2017年5月20日〜21日の2日間、京都勧業館みやこめっせ(京都府京都市)にて、インディーゲームの祭典"A 5th of BitSummit"が開催された。
来場者数は、前年の6435人から約45%増の9346人。2013年に第1回が開催された時は"一部のインディーゲームデベロッパー同士のお祭り"といった意味合いが強かったが、昨今は、任天堂やソニー・インタラクティブエンタテインメントといったゲームメーカーが自社コンソールで遊べる新作インディーゲームを多数ブース出展している。そして、インディーに活動の場を広げる著名ゲームクリエイターたちがステージ上で講演する現在のイベントのスタイルは、全ゲームファンに向けられた一大フェスティバルといった様相である。
"インディー"というキーワードが、ビデオゲーム業界のコンサバティブな流れに対する、ほどよいカウンターの旗標として機能していることは、大局的な観点からしても望ましいことだ。
"A 5th of BitSummit"の開催2日目同日、会場すぐそばの施設ロームシアター京都内の小さな会議室で、ゲーム展示会イベント"ConnectFest 〜BitSummitに憧れて 2017〜"が開催されていた。主催は大学生。入場料は無料。展示されているゲームは10数作品……と、"本家"とは比較するべくもない規模のイベントだが、室内はゲーム制作に情熱を傾ける若者たちの活気で満ちていた。以下に、展示されていたゲームの一部を紹介する。
本イベントを主催した団体"Connect"は、"関西学生ゲームコンソーシアム"の別名が示す通り、ゲーム制作関連のイベントによって各種団体間の交流を促している。現在加盟しているのは、立命館大学映像部自主ゼミOGCと、和歌山大学協働教育センター内プロジェクトCGPの2つのみだが、今回のような外部に向けたイベントを重ねることで、さらなる広がりが期待される。
"Connect"を設立したOGC所属の学生は、昨年の"Bitsummit"に作品を出展し、多くの来場者にプレイしてもらったことがきっかけでメンバーのモチベーションが上がり、技術も大いに向上したという。今回のイベントの開催スタイルが独創性に優れているかはひとまずおき、"作ったゲームは多くの人の目に触れ遊んでもらってこそ"、"デベロッパー同士が刺激を受け合う空間"という"BitSummit"の基本思想がしっかりと根付いていることがうかがえた。
今後"BitSummit"が、国内のインディーゲームデベロッパーの精神的支柱としてより確固たる存在となり、その一方でこうしたサテライト的、フォロワー的イベントが新たな筋道を標榜し、開拓していける状態になった時、国内ビデオゲームシーンは"次の段階"に入ったといえるのではないだろうか。