ マラガ空港(1時間45分)
  • ベストシーズン:4月〜11月(混雑が少なくなるのは4月〜6月、9月〜11月)
  • 特記事項:GKA Kite World Tour開催地(カイトサーフ&フリースタイル)
アクセスに優れているタリファはあらゆるレベルのカイトサーファーに最適なヨーロッパを代表するスポットだ。
全長10kmのビーチ、絶え間ない強風(ピクニックには向いていない)、年間300日以上の晴天と条件が揃っている上に、長閑だが快活なバイブスと絶品のスペイン料理も楽しめる。
タリファでは年1回Masters of Kiteboardが開催されている

タリファでは年1回Masters of Kiteboardが開催されている

© Carrascosa Fotógrafos

タリファをトップスポットにしている理由は、ヨーロッパ大陸とアフリカ大陸の間に温暖な風を流し込むジブラルタル海峡だ(タイミングが良ければタリファからはアフリカ大陸が見える)。“レヴァンテ(Levante)” と呼ばれるこの風は非常に強く、7月〜10月に最大となる。

3:ラ・ヴェンターナ

  • 場所:バハ・カリフォルニア州(メキシコ)
  • 最寄り空港:ラパス空港(1時間)/ ロス・カボス国際空港(2時間)
  • ベストシーズン:11月〜3月
バハ・カリフォルニア州の東側に位置するUNESCO世界遺産としても知られる美しいL字形のラ・ヴェンターナ湾は、時として完全に凪になる波、温暖なターコイズ色の海、あらゆるレベルのカイトサーファーに理想的なウインドコンディションが特徴だ。昨年からビーチ奥のラグーン(礁湖)がカイトパークに転用されている。
広くて人が少ないビーチはローンチしやすいサイドショアが吹き、朝夕の時間帯は初心者に最適な風速に落ちるが、日中は上級者好みまでスピードアップする。この小さな漁村エリアは太陽が沈んだあと美味しい魚料理を楽しむのにも最適だ。

4:カルピティヤ

  • 場所:スリランカ
  • 最寄り空港:バンダラナイケ国際空港(3時間)
  • ベストシーズン:5月〜9月
カルピティヤのリゾートはスリランカ西側にある細い砂州に位置しており、インド洋から押し寄せる強力なスウェルからスリランカ本島を守っている。
カルピティヤでは常時風速20〜30ノット(約37〜55km/h)の風が吹いており、女子フリースタイルワールドチャンピオンのミカイリ・ソルをはじめとするプロライダーの練習スポットとして人気が高い。
カルピティヤはカイトサーフィン初心者に最適

カルピティヤはカイトサーフィン初心者に最適

© Dimitri Crusz/Red Bull Content Pool

平坦で長く、幅もあるサンゴ礁で知られるカルピティヤは初心者にも最適だ(付近に多数のカイトサーフィンスクールが存在するのはこれが理由)。しかし、砂州を越えた外海側は上級者用コンディションを求めるカイトサーファーが楽しめる波を提供している。冬が特にオススメだ。
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5:エッサウィラ

  • 場所:モロッコ
  • 最寄り空港:マラケシュ空港(2時間30分)
  • ベストシーズン:3月〜10月
アクセスに優れているこの漁港への旅は、あらゆる旅行者に真のモロッコを体験させてくれるが、沖合に浮かぶ小島によって大西洋の荒波から守られている緩やかな傾斜の全長4kmのビーチがここを北アフリカ屈指のカイトサーフィン・スポットにしている。
クロスショアのエッサウィラは人気のスポット

クロスショアのエッサウィラは人気のスポット

© Vysotsky/Wikimedia Creative Commons

さらに南に位置するダフラはカイトサーフィン世界選手権の開催地だが、外洋から閉ざされているエッサウィラは、スキル習得に適している安定した風と長く穏やかな波を擁している。
しかし、エッサウィラ周辺は初心者・中級者専用ではない。ビッグウェーブを求めているなら、近隣のシディ・カウキムレへ向かってみよう。

6:ムイネー

  • 場所:ベトナム
  • 最寄り空港:ホーチミンシティ(タンソンニャット)国際空港
  • ベストシーズン:11月〜3月がベストだが5月〜10月もOK
南シナ海に面したヤシの木が立ち並ぶビーチを擁するムイネーは、アジアにおけるカイトサーフィンの首都だ。
1年の約3分の2で風速12ノット(約22km/h)以上の風が吹き、夏は穏やかな南風、冬はより安定している最大風速40ノット(約74km/h)の北風が吹く。
ただし、ムイネーはパーフェクトではない。
悲しいかな、ムイネーはかつての人気(ひとけ)のないパラダイスから人混みのリゾートへ変わっており、汚染やプラスティックごみで海も以前ほど綺麗ではなくなっている。また、ビーチの中央部は砂ではなくコンクリートで埋め立てられている。
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7:クムブコ

