レッドブル=ボーラ=ハンスグローエがツール・ド・フランス2026に投入する新ロードバイク、Specialized S-Works Tarmac SL9を公開した。空力効率にフォーカスして設計されたこの新ロードバイクは、マイヨジョーヌ獲得を目指すレムコ・エヴェネプール&フロリアン・リポヴィッツのダブルエースが使用する。
今回は、レッドブル=ボーラ=ハンスグローエの新ロードバイクを徹底解剖し、7月4日にバルセロナで開幕するロードレース最大のイベントで違いを生む可能性のあるテクノロジーを明らかにしていこう。
01
すべてが磨き抜かれた軽量オールラウンダーバイク
Tarmac SL9は、Specializedの軽量オールラウンダープラットフォームにおける最新バージョンだ。平坦路の空力性能を最適化しつつ、空気抵抗がさほど重要ではなくなる登坂区間への最適化のため、重量はUCIの規定重量6.8kg内に収められている。
Tarmac SL9は、レッドブル=ボーラ=ハンスグローエがタイムトライアルステージを除くツール・ド・フランス2026の全ステージで使用するオールラウンダーバイクとなる。
Tarmac SL9の設計にあたり、Specializedはひとつの特性のみにフォーカスするのではなく、独自の「Time to Finish」と呼ばれるパフォーマンスモデリングを用いて空力 / 重量 / 剛性 / ライドクオリティにおける最速の融合バランスをはじき出した。
これはつまり、風洞テストのデータ上ではヨナス・ヴィンゲゴーが使用するCervelo S5などの他のバイクがスピードで優る可能性があるが、現実のライディングコンディションではTarmac SL9が軽量性でアドバンテージを得ることを意味する。これには687gとされるフレーム重量が寄与しているが、これは純粋な軽量バイクではないバイクとしては極めて低い数値だ。
02
先代Tarmac SL8との違い
Tarmac SL9の発表時に注目を集めたのは、この新型バイクが先代のSL8と比較して時速45km走行時に4wの抵抗減をもたらすというデータだ。
先代のSL8も、グランツール(プリモシュ・ログリッチ / ブエルタ・ア・エスパーニャ2024総合優勝)からワンデイクラシック(アムステル・ゴールドレース)、スプリントフィニッシュ(ジョルディ・メーウス / コペンハーゲンスプリント2025)にまでのあらゆるレースで勝利を収めたバイクだった。
ツール・ド・フランス2025のレース平均時速は42.8kmで、高速の平坦ステージでは平均時速50kmを超えていたため、この4wは優勝と2位を分ける違いになる可能性がある。
この4w分の抵抗減は、フレームのチューブ形状を少し修正し、よりクリーンに空気を切り裂くナローなヘッドチューブを備えた全体的に滑らかな形状にしたことで達成された。
最も注目すべき変化は、バイクのシートチューブから延びてリアホイールにより近づいている「Win Fin」の追加で、SpecializedはWin Finだけで時速45km走行時に0.5wも抵抗を減らせるとしている。「Win Fin」の上部には、空力性能をさらに向上させるためによりスリムで深い新型シートポストが取り付けられている。
ところが、興味深いことにTarmac SL9のジオメトリーは先代SL8と同じだ。これは、Specializedが先代の時点で勝利の方程式をすでに見出していたことを示している。
03
勝利のためのコンポーネント
その他の部分では、Tarmac SL9公開時に確認できた新コンポーネントはなく、Roval Rapideのコックピット、Roval Rapide CLX IIIホイール、Turbo Cotton TLRタイヤ、そしてS-Works Power EVO with Mirror の3Dプリントサドルが先代SL8から引き継がれている。
この結果、これまで長期に渡りSL8でフィットネスを磨き上げてきたライダーたちと、3週間のグランツールを通じてロードサイドで迅速な修理作業を行う必要があるメカニックたちに一貫性がもたらされる。
レッドブル=ボーラ=ハンスグローエSpecialized S-Works Tarmac SL9では、グループセットスポンサーSRAMが手がける先駆的なRED AXSドライブトレイン / ブレーキシステムが採用され、推進力と制動力を提供する。ワイヤレスシフターは、ハンドルバーフードの内側に「Wireless Blips」が装備されており、ライダーたちはドロップハンドルを握ったアタック時もシフト操作を行える。
SRAM RED AXSは、1x(ワンバイ)ドライブトレインとしても設定可能だ。チェーンリングが1枚だけになるこの設定は、フロントディレーラーと2枚目のチェーンリングを排することで空力を向上させ、低速ギアが不要な高速平坦ステージで重量面のアドバンテージを得られる。
その他の注目コンポーネントとしては、K-Edgeのチェーンキャッチャーとヘッドユニットマウント(前者はチェーン落ちによるメカニカルトラブルやタイムロスを最小限に抑える)が装備されている。また、ヘッドユニットにはSRAM傘下のHammerheadが手がけるKaroo 3が採用されている。
レムコ・エヴェネプールにとって重要な2勝を意味する特徴的なゴールドカラーで仕上げられたSL9だが、7月末にこのゴールドが “イエロー” に置き換わっていても不思議ではない。
04
Specialized S-Works Tarmac SL9 レッドブル=ボーラ=ハンスグローエ仕様:スペック
コンポーネント
スペック
フレームセット
Specialized S-Works Tarmac SL9
ペイント
レッドブル=ボーラ=ハンスグローエ ワールドツアーチーム
フロントディレーラー
SRAM RED AXS
リアディレーラー
SRAM RED AXS
シフター / ブレーキ
SRAMカスタムグラフィック仕様RED AXS HRD Shift-Brakeレバー(SRAM Wireless Blips内蔵)
ローター
Paceline X(フロント160mm / リア140mm)
カセット
RED XG-1290 / 10-33T(ゴールド仕様)
チェーン
RED(ゴールド仕様)
クランクセット
RED AXS(Quarqパワーメーター付)/ 172.5 / SRAMカスタムグラフィック仕様56/43Tチェーンリング
チェーンキャッチャー
K-Edge Pro Road Braze-On
ホイール
Specialized Roval Rapide CLX III
ハンドルバー / ステム
Specialized Roval Rapide
バーテープ
Supacaz Super Sticky Kush
シートポスト
S-Works Rapide Post
サドル
S-Works Power Mirror EVO(ゴールド仕様)
フロントタイヤ
S-Works Cotton TLR
リアタイヤ
S-Works Cotton TLR
ヘッドユニット Unit
Hammerhead Karoo 3
ヘッドユニットマウント
K-Edge Specialized Roval Rapide
ボトルケージ
Tacx Deva
▶︎RedBull.comでは世界から発信される記事を毎週更新中! トップページからチェック!