Changing your breathing can boost performance
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フィットネス

正しい呼吸でパフォーマンスを高めよう!

スポーツのパフォーマンスを高めたい人は深い呼吸を意識してみよう。
Written by Tom Ward
読み終わるまで:5分公開日:
  
怪我が原因でラグビー選手としてのキャリアを終えたあと、リッチー・ノートンは、「防ぐことができた」と自ら振り返り、The Strength Templeを立ち上げて、フィジカルパフォーマンスの謎に迫る旅を始めた。
ブライアン・マッケンジー、レアード・ハミルトン、パトリック・マッケオンなど、身体パフォーマンスの大家たちの元で学んだノートンは、フィジカルとメンタルの両面を鍛え直していった。しかし、その途中で、これまでの自分のトレーニングにはひとつ無視されている部分があったことに気が付いた。それが呼吸の方法だ。
ノートンは「呼吸は生命の源です。呼吸しなければ生きていけません。呼吸を意識すればするほど、健康的でハッピーなフィジカルとメンタルが手に入ります」と説明している。
そこで今回は、ノートンにフィジカルをピークに持って行くための呼吸ガイドを教えてもらった。

1:呼吸を意識する

「私たちの命を支えている呼吸については、最大限意識する必要があります。日々の生活の中で、もう少し呼吸を意識してみましょう」
5分間の呼吸瞑想練習が良いスタートになるでしょう。通勤やランチ、風呂などの合間に静かな時間を見つけて、目を閉じて呼吸を意識してみてください。呼吸を意識することが第一歩です。

2:免疫力を高める

「呼吸を意識して、どれだけの空気を体内に出し入れしているのかを考えるだけで、炎症の原因が減少するという研究結果が出ています」(ノートン)
免疫力が高まって炎症の原因が減少すれば、運動後に筋肉痛を感じる回数が減るため、トレーニングをすぐに再開できるようになる。また、エイジングやがんなどに繋がる可能性がある細胞損傷のリスクも減らせる。

3:横隔膜を使う

「横隔膜を使った呼吸をしてみましょう。できる限り大きく胸で呼吸したあと、息を止めて横隔膜を広げてみましょう。このトレーニングはストレスや肺疾患の可能性を軽減させる他、心肺機能の向上にも役立つと言われています」(ノートン)
この呼吸法は長期的な健康維持に役立つ上に、筋肉への酸素供給にも好影響を与える。筋肉に酸素がより多く供給されるようになれば、筋肉が成長し、強度と効率性が高まる。

4:鼻で呼吸する

口ではなく鼻で呼吸するようにすれば、体内に供給される酸素量が増え、二酸化炭素量がコントロールできるようになるという研究結果が出ている。体内の酸素量が増え、二酸化炭素量が減れば、不安感が取り除かれ、睡眠が深くなり、エクササイズがハードにこなせるようになる。
「鼻で呼吸して肺に沢山空気を送り込みましょう。鼻から肺に入れたあと8秒間止めて、また鼻から出すというトレーニングを繰り返してみましょう」(ノートン)

5:ストレスを解消する

「仕事、家庭、トレーニング、生活などでプレッシャーがかかると、浅い呼吸を急ピッチで繰り返すようになります」
「不安感を取り除くベストソリューションは呼吸のスピードを遅くすることです。ゆっくり優しく息を吸い、肺に空気を入れすぎないようにしながら、ゆっくりと自然に吐き出しましょう。すぐに気持ちが落ち着き、集中力が取り戻せるはずです」(ノートン)

6:集中力を高める

午後3時のオフィスの気だるさを乗り越えるために必要なものは、ランニングのラストスパートやクライミングのラスト20mに必要なものと同じだ。もちろん、メンタルの乱れが気だるさを感じてしまう原因のひとつなのだが、正しい呼吸をすれば、メンタルがスッキリする。
「(横隔膜を使いながら)コントロールされた鼻呼吸を繰り返してみましょう。1分間に15~20回のペースで、3~5分間続けてみましょう」(ノートン)

7:肺活量を増やす

「深い呼吸で横隔膜を動かすトレーニングを繰り返していくと、横隔膜の可動範囲が広くなって肺活量が増えるので、体内の酸素量が増えます」(ノートン)
この呼吸トレーニングを繰り返して、肺活量を増やそう。バイクレースのヒルクライムなど、肺活量が重要になる局面で大いに役立つはずだ。

8:痛みを軽減させる

「指を切った人、頭痛に悩まされている人、慢性疾患に苦しんでいる人など、体調不良に悩まされている人は、深くゆっくりとした呼吸を取り入れれば体調不良を感じるまでのリミットが増えますし、安心感も得られます」(ノートン)
出血している傷やアザを抱えながら行動を続けるのは危険だが、正しい呼吸を身に着ければ、落ち着いて助けを待てるようになる。レースの最終セクションでのスプリント勝負で肺が苦しくなってしまう人も、正しい呼吸をするようにすれば、パフォーマンスが向上するので、タイムに繋げることができる。

9:十分な睡眠を取る

睡眠が浅くて困っている人は、ベッドに入る前に深くゆっくりとした呼吸を繰り返すようにしよう。このような呼吸は心拍数を大きく下げ、心に平静をもたらしてくれる。Netflixからサインアウトすることも忘れないようにしたい。
「手を胸と腹部に置いてください。3秒ほど鼻から息を吸い込み、腹部を胸より高い位置まで膨らませてください。そして腹部を押しながら息を吐き出していきます。こうすることで横隔膜が動き、空気が押し出されます。眠くなるまでこの呼吸を繰り返しましょう」

10:瞑想に取り組む

呼吸を意識することは瞑想に深く関係しており、呼吸と瞑想はフィジカルとメンタル、そしてスポーツパフォーマンスに恩恵をもたらすと言われている。よって、自分の肉体能力を最大限引き出すには瞑想についてもしっかり学ぶ必要があるとノートンはコメントしている。
「色々な考えが頭をよぎってしまって上手く瞑想できない人は、呼吸に意識を向けるようにしましょう。先ほども説明しましたが、ゆっくりとコントロールされた深い呼吸を5分間繰り返せば(呼吸数は1分5回程度)、瞑想を簡単に “禅” の領域に持っていくことができるようになります。この領域は、メンタルとフィジカルの両方に恩恵をもたらします」(ノートン)