  • 場所:ブラジル北東部
  • 最寄り空港:フォルタレザ / ピント・マルチンス国際空港(45分)
  • ベストシーズン:7月〜12月
  • 特記事項:GKA Kite World Tour開催地(フリースタイル)
ブラジル・フォルタレザ地方は陽光降り注ぐ多数のビーチリゾートに恵まれており、1年を通してクロスショアの貿易風が吹きつけている。強風を吹き下ろす砂丘を背中に抱える活気溢れる漁港クムブコは傑出したカイトサーフィンスポットだ。
クムブコと近隣のウルアウはブラジル最高のカイトサーフィン・スポット

クムブコと近隣のウルアウはブラジル最高のカイトサーフィン・スポット

© Ydwer van der Heide/Red Bull Content Pool

遠浅のラグーンが広大でフラットな海面を提供しており、南側は初心者向け、北側はよりチャレンジングな中・上級者向けとなっている。
奥の方では、砂州が生み出す手応えのある波が楽しめる。そして、日中のアクションを終えたあとも、クムブコほど日没を眺めながらリラックスするのに最適なスポットはない。
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8:ソタヴェント

  • 場所:フエルテベントゥーラ島(カナリア諸島)
  • 最寄り空港:フエルテベントゥーラ空港(1時間)
  • ベストシーズン:5月〜9月
  • 特記事項:GKA Kite World Tour開催地(フリースタイル)
ヒントは地名にある。「フエルテベントゥーラ(Fuerteventura)」とは、ポルトガル語で「強風」を意味し、長年ワールドツアーをホストしてきた島南東部の人気スポット、ソタヴェントをはじめ、この島にはその風を最大限楽しめるスポットが多数点在する。
ソタヴェントの全長4kmのビーチでは最高のカイトサーフィンが楽しめる

ソタヴェントの全長4kmのビーチでは最高のカイトサーフィンが楽しめる

© Dirk Vorderstraße/Wikimedia Creative Commons

ソタヴェントは理想的なスポットで、全長4kmのトロピカルビーチ沿いに腰までの深さのラグーンが広がっており、あらゆるレベルのカイトサーファーたちが楽しめるフラットでラフな海面を提供している。
初心者向はコラレホに向かっても良いだろう。また上級者ならさらに北へ向かおう。最も強烈な風を味わいたいなら冬に訪れるべきだ。
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9:サル島

  • 場所:カーボベルデ(アフリカ)
  • 最寄り空港:アミルカル・カブラル国際空港
  • ベストシーズン:10月〜5月
  • 特記事項:GKA Kite World Tour開催地(カイトサーフ)
ヨーロッパのオフシーズンの短期旅行先として人気が高いこの小さな島は、カナリア諸島から2時間南下したところにある。
気温は20℃台前半〜後半で、冬は平均風速20ノット(約37km/h)の風が安定して吹くサル島は、全員に最適なスポットだ。
サル島最高のカイトサーフィン・スポット、コスタ・ヂ・フラガータ

サル島最高のカイトサーフィン・スポット、コスタ・ヂ・フラガータ

© Franzfoto/Wikimedia Creative Commons

ここでのカイトサーフィンは島内唯一の町サンタマリア周辺に集中しており、東側のカイト・ビーチは横方向のオンショアの風と程よい波を提供し、南側のビーチではフラットな海面を存分に楽しめる。
西側のポンタ・プレタ・ビーチではチャレンジングでスピーディなビッグウェーブが楽しめ、この特徴がこの島をGKA Kite World Tour開催地にしている。
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10:パラカス

  • 場所:ペルー南西部
  • 最寄り空港:ホルヘ・チャベス国際空港 / リマ(3時間30分)
  • ベストシーズン:9月〜5月(ベストウェーブは10月〜12月)
  • 特記事項:GKA Kite World Tour開催地(レース)
パラカスは世界で最も風が安定しているスポットのひとつで、風が吹かない日は年に1日あるかないかだ。
サント・ドミンゴ・ベイのフラットな海面をたたえた巨大なU字型のラグーンは初心者だけではなく、ハイスピードでムーブを練習したいフリースタイル・カイトサーファーにも理想的だ。
しかし、砂漠に囲まれたこの静かな街の魅力はフラットな海面だけではない。人気のサント・ドミンゴ・ベイの南側に位置するスパイプラヨンではビッグウェーブが楽しめる他、サラテでは小さいながら安定していて長さもある波が楽しめる。