Daigo 'The Beast' Umehara in action
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eスポーツ

ウメハラ インタビュー:CAPCOM Pro Tour Online 2020への思いと準備

オンライン開催が決定した『ストリートファイターV』のプロツアーに向けて着々と準備を進めている日本人レジェンドプレイヤーが来たるべき戦いを前に語った。
Written by Ryan Collins
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ストリートファイターV』の新シーズンが始まって以来、ウメハラこと梅原大吾はルーティンをひたすら繰り返している。
TwitchMildomのストリーミングチャンネルにログインし、『ストリートファイターV』を起動すると、ウメハラの1日が始まる。ウメハラはランクマッチを何時間も繰り返し、対戦相手に勝利を譲りながらメタと強化すべきポイントを熟考し、さらにはトッププレイヤーたちとロングセットをこなしている。
この世界を代表するトッププレイヤーと同じ強度で準備を重ねているプレイヤーはほとんど見られなかった。しかし、シーズンがどのようになるのか明確に見えていなかったにもかかわらず、ウメハラはワールドウォリアーたちとの来たる戦いに向けて自分を磨き続けていた。そして先日、彼の戦いへの渇望が満たされることが明らかになった。
しかし、その戦いの舞台はこれまでとは異なる。
Capcom Pro Tour 2020シーズンオンラインフォーマットで開催されるというニュースは、ウメハラを含む全プレイヤーを驚かせた。オフライントーナメントが開催されない状況が続いていたため、格闘ゲームコミュニティは今年は何も開催されないと思い込んでおり、支えが何もないまま年末を迎えると思っていた。
そのため、カプコンのCapcom Pro Tour Online 2020開催発表はウメハラを喜ばせた。
「今年はCPTはなしだと思っていたので良かったです。開催する方法を何とかして見つけ出そうという彼らの努力は、本気度を示していると思いますし、そういう意味でも嬉しかったですね」
ここ最近は影ナル者をマスターするための努力を重ねてきたウメハラだが、トーナメントでは近年の彼の代名詞になっているガイルをメインに据えるつもりのようだ。
「2019シーズンはかなり厳しかったんですが、今シーズンは昨シーズンよりは楽だと思うんですよね」と語るウメハラは、影ナル者を実戦投入する予定はまだないようで、「現時点では影ナル者については何とも言えないですね。もう少しトレーニングをして知識が集まれば使う可能性はあります」と語るに留めている。
しかし、2019年12月の調整が、ウメハラにこのキャラクターを触らせるきっかけになったのは確かなようだ。
今一番強いのはユリアンだと思います
プレイヤーごとにキャラクターランキングは大きく異なり、『ストリートファイターV』のコミュニティ内に「どのキャラクターが一番強いのか」についての統一見解は存在しない。ウメハラのキャラクターランキングの上位も一般的とは言い難い。
ウメハラは強キャラクターとして「ユリアンコーリン豪鬼ガイルセス(順不同)」を挙げた上で、「今一番強いのはユリアンだと思います」としている。興味深いことに、ウメハラのトップ5には多くのプレイヤーがトップ5に入れているラシード是空Gが入っていない。
この違いはメタの現状を説明しているのかもしれない。キャラクター差が非常に詰まっているため、誰が強いのか明確には分からず、どのキャラクターでも勝利は可能なのだ。そして、ウメハラはそこを目指している。
「これまでで一番バランスが取れていると思うので、現行メタには満足しています。新キャラクターのセスギルも良いですよ」と語るウメハラは、カプコンの方向性を楽しんでいる。「VスキルIIは良いと思いますし、かなりオープンなゲームになっていますね。幅広いプレイができます。この方向性を維持してくれることを願っています」
しかし、これは諸刃の剣とも言える。バトルシステムが完成に近づいている分、勝てるキャラクターが増えており、プロプレイヤーたちの戦いは混戦模様となっている。
たとえば、さくらはこれまで多くのプレイヤーが強いと思っていなかったが、EVO Japan 2020で彼女を使うナウマンが優勝したことで一気に評価が変わった。格闘ゲームコミュニティに衝撃を与えたこの優勝は、「どのキャラクターも下に見ることはできない」という意識を強めるきっかけとなった。
プールで意外なマッチアップに苦労する確率がこれまで以上に高まっている今、ウメハラは知識をさらに積み上げる必要があることに気付いている。
「レアキャラクター対策を強化していく必要がありますね。ですが、一般的なマッチアップについてはほとんどカバーできています」
レアキャラクター対策を強化していく必要があります
トッププレイヤーになるためにはゲームへの順応力をさらに高める必要があるが、ゲーム内のキャラクターだけではなく現実世界のプレイヤーにも対応していかなければならない。世界情勢の変化を受けて他のプレイヤーとオフライン対戦する機会が減っているため、ウメハラはオンライン対戦で自分のレベルを維持しようとしている。
「外出できないので、自宅からのオンライン対戦だけでトレーニングしています。それまでは外出して他のプレイヤーとトレーニングをしていました」
「最近はオンラインしか選択肢がないので、クリエイティブに考える必要が出てきましたが、そのおかげでかなり色々な気付きが得られました。ですので、オンラインにはオンラインの良さがありますね」
ウメハラ(梅原大吾)
ウメハラ(梅原大吾)
他のトッププレイヤーを招待してオンライン対戦を重ねているウメハラは、対戦相手だけではなく自分たちの対戦を観戦している視聴者たちも交えながら細部を確認することで知識をさらに深めている。ウメハラが説明する。
「配信は視聴者に僕のプレイを教えると同時に、僕が知らなかったことを彼らから教わることもできるんですよね。このメリットを最大限活用しています。毎回何かしらの学びがありますね」
このような取り組みのすべてが、新トーナメントのビクトリーロードになっていく。そして、その道の先に誰が立ちはだかってもウメハラが気にすることはない。本人の準備はできている。ウメハラは最後に次のように語っている。
「日本人プレイヤーと毎日対戦しているので、米国・ヨーロッパのプレイヤーやアジアのプレイヤーと対戦するのが楽しみですね」
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