Estonian athlete Kristjan Ilves skis during a Nordic ski photoshoot in snowy Otepää, Estonia, on January 13, 2023.
© Jaanus Ree/Red Bull Content Pool
スキー

クロスカントリー vs ダウンヒル:自分に合ったスキースタイルの選び方

この冬スキーに挑戦してみたいけれど、どのスタイルが自分に合っているのか分からない? そんな人のために、クロスカントリーとダウンヒルの違いを地形・装備・フィジカルの負荷・リスクなど様々な側面から比較!
Written by Natalie Hamingson
読み終わるまで:7分Published on
冬の晴れた日にスキーで山肌を滑降したり、きらめく雪景色の中を探索したりするのは最高だ。自然とスリルを好むタイプの人には特にそうだろう。
アルペンスキーレジェンドのリンゼイ・ボンは、スロープを高速で駆け抜ける興奮を次のように説明している。
スキー界におけるGOATのひとりであるリンゼイ・ボン

スキー界におけるGOATのひとりであるリンゼイ・ボン

© Joerg Mitter/Red Bull Content Pool

私は速く滑りたいですし、自分を限界までプッシュして山を滑降するのが大好きです
リンゼイ・ボン
テレマークスキーのカービングターンから、ボビー・ブラウンの【Red Bull Cascade】で脚光を浴びたアクロバティックなフリースタイルスキーまで、スキーは最高にダイナミックなスポーツだ。
ところで、このスノースポーツは主に《クロスカントリー》《ダウンヒル》2種類のスタイルに分けられる。どちらのスタイルも主にスピードと滑る場所によって定義されるが、これらに留まらない細かな違いが存在する。装備からテクニックまで、クロスカントリースキーとダウンヒルスキーの比較ガイドを読み進めていこう。
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クロスカントリースキーの特徴

クロスカントリースキーは雪に覆われた大自然を味わう最高の方法

クロスカントリースキーは雪に覆われた大自然を味わう最高の方法

© Richard Ström/Red Bull Content Pool

ゆったりとしたペースを好む人ならば、クロスカントリースキーが最適かもしれない。ノルディックスキーとしても知られるクロスカントリーでは、起伏のある比較的平坦な地面を移動する。クロスカントリーでは、雪深い地形を進むために幅の狭いスキー板や柔軟性のある専用ブーツが必要になる。
クロスカントリースキーには2つの主要な走法が含まれている。スキー板を前後に動かす交互滑走(ダイアゴナル)を行なうクラシカル走法と、スキー板をスケートのように動かして前進するフリー走法だ。
どちらの場合も、山肌を高速で滑降しないので、クロスカントリースキーはより楽なスキースタイルと言ってもいいだろう。しかし、クロスカントリースキーでも相当なフィジカルストレングスが必要だ。クロスカントリースキーを1日続ければ、雄大な自然を隅々まで味わいながら素晴らしいワークアウトを完了できる。
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ダウンヒルスキーの特徴

ストレングス、勇気、身体協調性が求められるダウンヒルスキー

ストレングス、勇気、身体協調性が求められるダウンヒルスキー

© Gabriele Seghizzi/Red Bull Content Pool

大半の人は、スキーと聞けばダウンヒルスキーを思い浮かべる。アルペンスキーとしても知られるこのスタイルは、大抵は山頂までのスキーリフトと、その後のスロープでの滑降が含まれる。スキー板を安全に保つことが最優先されるため、堅牢なブーツと幅の広いスキー板が必要になる。
ダウンヒルスキーヤーたちは、高速で滑降できるようにスロープが整備されているスキーリゾートまで遠征することが多い。とはいえ、ゲレンデから外れた場所をスキーで滑降するオフピステ(バックカントリースキーとも呼ばれる)など、一部のサブカテゴリーについてはこの限りではない。
ダウンヒルスキーでは重力が強力な推進力を生み出すため、高いスピードが得られる。安全に滑降し、曲がりくねった山腹の斜面に対応するには、極めてハイレベルなスキルが要求される。驚異的な山肌を疾走しながら、ダウンヒルを飛ぶように滑り抜けるスリルに勝るものはない。また、スキースロープの高所からでなければ味わえない景色も存在する。
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クロスカントリースキーとダウンヒルスキーの違い

