Gaming
1週間に渡り開催され、260万ドルを集めた【Awesome Games Done Quick 2023】(以下【AGDQ 2023】)が終了した。
2023年1月8日から15日まで開催されたこのリアルタイムアタック(スピードラン)イベントでは、タイムを競い合う素晴らしいプレイがライブ配信され、寄付金を含む会期中の収入はガン予防の非営利団体Prevent Cancer Foundationへ寄付された。
【Summer Games Done Quick 2022】に引き続き、【AGDQ 2023】もオフライン開催ではなくオンライン開催となったが、これがプレイのクオリティを落とすことはなかった。今回は、すべてのタイトルの中からベストと思えるタイトルとそのプレイを8つ選んで紹介する。
01
『ミラーズエッジ カタリスト』
- カテゴリー:New Game+
- 記録:53分1秒
- プレイヤー:CodeNameMeteor
『ミラーズエッジ』は世界中のスピードランナーたちの間で人気が高かったが、特に不思議なことではない。突き詰めれば、パルクールをベースにしていたこのゲームはA地点からB地点までできるだけ早く向かうことが目的だったからだ。しかし、【AGDQ 2023】のCodeNameMeteorは第2作を選択した。
この作品は前作ほど売れなかったが、スピードランナーたちを熱狂させるという意味では同レベルの成功を収めているようだ。尚、この動画の実況(英語)は非常に細かく、使用されているテクニックなどが丁寧に説明されている。
27分
パルクール ABC
あらすじ: 大自然や大都市の中を走り・跳び・登るスポーツとして知られるパルクールは全身を限界までプッシュする。予想不可能でアスリートの芸術性によって進化を続けてきたこの予想不可能なモダンスポーツのすべてを学ぼう。【過酷なスポーツの基本(シーズン1/日本語字幕)】
02
『スーパーマリオブラザーズ3』
- カテゴリー:Any% Warpless
- 記録:52分24秒
- プレイヤー:mitchflowerpower
イベントのトリを飾ったのが『スーパーマリオブラザーズ3』だった。今回はWarpless(ワープなし)が採用され、米国の人気テレビ番組『The Late Night Show with Steven Colbert』に出演したこともあるトッププレイヤーmitchflowerpowerがプレイした。
mitchflowerpowerが自宅から配信したことで生まれたアドバンテージのひとつが、成功率1%と言われている非常に高難度なテクニックにチャレンジできたことだった。
尚、mitchflowerpowerはレッドブル・プレイヤーGrandPOObear最大のライバルのひとりと言われてきたプレイヤーとしても知られている。『スーパーマリオブラザーズ3』はGrandPOObearがスピードランに本格的に取り組んだ初めてのタイトルで、当時2人はしのぎを削り合っていた。
03
『メタルスラッグ』
- カテゴリー:Any%
- 記録:12分40秒
- プレイヤー:ChairGTables
スピードラン動画で盛り上がりたいなら、SNKのクラシックアクションシューティング『メタルスラッグ』のこのスピードランをチェックすべきだ。プレイヤーChairGTablesのパワフルなマシンガントークとプレイを見聞きしていると、自分でもプレイしているような気分になる。
ChairGTablesのプレイが豪快であるがゆえに、画面上がカオスになる瞬間もいくつかあるが、それでもテクニックに関する細かい解説(英語)が失われることはない。12分40秒という記録は内容の濃さを考えると丁度良い長さだ。
9分
第2話: アーケードゲーム
第2話あらすじ: 日本のアーケードゲーム(ゲームセンター)カルチャーに焦点を当てた第2話。 1970~80年代のゲームセンター黎明期の話題を筆頭に、各業界のゲーム関係者へのインタビューも行い、アーケードカルチャーの「あの頃」、「いま」、そして「これから」に迫っていく。【日本のゲームカルチャー(シーズン1/日本語字幕)】
04
『Neon White』
- カテゴリー:Any%
- 記録:37分36秒
- プレイヤー:Blaidan
2022年最大のインディータイトルのひとつが『Neon White』だった。このゲームはベースがすでにスピードランに最適なデザインになっているため、コミュニティの間ですぐに人気タイトルになったのは当然だった。
Blaidanは純粋なゲームプレイだけで記録に挑戦しており、興味深いジャンプやゲームのメカニックを賢く活用したテクニックがいくつも盛り込まれたハイスピードプレイを披露している。『Neon White』はRTAを始めてみたいビギナープレイヤー向きの作品と言えるので、気になった人は是非試してもらいたい。
05
『StepMania』
- カテゴリー:ショーケースデモ
- プレイヤー:dimo
『Games Done Quick』シリーズはスピードランだけではなく、非常にテクニカルなゲームのショーケースデモの視聴にも最適なイベントだ。たとえば、過去には『テトリス ザ・グランドマスター』のショーケースデモが行われている。
そして今回は『StepMania』のハイレベルなショーケースデモが行われた。『StepMania』はアーケードタイトル『DanceDanceRevolution』のシミュレーターとして知られており、専用コントローラーと同じ操作方法で楽しめる。
このデモでは華麗な足さばきが確認できるが、同時にゲームの情報やメカニックの細かい解説(英語)も必聴だ。毎度のことながら、このイベントでニッチなシーンに出会うのは楽しい。
06
『Tony Hawk’s Pro Skater 4』
- カテゴリー:All Goals
- 記録:38分5秒
- プレイヤー:Nase
近年、スケートボードゲームはシミュレーター指向が強まっている。もちろん、『オリオリワールド』のような例外もあるが、『Sessions: Skate Sim』や『Skater XL』などのビッグタイトルはシミュレーター要素が強い。
スマッシュヒットとなった『Tony Hawk’s Pro Skater 1+2』でさえこの流れを変えることはできず、『Tony Hawk’s Pro Skater 3+4』のリリースの話も出ていたが、残念ながらこの話もなくなった。
しかし、アーケードタイプのスケートボードゲームを楽しみたいなら、『Tony Hawk’s Pro Skater 4』の全目標をクリアするNaseのスピードランを視聴するのが良いだろう。
07
『Mortal Kombat: Shaolin Monks』
- カテゴリー:Any%
- 記録:17分57秒
- プレイヤー:Elfinout
現在、『モータルコンバット』シリーズは世界レベルで見れば一般層で最も売れている格闘ゲームであり、マニアックなイメージからの脱却に成功している。
しかし、このシリーズがポップカルチャーとして最大の成功を収めたのは1990年代で、スピンオフの『Mortal Kombat: Shaolin Monks』もこの頃にリリースされた。尚、この2Dスクロールアクションは協力プレイも楽しめる。
このスピードランの実況は『鉄拳』シリーズと『モータルコンバット』シリーズのトーナメントでコメンテーターを担当していることで有名なPND Ketchupが担当しており、その充実した内容がElfinoutのプレイを上手く支えている。
08
『ミュータント タートルズ:シュレッダーの復讐』
- カテゴリー:2v2チーム対戦
- 記録:1時間23秒
- プレイヤー:GeneralAndrews / Dospostmann / Benja / Paul-Knives
協力プレイとくれば、『ミュータント タートルズ:シュレッダーの復讐』だろう。このベルトスクロールアクションは2022年にリリースされたばかりだが、現在のビデオゲームシーンでもこのジャンルに一定のニーズがあることを証明した。
【AGDQ 2023】でのスピードランでは協力プレイのお手本が確認できる。2v2のチーム対戦だが、重要なのは "挑発" だ。挑発をするとゲージを溜められるので、素早く必殺技を出せるようになる。
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