有酸素エクササイズとしてクロスカントリースキーに並ぶものはない

有酸素エクササイズとしてクロスカントリースキーに並ぶものはない

© Emrik Jansson/Red Bull Content Pool

地形とロケーション

ロケーションは両スタイルの最も明確な違いだ。ダウンヒルスキーは傾斜地で行われる一方、クロスカントリースキーは平地で行われる。
整備されたスキーリゾートのスロープはダウンヒルスキーの最も一般的なロケーションだが、クロスカントリースキーでは人工的に整備されたトレイルは必ずしも必要ではない。とはいえ、スキーメッカで知られる米国コロラド州のクロスカントリースポットなど、整備されたトレイルも多数存在する。

装備

スキーヤーにとって3つの不可欠なギアといえば、スキー板ストックスキーブーツだ。幅の広いタイプのスキー板はダウンヒルで小さなターンをしやすくするようにデザインされているが、幅の狭いクロスカントリー用スキー板は雪面との抵抗を減らすようにデザインされている。
ブーツをスキー板に固定するビンディングにもいくつかの違いがある。ダウンヒルでは頑丈なビンディングがスキーブーツを確実に固定し、クロスカントリーではファスナーが踵周辺に柔軟性をもたらしてくれる。
通常、ダウンヒルスキーとクロスカントリースキーでは異なった体温調整ギアが必要になる。クロスカントリースキーでは身体がオーバーヒートする可能性があると聞けば、驚く人もいるかもしれない。マラソン選手が冬でもタンクトップを着用しているのと同じだ。
そのため、ダウンヒルスキーヤーはかなり厚手のウェアを着込むが、クロスカントリースキーヤーは薄手のレイヤーだけで済む。他には、ダウンヒルスキーヤーはヘルメットによる保護と顔面に吹き付ける強風を遮るゴーグルも必要になる。
ダウンヒルトレーニングの準備をするマルコ・オーデルマット

ダウンヒルトレーニングの準備をするマルコ・オーデルマット

© Lorenz Richard/Red Bull Content Pool

テクニック

各スタイルのテクニックの違いの一部は、ギアの使い方に見られる。たとえば、クロスカントリースキーではストックワークが重要だが、ダウンヒルスキーヤーがストックを使うのは主にターンだけだ。
通常、クロスカントリースキーでは “蹴って滑る” の繰り返しになる。両足を肩幅に合わせて開き、腕を前方に出すフォームが取れたら、片足で蹴り出して前進する。蹴り出すたびにストック1本のを雪に突き刺し、パワーを高めつつバランスを取る。この基本ができるようになれば、体重移動だけで滑れるようになる。
ダウンヒルスキーでは、テクニックの多くはスピード調整のためにある。たとえば、スキー板を谷底に向けて “V” の字にすれば減速できる。このテクニックはボーゲンと呼ばれており、ダウンヒルのターンの基礎になる。ボーゲンの正しい姿勢が取れるようなれば、体重移動だけで進みたい方向へ進めるようになる。

フィジカルの負荷

どちらのスキースタイルも異なる理由でフィジカルストレングスが要求される。クロスカントリースキーでは、筋力で前進していくので強靭なスタミナがカギとなる。ダウンヒルスキーでは、重力で前進していくが、ターンやハイスピードに対応するには強靭な関節と体幹が不可欠だ。

リスク

アドベンチャー要素が高いため、スキーはリスクと無縁ではない。通常、クロスカントリースキーにおける「リスク軽減」とは、運動量に耐えられるだけの栄養補給・水分補給プランを準備することを意味する。とはいえ、事前に食べ過ぎてしまえば、高所で消化不良を招く恐れがある。
事前に十分な栄養補給・水分補給をしておくことは、ダウンヒルスキーでも重要だ。そして、一般的にダウンヒルスキーはよりハイリスクと考えられている。スピードが高いため、アクシデントが深刻な怪我に繋がる可能性が高いからだ。
また、雪山にいる以上、雪崩に注意しておくことも重要だ。とはいえ、余計な心配は無用だ。十分な準備トレーニングをしておけば、潜在的リスクの大半を最小化できる。
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まとめ

いっそ両方のスタイルにトライするのも正解だ

いっそ両方のスタイルにトライするのも正解だ

© Sophie Odelberg/Red Bull Content Pool

自分に合ったスキースタイルは、自分の満足度とスキルレベルで決まる。平坦な地形でバランスを取れるようになるために、クロスカントリーから始めるのが良いかもしれないが、ダウンヒルスキーの爽快感に魅力を感じている初心者は、緩やかなスロープで行われる講習を受けても良いだろう。
尚、選択肢はこれら2つだけではない。より上達すれば、アルペンツーリングのようなスタイルにもトライできる。アルペンツーリングは、クロスカントリースキーのパワーとダウンヒルを滑走する楽しさを組み合せたいいとこ取りのスタイルだ。
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